- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065277522
感想・レビュー・書評
-
「自分の頭で考える力」が根本から身につく!
答えなき時代に独学を深めるうえで必須の「考える技術」を、気鋭の哲学者が徹底解説。
(出版社HPより)
★☆工学分館の所蔵はこちら→
https://opac.library.tohoku.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=TT22186857詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今の時代、正しい正解を早く見つける事は重要でなく、その解を出すための課題や問いを見つける力が重要だと言われる。
それは私もそう思っているし、その問いを見つけることが難しいと思っている。
だからこそこの問いを立てる力がすごく大事で、それが目的でもありゴールでもあると思っていたが本書の中で問いを立てる力はスタートラインでしかないことがわかった。
(言われてみれば当たり前だが…)
問いを立てる力の次に必要なものが内容を文節する力、そしてその文節で集めた内容を要約する力、そしてその要約した内容を論証(半生)する力それによってその内容に説得力を持たせる。
ただそれだけでは人は動かず…のため最後に必要なのは物語化する力である。
この物語化、ストーリーにするのもよく言われるし私が苦手なものだ。
そのストーリーの中にはメタファーも入ってくるし全く私ができていない部分である。
この5つのスキルは全てできていない。
ただその5つのスキルをここまでしっかり体系的にまとめられた内容を知ることができてとても学びになった。
まずはこの5つのスキルを意識して進めていきたい。
5つのスキル
「問いを立てる力」
「分節する力」
「要約する力」
「論証する力」
「物語化する力」
====
ジャンル:自己啓発・マインド リベラルアーツ
出版社:講談社
定価:990円(税込)
出版日:2022年03月20日
====
山野弘樹(やまの ひろき)
1994年、東京都生まれ
2017年、上智大学文学部史学科卒業
2019年、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(比較文学比較文化分野)修士課程修了
現在、同大学院博士課程、および日本学術振興会特別研究員DC1、「東京大学共生のための国際哲学研究センター(UTCP)」リサーチ・アシスタント
専門は哲学(とりわけポール・リクールの思想)
2019年、日本哲学会優秀論文賞受賞
2021年、日仏哲学会若手研究者奨励賞受賞
「哲学の知と実社会を繋ぐ」という理念のもと、哲学の〈意義〉と〈魅力〉を世に幅広く発信することをライフワークとしている
====
flier要約
https://www.flierinc.com/summary/3048 -
展示図書 思考力フルスロットル!!!
「考えを学ぶ」「考えを鍛える」「考えを描く」図書
【配架場所】 図・3F文庫・新書(講談社現代新書 No.2654)
【請求記号】 080||KO||2654
【OPACへのリンク】
https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/461064 -
p33 読書は他人の思索をなぞっているだけ
p43 思索を展開することこそが思索の本質である
p54 同語反復 トートロジー なんの情報も付加せず、同じことを繰り返すだけの言葉
p71 物事は、重要な情報とそうでない情報の2つに別れています。ここで大切なのは「何が重要な情報なのか?」ということを見極めることです
p152 私達は多くの場合、「精神の傾向性が全く異質だから考え方が違う」というより、「これまで積み重ねてきた経験やトウニンが巻き込まれてきた社会的状況が異質だから考え方が違う」のです
情報の質や重要性を節目に応じて分けていく力こそが、これから訓練してかなければならない分節力 -
読んでてなるほどなと思わせる話ではある。でも、著者の言うように、おそらくこの技法を身につけるには特殊な思考法、といっても普段はそういう方法を取らなくても生活していけるのだが、その特殊な方法を身につけ、それを駆使して考える、そして答えを見つける、といったことをしていけば、もっと、それが良いかどうかはわからないのだけど、深く人生を味わえるのかもしれない。
しかし、残念ながら、あまりというか殆ど理解できていないように思うので、まだまだ遠い道だなあ。 -
<目次>
はじめに 答えなき時代に求められる「独学」の力
プロローグ 「考える」とはどういうことか?~ショーペンハウアー『読書について』から考える
第1部 原理編~五つの「考える技術」
第1章 問いを立てる力~思考の出発点を決める
第2章 分節する力~情報の質を見極める
第3章 要約する力~理解を深める
第4章 論証する力~論理を繋げて思考を構築する
第5章 物語化する力~相手に伝わる思考をする
第2部 応用編~独学を深める三つの「対話的思考」
第6章 「問い」によって他者に寄り添う~対話的思考のステップ1
第7章 「チャリタブル・リーディング」を実践すする~対話的思考のステップ2
第8章 他者に合わせた「イメージ」を用いる~対話的思考のステップ3
おわりに
<内容>
哲学的に、論理的に物事を思考する方法をまとめた本。最初のショーペンハウアーの話は、少し硬いな、と思ったが、読み進むうちに、具体的な部分と抽象的な論理部分がうまくつながって、よくわかった。「チャリタブル・リーディング」など、よくわからない言葉だが、これはまず相手の話を肯定したうえで、よくわからない部分を確認したり、論理と具体の間で違和感のある部分を聞いたり、「クリティカル・リーディング」をして(これは相手を全否定したり、反論したりすることでなく、あくまでも「肯定」したうえで、その不可解な部分を聞くという感じ)、相手の説を発展的にまとめて、進めていくことを言う。説明が上手くないのは、まだ自分の中で昇華していないということ。自分たち教師が、学校で生徒に「研究」をさせているが、こうした実践をさせたうえで、現実的に落としていければ、もう少し生徒が上手く活動できるかも…。 -
まだ20代後半の若き学者による本。
著者は上智大学文学部史学科を卒業後、東京大学大学院博士課程で哲学などを学んでいる。
ざっくばらんに言って、若いのにこんな本出してすごいなぁ、というのが感想。
独学というと、文字通り一人で学問することだと、一般には理解されているであろうし、私もそう思った。
よって、本書はそういう意味での独学のやり方を説明する本だと思って読んでみたが、これは全く見当違いだった。
なぜなら、著者のいう「独学」は世間一般の独学とは違うからだ。
それは、なぜかというと、他者との対話を必須の要素としているからである。
著者曰く、「「独学」は他者との対話を経ることによって初めてその真価を発揮する。」
そのため、本書の後編(応用編といわれている)は、他者とのコミュニケーションの取り方が主な内容となっている。
確かに、自らの学びによって得た知識や経験を他者との議論を通じて昇華するというプロセスは必要だと思うが、果たしてこれが独学といえるのであろうか。
一方、「独学」の出発点は、「問いを立てる」ことという説明は納得がいく。
また、これがある意味最も重要なことであることは理解できる。
しかし、肝心の問いの立て方の説明がなんとなく分かったような分からないようなという感じで、この点をもう少し分かりやすく説明しないと、読者(少なくとも私)がこれを実践することはかなり困難である。
内容自体はなかなか面白いところを突いているのだが、あと少し何かが足りない感じがして、モヤモヤ感が残るのは残念。
大きなお世話かも知れないが、10年後、20年後に再度、本書を書き直したら、もっとすごい内容になるのではないか。 -
はじめにーー答えなき時代に求められる「独学の力」
プロローグ 「考える」とはどういうことか?
ーーショーペンハウアー『読書について』から考える
第1部 原理編ーー5つの「考える技術」
第1章 問いを立てる力ーー思考の出発点を決める
第2章 分節する力ーー情報の質を見極める
第3章 要約する力ーー理解を深める
第4章 論証する力ーー論理を繋げて思考を構築する
第5章 物語化する力ーー相手に伝わる思考をする
第2部 応用編ーー独学を深める3つの「対話的思考」
第6章 対話的思考のステップ1ーー「問い」によって他者に寄り添う
第7章 対話的思考のステップ2ーーチャリタブル・リーディングを実践する
第8章 対話的思考のステップ3ーー他者に合わせた「イメージ」を用いる