本当に役立つ栄養学 肥満、病気、老化予防のカギとなる食べものの科学 (ブルーバックス)
- 講談社 (2022年5月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065280805
作品紹介・あらすじ
「食物繊維は体にいいから消化もいい」と語っている学生に、そもそも消化ができないものを食物繊維ということを説明すると、では「消化できないものが体に必要なのか」ときかれて、これは正しい食の知識が必要だと感じた著者。
体にいい、悪いで語られがちな食べものについて、多くの人がわかっているようでわかっていないという実態を感じて、現在わかっている食の科学を理解し、正しい情報の受け取り方ができるようにという思いで執筆した1冊。栄養学的な面と、複雑な体の代謝のしくみをなるべくやさしい言葉で解説します。
食品によっては、時代的背景も関係していたり、健康ブームの空気にのって「良い食べもの」になっているものも。食と代謝はまだまだ解明されていないことも多いのですが、わかっていることをクリアにしながら、誤った認識に陥らない方向を示します。
序章 食べ物、その正体とは
第1章 食べ物に含まれる栄養素の真実
第2章 消化と吸収から考える食べもの
第3章 体のなかで栄養素はどんな働きをしているのか
第4章 血液という体液から考える食べもの
第5章 筋肉、骨、皮膚と食べもの
第6章 脳と神経に作用する食べもの
第7章 健康な食べものは本当に体に良いのか
感想・レビュー・書評
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【選書No】092
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人間の体を作っている食べ物がどのような経路を辿って分解され、栄養素としてどんな効果を発揮するかを説明している。栄養学とあるが、料理や調理法についてではなく、食べ物の成分が体に及ぼす影響を学ぶことができる。
最も印象的だったのは、人間の体が栄養素を再吸収したり、様々な手段で糖を作り出して、体内のいたるところにエネルギーを送り届ける仕組みがあることだ。効率的な成分の扱い方が自然に生まれたからこそ、狩猟採集民の時代を生きてこられたのだと思う。
食物繊維や短鎖、中佐脂肪酸、GABAが注目される理由は、ただ生きることよりも、快適に過ごすことが重視される時代になったからである。特に、血液脳関門は、本書のキーワードだと感じた。 -
人間の体は本当に不思議なものであり、各部のはたらきに関して未だ不明な点が多い。その体をつくるのは、言うまでもなく我々が摂取した食べ物である。巷には、体と食べ物についての様々な言説が飛び交い、「健康」が人の心を動かすこともしばしばある。その一端、「健康」という言葉に釣られ、 この本を手に取った。内容を通して「そういえば、『健康』の根拠を意識できる者はあまり見かけない」と感じた。 食べ物が体の一部になり生きるためにはたらくとき、自分の体の中で何が起こっているのか。なぜ健康な食べ物は体の中で良いはたらきになるのか。現在の知見を広げられるだけでなく、これからの生活にもきっと役に立つ、健康に対する考え方を深められる。
(生命理工学系 B2) -
結論 各食べ物の作用についてはまだまだ解明されてないことも多い。様々なものを食べよう
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生化学の知見をもとに、体内で栄養がどのように使われているかを教えてくれる。
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さすがブルーバックス、と思わせてくれる良書。
アスリート目線での記述は限定的ですが、一般論を正しく理解するのに有用。
・植物だけが、太陽エネルギーを原料に、炭水化物やアミノ酸など必要なものを自力で作ることができる
・5大栄養素は、PFCとビタミン、ミネラル
・セルロースのような、分解できない糖が食物繊維と呼ばれる
・タンパク質の栄養的な価値は、必須アミノ酸を供給すること
・酵素は、生体で起こる化学反応に対して触媒として機能するタンパク質
・納豆にビタミンKが含まれるのは、納豆菌が産生するため
・n3系脂肪酸が豊富な魚: サバ、カツオ、イワシ、サンマ -
498-S
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