ゼロからわかる量子コンピュータ (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
3.56
  • (8)
  • (14)
  • (17)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 191
感想 : 32
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065282991

作品紹介・あらすじ

■■■■■■■■■■■■■■■
経済安全保障の最優先課題
「量子コンピュータ」について
わかりやすく解説した入門書!
■■■■■■■■■■■■■■■
自動車・金融・化学・製薬・物流
メタバース・AI……
量子コンピュータは
世界をどう変えるのか?
■■■■■■■■■■■■■■■

いま世界各国では、既存のスーパーコンピュータを
遥かに凌ぐとされる「量子コンピュータ」の
大規模な開発プロジェクトが進み始めている。

本書はそれを無条件に肯定したり、あるいは
逆に頭ごなしに否定するといった内容ではない。

量子コンピュータの基本的な原理から産業的側面、
さらには社会・政治的インパクトに至るまで、
多面的な事実を積み上げ考察を加えることにより、
その際どい実現可能性を検証していくのが
本当の狙いである。

はたして「夢の超高速計算機」は
本当に実現するのか――。

■■■■■■■■■■■■■■■
IBM,グーグル、
マイクロソフト、アマゾン……
ビッグテック参入のウラで
報じられていない実態とは?
■■■■■■■■■■■■■■■

・・・本書のおもな内容・・・

第1章 巨額の投資対象に変貌した「科学の楽園」
――量子コンピュータとは何か
「経済安全保障」の最優先課題
これから高まる“量子人材”の必要性
2023年が実用化へのターニングポイント
グーグルvs.IBMの激しい応酬
別路線を歩むマイクロソフトの意図
猛追するアマゾンの焦り ほか

第2章 現実離れした「量子コンピュータ」のしくみ
ーー謎の超高速計算機はどう動いているのか
量子力学の基本法則
全知全能の神ですらわからない「真の不確実性」
量子ビットの作り方
量子コンピュータ開発の技術的難題
量子コンピュータ=汎用性が高いとは言えない理由
巡回セールスマン問題は解けるのか?
「P≠NP予想」とは ほか

第3章 量子コンピュータは世界をどう変えるのか
【自動車】渋滞を解消しサプライチェーンの最適化
【金融】投資ビジネスの競争優位性を高める
【化学】最適な組み合わせを見つけバッテリー開発に活かす
【製薬】創薬にかかる膨大な時間とコストを圧縮
【物流】配達ルートや輸送手段の効率化
【メタバース】巨大な仮想経済圏を難なく支える超並列コンピューティング
暗号破りコンテストの結果と次世代暗号導入を急ぐ理由
暗号をめぐる中国と米国の駆け引き ほか

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2021年の自民党の政策パンフレットに「国産量子コンピュータの開発に取り組む」と書いてあったが、現在はどうなっているのだろう。2023年のパンフレットには「最先端技術への投資を拡大する」とある。是非とも技術をものにしてほしい。

    本書は、量子コンピュータとは何か、量子コンピュータの仕組み、量子コンピュータで何ができるのかをテーマに、できるだけ数式を使わず、わかりやすく説明されている。とはいうものの、量子力学は難しい。

    勘違いしていたのだが、量子コンピュータはなんでもできるわけではなく、計算のためのアルゴリズムがあるものにだけ使用できるそうだ。量子コンピュータを使うことで、身近なところでは、新薬の開発や渋滞の緩和等が期待されている。

    今はまだライト兄弟が作った飛行機と同じ段階だという量子コンピュータ。実用化できるかはまだわからないが、夢のある話だった。

    • 犀さん
      yyさん

      こんにちは。コメントありがとうございます。

      夢のある技術の話が好きなので、とても楽しく読めました。テレビでも紹介されていたので...
      yyさん

      こんにちは。コメントありがとうございます。

      夢のある技術の話が好きなので、とても楽しく読めました。テレビでも紹介されていたのですね。観たかったです。

      日本では東芝やNEC等が開発をしているそうなのですが、現状ではやっぱりアメリカと中国が一歩リードしているそうです。日本もなんとか頑張ってほしいですね。

      実用化されることを願ってます。
      2023/04/02
    • yyさん
      犀さん

      再びお邪魔します。
      とってもお節介ながら…。
      私が見た番組はどちらも まだTVerで観ることができます。
      ・3月28日(...
      犀さん

      再びお邪魔します。
      とってもお節介ながら…。
      私が見た番組はどちらも まだTVerで観ることができます。
      ・3月28日(火)放送 カズレーザーと学ぶ
      ・4月1日(土)放送 正義のミカタ(53分くらいから)
      ご存知かと思いますが、放送後一週間の間は無料で観られるので便利♪

      失礼しました _(._.)_
      2023/04/02
    • 犀さん
      yyさん

      貴重な情報ありがとうございます。
      つい最近やっていたのですね。早速観ようと思います。
      yyさん

      貴重な情報ありがとうございます。
      つい最近やっていたのですね。早速観ようと思います。
      2023/04/02
  • 第3回 生成AIが著作権侵害などで訴えられる――人間の作品から学んで創る人工知能はクリエーターやジャーナリストの敵となるのか? - 研究員コラム
    https://rp.kddi-research.jp/atelier/column/archives/1192

    【気になる!】新書『ゼロからわかる量子コンピュータ』小林雅一著 | レビュー | Book Bang -ブックバン-(産経ニュース2022年8月28日 掲載)
    https://www.bookbang.jp/review/article/739677

    『ゼロからわかる量子コンピュータ』(小林 雅一):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000366940

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      量子コンピュータとサイバーセキュリティ | 非IT部門も知っておきたいサイバー攻撃の最新動向と企業の経営リスク | リスク対策.com | ...
      量子コンピュータとサイバーセキュリティ | 非IT部門も知っておきたいサイバー攻撃の最新動向と企業の経営リスク | リスク対策.com | 新建新聞社(会員記事)
      https://www.risktaisaku.com/articles/-/78014
      2023/04/05
  • 職場の同僚からの勧めで読んでみたが(パラパラめくってみたが)、殆ど理解できず。。

    サイモン・シンの『暗号解読』を読んで知っていた以上のことは分からず。

    悔しいなあ。。

  • 量子コンピュータについての知識が全くなく、しかも文系という立場で本書を手に取りましたが、題名通りゼロから量子コンピュータについて理解できる良書でした。現在主流のコンピュータが用いているデジタルデータが、0か1のいずれかの値を取り、その二進法の組み合わせとAND、ORなどの論理ゲートによって計算を行っているのに対して、量子コンピュータが扱う量子は「0でもあり1でもある」という特徴を持つことから(量子重ね合わせ)、指数関数的に複雑な計算も短時間でこなすことができる、なぜなら・・・ということで丁寧に説明が書かれていました。説明は理論的な側面と(これも文系の人間にも理解できるレベルに抑えてもらっている)、機械的な側面(どういうメカニズムで実現しようとしているのか)の両方がわかりやすく書かれていたと思います。

    量子重ね合わせ方式についても、超電導量子ビット方式、イオントラップ量子ビット方式、光量子ビット方式など、いくつかの方式が実際に開発されていて、それぞれ一長一短あることなど、だいぶわかりやすく解説されていた印象でした。

    著者が最後の章で述べているように、量子コンピュータについては、メディアも研究当事者も、かなり成果を「盛って」発表しているであろうこと、つまりまだまだ実用化には程遠いのが実情だとは思うのですが、いずれにしても量子コンピュータはポストデジタル時代の象徴になる存在であると本書から感じました。

    私は本書を読んで、量子という存在と人間という存在の共通点のようなものに思いを馳せました(科学的に似ているかということではなく、あくまで思索的なものです)。量子は0でもあるし1でもある、それによっていかなる存在にもなりえるのですが(複素数平面上のどこにでも位置できる)、それが様々な干渉などを通じて、徐々に値が定まっていくわけです。これは量子の選択肢が、生まれたての時には最大だったものが、徐々に狭まってくる、という風に見ることもできるわけで、人間との共通点のようなものを感じました。人間の赤ちゃんの可能性は最大ですが(何にでもなれる)、どんな自分になれるかについては徐々に選択肢が狭まっていき、死によってそれが確定するわけです。量子の世界には、量子重ね合わせ(0でもあり1でもある)の状態が維持されている時間を「コヒーレンス時間」と呼ぶようですが、これはまさに人間にとっての人生期間であり、人間にとっての死は、量子コンピュータにとっての計算修了(数値確定)に該当する、というわけです。

    量子コンピュータという概念自体が、なにか世界の真理を垣間見させてくれるのかもしれない、ということで、以前読んだ佐治晴夫氏の「宇宙のカケラ 物理学者般若心経を語る」の記憶もよみがえり、仏教哲学書も読んでみたくなってきました。本書、知的好奇心を刺激してくれる本でした。

  • 無知蒙昧な我が身からすると第3章辺りの数式が完全に分かっておらず読了したとはいえない。
    量子コンピューターの概要と後半にある活かし方についてはとても興味を持って読めた。日本でも量子コンピューターが開始されたそうなので把握はしておきたい。
    0であり1である相反する考え方の理解(解説はしてくれている)からだろうけど…

  • 量子コンピュータの開発に取り組む主要国や世界的大企業とベンチャー企業の動向などを幅広く解説。量子コンピュータの研究動向はここ数年で目まぐるしく変わったが、その中でも有名な論文発表などにも触れられ、歴史の動きを振り返ることができる。量子人材の育成が急務と言われているが、それで本当に一生食っていけるのか。。実用までは遠そうだけど、投資し続けなければならない難しい分野だなと思う。

  • 量子コンピュータの歴史と理論、課題、将来像等を新書一冊にまとめ、何だか分かったようなわからないような気にさせてくれる。

    量子ゲート方式と量子アニーリング方式の違い
    量子重ね合わせと量子もつの利用
    量子ビットの実現方法3種 超電導量子ビット、イオントラップ量子ビット、光量子ビット
    量子誤り訂正の必要性
    ショアのアルゴリズムとグローバーのアルゴリズム
    IBM量子プロセッサ コンドル

  • 量子コンピュータとは何のか?どのような原理で動き、また人類をどのように発展させうるのかが書かれた一冊。内容は100%理解できなかったが、なんとなく量子コンピュータについて知ることができた一冊。副次的な知識も必要。

  • 難解な量子コンピュータについて、文系諸氏にもわかりやすく書いた1冊、だとは思うけど、それでも難しかった。現在のキャッシュレス決済も高度な情報技術に裏打ちされていることを知った。
    こんなところで素因数分解が使われているなんて…。

  • 特集:「先生と先輩がすすめる本」
     量子コンピュータという超高速計算機の開発が期待されています。「誤り訂正」という技術が開発されれば、実現に大きく近づくそうです。一方、火星探査や宇 宙旅行などの宇宙開発にも多額の費用がつぎ込まれています。前者は超ミクロな 世界、後者は超マクロな世界における現象の応用技術であり、いずれにせよ日常 生活では意識しない作用が扱われています。機械工学における従来のものづくりには、大前提として地球の重力の存在がありますが、いわゆる強い力や弱い力を考慮したものづくりも考えなければならない時代が到来しつつあります。
    (機械工学科 教員推薦)

    ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00562756

全32件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1963年群馬県生まれ。KDDI総合研究所リサーチフェロー、情報セキュリティ大学院大学客員准教授。専門はITやライフ・サイエンスなど先端技術の動向調査。東京大学理学部物理学科卒業、同大学院理学系研究科を修了後、雑誌記者などを経てボストン大学に留学、マスコミ論を専攻。ニューヨークで新聞社勤務、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所などで教鞭をとった後、現職。著書に『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』『ゲノム編集とは何か 「DNAのメス」クリスパーの衝撃』『仕事の未来 「ジョブ・オートメーション」の罠と「ギグ・エコノミー」の現実』(以上、講談社現代新書)、『ブレインテックの衝撃 脳×テクノロジーの最前線』(祥伝社新書)、『「スパコン富岳」後の日本 科学技術立国は復活できるか』(中公新書ラクレ)など多数。

「2022年 『ゼロからわかる量子コンピュータ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小林雅一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×