殊能将之 未発表短篇集 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 312
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065289839

作品紹介・あらすじ

デビュー後、編集部の要請で送られていた習作短篇3篇とデビュー当時の様子を友人に書き送った「ハサミ男の秘密の日記」を収録。独特の笑いとセンス、ペーソスを湛えた殊能将之初期作品集。

2013年の急逝後も、ミステリファンの間で語られ続ける著者の未発表作品を待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 殊能将之『殊能将之 未発表短篇集』講談社文庫。

    2013年に49歳で急逝した覆面作家・殊能将之の没後に発見された未発表短篇集。デビュー初期作品4編を収録。

    独特の感性が垣間見える短編が並ぶ。中でも『犬がこわい』と『ハサミ男の秘密の日記』が面白かった。

    『犬がこわい』。ありふれた日常の中に潜む怖いサスペンス。兎に角、妻にも娘にも厭きられるほど犬を異常に怖がる男が主人公。近所の家の前に放し飼いの犬が居座り、やむなく遠回りで通勤する男。ある日、その犬の飼い主と思われる男が家の中から顔を出す。★★★★

    『鬼ごっこ』。ヤクザや現場作業員たちによる壮大な鬼ごっこが描かれる。タイトル自体がオチなのか、作中には特にオチらしいオチは見当たらない。★★★

    『精霊もどし』。妻を亡くした男が友人の力を借りて、妻を甦らせる。しかし、友人には妻の姿が見えるのに、自分には見えないという皮肉な結果に。★★★

    『ハサミ男の秘密の日記』。『ハサミ男』が第13回メフィストを受賞してからの内幕を描いた日記風の作品。★★★★

    殊能将之と言うと『ハサミ男』『美濃牛』『黒い仏』の3作を読んだことがある。面白かったという記憶はあるが、その後の作品は読んでいない。急逝したことも新聞の訃報記事で見た覚えがある。

    定価671円
    ★★★★

  • もう作品が読めないのは残念です。どれも面白かったー!

  • 殊能さんという人間が垣間見れた貴重な一冊でした。
    同郷ということでなんだか思い入れもあって、もっとたくさんの作品を読みたかったなぁ。

  • 彼の文体が単純に好みですので、全てあっという間に読み終えました。
    未発表作品が見付かって本当に良かった!!

    「ハサミ男の日記」は氏がメフィスト賞をとった際の体験記で非常にコミカルに書かれてあり、笑いながら読んでいました。
    ハサミ男の時にも思いましたが、この才能が消えてしまった事が残念でなりません。

  • ハサミ男が好きすぎて好きすぎて、短編集とても嬉しい!
    「犬がこわい」面白かった。犬は普通に好きな方だけど、こんな描写をされたら次に犬を見た時には身構えてしまいそう。
    ミステリーの短編ではなくて、不思議な話だな〜って感じのが収録されている。

  • ハサミです

  • 『ハサミ男』の著者による短篇集。没後発見された短篇3篇と「ハサミ男の秘密の日記」収録。

  • 作者買い。先に「ハサミ男」などを読んでおくともっと面白く読めると思う。

    ☆面白かった話「鬼ごっこ」
    3編の中でも殊能先生っぽさが1番でてる
    鬼ごっこが本当に遊びの鬼ごっこだったときの衝撃
    鬼ごっこという単語と人間を簡単に殺害できる恐ろしさとのギャップ
    安原は刀

    ☆好きな話「精霊もどし」
    最後の真知子の一言「死後の世界なんてあるわけないでしょう。〜」から無限の考察
    宮崎と広永の本来の関係は一体何だったのか
    真知子は本当は生きているのか

    殊能先生のファンとして読めて本当に嬉しいです。原稿を発見して下った編集部栗城さんや磯達雄さん等々感謝申し上げたいです!!
    先生の小説はとにかく鋭利で緻密でした。トリックが分かってもそれ以上に驚くような仕掛けがあってずっと楽しめました。
    石動シリーズもまだまだ読みたかったです。
    (先生の帯に「著者絶賛!」は笑った。やっぱり天才)

  • 短編集だったけど、面白かった!

  • 作者の未発表短編集。 
    全体的に荒削りといわれる部分が多いとも感じたが、個人的には非常に満足。
    かなりイチオシの作家であるので、才能が惜しい、願わくばもっと作品を読みたかったと今更ながら思った。

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著者プロフィール

1964年、福井県生まれ。名古屋大学理学部中退。1999年、『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。著書に『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『キマイラの新しい城』(いずれも講談社文庫)がある。 2013年2月、逝去。

「2022年 『殊能将之 未発表短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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