キーウの月 (講談社の翻訳絵本)

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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (24ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065289952

作品紹介・あらすじ

ウクライナ・キーウの月は、わたしたちが見上げている月と同じ月。世界的作家・ロダーリの絵本を、ウクライナ救援のために緊急出版。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、ジャンニ・ロダーリが1960年に発表した詩を、緊急絵本化したもので、ロダーリの詩では、当時広く使われていたロシア語の『キエフ(Kiev)』表記だが、本書ではウクライナ語「Kyiv」に基づく『キーウ』を用いており、ウクライナの首都です。

    ジャンニ・ロダーリって、どこかで聞いたことあるなと思ったら、以前『パパの電話を待ちながら』を読んだことを思い出し、その中での、温かいユーモアに包まれた、彼の、子供に対する優しさを感じられた物語は、特に印象的でした。

    また、翻訳者の内田洋子さんのメッセージの中に(絵本ナビニュースより)、ロダーリの作品は、『美しい国語=きれいな心を保つ』ためのお手本的存在とあり、それはちょうど、キーウで子供たちも見上げているであろう、月の、つつましやかで美しく優しい光のきれいさに、なぞらえているのかもしれませんし、ロダーリが、他のどの国でもなく、ウクライナのキーウの月を挙げていることにも、何か大切な意味があるようにも、感じられました。

    そして、ベアトリーチェ・アレマーニャの月の絵は、太陽のようで、両手いっぱい広げて、皆に光を届けているように見える存在感があり、ロダーリの詩の中の、『わたしの光は パスポートなしで旅をします』には、国境など一切関係無く、全てに等しく与えることの大切さを教えてくれた気がします。


    実は、本書の感想を、十五夜(中秋の名月)に投稿するつもりでいたのですが、旧暦の日付は新暦に直すと、毎年ずれが生じるため、十五夜の日付が毎年異なるというのを知らなくて(今年は9月10日)。

    こんな無教養な私ですが、月を見上げて、ウクライナの事を考えてみようと思います。

    ちなみに、この絵本の売り上げによる利益、翻訳料、デザイン料はすべて、イタリア赤十字社およびセーブ・ザ・チルドレンに寄付されるそうです。

    • たださん
      Macomi55さん
      陸上部といっても、将来有望とかでは全くありませんでした。
      ただ、それでも続けていくうちに、何となく、走ることの楽しさは...
      Macomi55さん
      陸上部といっても、将来有望とかでは全くありませんでした。
      ただ、それでも続けていくうちに、何となく、走ることの楽しさは、分かってきたかなというのはありましたね。

      それにしても、Macomi55さんの、その勇気というか、はじめの一歩、いいですね。自分のことのように嬉しく感じます(^o^)

      『「自分じゃない人」になれている』、この感じは、まさに、私が走っていたときに感じた思いだったので・・さすがに、部活の時はハイペースだったので、爽快感を得るのは、低確率でしたけどね。

      娘さん、陸上部で中長距離されているのですね。中距離って、長距離より楽だろうって思う方もいそうですけど、距離が短くなる分だけ、ペースを上げないといけないので、キツいことに変わりはないんですよね。
      それでも果敢に挑み続ける、その直向きな気持ち、やはり青春だなあって、私は思ってしまいますし、その時しか出来ないことというのも、あるのかもしれませんしね。

      でも、いいですね。親子間で、共通するものがあるって。
      いつかは、娘さんと一緒に走ることを夢見る、そんな楽しみもありますよね。
      2022/09/17
    • Macomi55さん
      たださん
      なんか照れますね。
      有難うございます。
      ちなみに私は「走ってる」と言ってますが、他の人が見たらめちゃめちゃ遅い…、速いウォーキング...
      たださん
      なんか照れますね。
      有難うございます。
      ちなみに私は「走ってる」と言ってますが、他の人が見たらめちゃめちゃ遅い…、速いウォーキングと変わらないくらいです。それ以上のペースだと完走出来ない(3.6km)ので:D。
      2022/09/18
    • たださん
      Macomi55さん
      ウォーキングでも、無理をされるよりは、全然いいのではないでしょうか。それに、ウォーキングでも、充分、有酸素運動になって...
      Macomi55さん
      ウォーキングでも、無理をされるよりは、全然いいのではないでしょうか。それに、ウォーキングでも、充分、有酸素運動になって、心にも体にも良いと思いますので。

      それから、これは私の経験談なのですが、地道に続けていると、思いもかけないところで、急に速いペースで走れたりする瞬間が訪れるかもしれませんので、まずは楽しくやるのが一番だと思います(^o^)

      何だか偉そうに書いてしまって、すいません(^^;)
      2022/09/19
  • ウクライナ救援のための絵本『キーウの月』緊急出版! イタリアからの翻訳出版の呼びかけに世界の出版社が続々賛同!|株式会社講談社のプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004359.000001719.html

    Beatrice Alemagna
    https://www.beatricealemagna.com/

    おとぎ話の達人、ジャンニ・ロダーリ-italiani.it
    https://bit.ly/3vPKIna

    キーウの月 - コクリコ[cocreco]
    https://cocreco.kodansha.co.jp/catalog/0000368629

    『キーウの月』(ジャンニ・ロダーリ,ベアトリーチェ・アレマーニャ,内田 洋子)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000368629

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ウクライナ緊急支援「キーウの月」世界的作家ロダーリの詩、各国で絵本刊行へ(大和田 佳世) | 現代ビジネス | 講談社
      https://g...
      ウクライナ緊急支援「キーウの月」世界的作家ロダーリの詩、各国で絵本刊行へ(大和田 佳世) | 現代ビジネス | 講談社
      https://gendai.media/articles/-/97925
      2022/08/09
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「キーウの月」ジャンニ・ロダーリ作 ベアトリーチェ・アレマーニャ絵 内田洋子訳|日刊ゲンダイDIGITAL
      https://www.nikk...
      「キーウの月」ジャンニ・ロダーリ作 ベアトリーチェ・アレマーニャ絵 内田洋子訳|日刊ゲンダイDIGITAL
      https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/310564
      2022/08/31
  • 月はどこにあってもただ一つなのよね。
    キーウの人たちに一日も早い平和な日々が訪れますように。

  • ジャンニ・ロダーリさんの話が好きなので、読んでみた。
    知らずに手に取ったが、ウクライナ支援のために出版されたそう。
    平和のために役立てたい。
    ジャンニ・ロダーリさんの「緑の髪のパオリーノ」がとても好き。(あのシリーズ3冊が好き。)
    詩にイラストが描かれて絵本になっている。
    イラストは、ベアトリーチェ・アレマーニャさん。
    やはりイタリアの人。
    温かいイラスト。
    翻訳はいつもの内田洋子さん。
    この絵本の売り上げは、イタリア赤十字とセーブ・ザ・チルドレンに寄付される。

  • 〝ロ-マの夜空に浮かぶ月も、ウクライナのキーウ(キエフ)で見える月も、わたしたちが見上げている月と同じ月。キーウの月は、ローマの月のように、みんなに光をとどけます。 月はきっぱりと言います 「わたしの光は、パスポ-トなしで旅をします」〟・・・ ウクライナ救援のために緊急出版された、イタリアの作家・詩人・教育者ジャンニ・ロダーリ(1920-1980)による、平和の祈りを込めた大人の絵本です。

  • どうしてジャンニ・ロダーリは
    キーウを選んだのかしら。

    他の作品も読んでみたいと思いました。

  • ジャンニ・ロダーリは大好きな作家のひとり。この本の巻末の作家紹介には「ジャーナリスト」としか書いていないが、共産党の機関紙の記者だった。
    バレエ化された『チッポリーノの冒険』が有名だが、私は『青矢号』が大好きでクリスマスに贈りたい本のリストにも挙げている。

    『キエフの月』
    実のところ、タイトルにはあるがキエフもウクライナも、あまり意味付けはない(キエフじゃなきゃいけないわけではない)というか、なのでウクライナ語訳やロシア語訳では原文にはない地名が登場してきたりするのだろう。

    日本語の訳はイタリア語の原文に忠実なようだ。
    Chissà se la luna
    di Kiev
    è bella
    come la luna di Roma,
    chissà se è la stessa
    o soltanto sua sorella…

    “Ma son sempre quella!
    – la luna protesta –
    non sono mica
    un berretto da notte
    sulla tua testa!

    Viaggiando quassù
    faccio lume a tutti quanti,
    dall’India al Perù,
    dal Tevere al Mar Morto,
    e i miei raggi viaggiano
    senza passaporto”.

    ところが、ウクライナ語訳は
    Чи місяць над Києвом
    Сяє так само
    Чудово,
    Як сяє над Римом,
    А може, й ясніше стократ?
    Чи місяць над Києвом —
    Місяць той самий,
    Що сяє над Римом,
    Чи, може, не він там,
    А тільки
    Місяців брат?

    А місяць, розсердившись,
    Хмариться, —
    От ще питання! —
    Й відказує так:
    «Я всюди той самий,
    Бо я ж таки місяць,
    А не якийсь там
    Нічний ковпак!
    Я всюди буваю,
    Скрізь блиск розсіваю,
    Проміння усім розкидаю
    Перу, й Парагваю,
    І Кубі, й Китаю,
    Я в Польщі й в Панамі,
    В Канаді й В'єтнамі,
    Мій кожен промінчик
    Несе свій пломінчик
    Куди тільки сам захотів,
    Промінню й кордони
    Не перепони —
    Обходиться без пашпортів
    (Переклад Григорія Кочура та Миколи Лукаша)
    ポーランドとかカナダとかベトナムとかが創作されている???
    そしてロシア語では
    Чья Луна?

    -Ты слышал - в Киеве Луна
    Прекрасна, точно в Риме?
    -Она, должно быть, не Луна,
    Хоть носит это имя.

    А может, в Киеве видна
    Сестра Луны, а не Луна?...

    Луна в ответ сказала так:
    -Да что я вам, ночной колпак?
    Нет, я для всех сияю.
    До рубежей мне дела нет.
    Дарю Парижу ясный свет,
    Каиру и Шанхаю.

    Глажу на Кубу и Тунис,
    И мне в пути не надо виз!
    やはり原文に忠実ではなく、地名が差し替えになっているのが謎。

  • 月は見る場所、見る時によってこんなにも違って見える。同じ月なのに。ウクライナにこの月の輝きが届きが、空を見上げることができる日が、早く訪れますように。

  • ウクライナでの戦争が終わりますように,という願いが込められているような優しい絵.月はどこでも同じなのに.

  • 1日も早く平和が訪れますように。

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著者プロフィール

1920年生まれ、1980年没。イタリアの作家、詩人、教育者。1970年、国際アンデルセン賞を受賞。20世紀イタリアで最も重要な児童文学者、国民的作家とされている。『チポリーノの冒険』『青(あお)矢号(やごう) おもちゃの夜行列車』『空にうかんだ大きなケーキ』『羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳』『猫とともに去りぬ』『ランベルト男爵は二度生きる サン・ジュリオ島の奇想天外な物語』『パパの電話を待ちながら』『緑の髪のパオリーノ』『クジオのさかな会計士』などがある。

「2022年 『うそつき王国とジェルソミーノ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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