ときは、ながれない 「時間」の分析哲学 (講談社選書メチエ)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065292181

作品紹介・あらすじ

時間は流れるものではない?
私たちの「わかったつもり」を覆す、哲学による「時間」をめぐる知的冒険の醍醐味!

[目次]
はじめに
第1章 そもそも時間とは?
 第1節 目に見えない時間は信じない?
 第2節 ポーランド国旗:うごきがない変化
 第3節 説明とカミソリ:なにも起きなければ時間はない?
 第4節 なにものでもない:時空の片方
 第5節 欅家と欅家の人びと
 第6節 欅家は欅家の人びとの集合ではない
 第7節 前後あとさき:時間はいれもの?
 第8節 欅家の桃子:ゆるい関係説
 第9節 カントの散歩:時計とは?
 第10節 時間をはかる:なにをはかる?
第2章 時間はもの?
 第1節 フルーツゼリー:空間の「メタ容器」説
 第2節 ナプキン:時間は境界
第3章 インテルメッツォ:ジョン・マクタガート・エリス・マクタガートの介入
第4章 ときはながれる?
 第1節 両国橋から見おろす:「ながれる」の意味
 第2節 棚から無理数:「ときはながれる」はナンセンス
 第3節 みずみずしいスイカ:みずみずしくない水
第5章 いまあるのみ?
 第1節 オプティミスト従姉:未来はある?
 第2節 過去はあった:過去はない
 第3節 秒針のうごき:伸び縮むいま
 第4節 まざる? とけこむ?:過去の記憶
 第5節 ときのループ:普遍時制
 第6節 リアリティー:未来、過去、現在すべてあり
おわりに 

感想・レビュー・書評

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  • わたしが馴染めないだけなのだろうが、哲学というよりは物理・数学の証明論理が続き、常識の否定、真実からの再定義で組み立てていく流れは理解に苦戦。
    69冊目読了。

  • 「ときはながれている」という我々の実感を否定する、そういう本ではなく、いかにして論理的に「ときはながれない」と考えるか、という本と言えるかな。それはそれで有意義だろうし面白いのだろうが、わたしの求める哲学とは違う感じがする。やはり哲学的潜考、潜りっぱなしではなく息継ぎが必要だということなのかも知れない。

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1421876

  • 物理学的なアプローチと哲学的なアプローチを往復しながらときの性質に迫る。

    各章ごとの理解は何とか追いついたが、読解力不足もあり書籍全体を通読することでときのながれについて得心がいくという感じにはなれなかった。

  • オッカムのカミソリ → 排除、ハラスメント

    時間関係説によれば、時間が存在するということは、出来事が実際に起きるということなので、出来事の生起が現実でなければ、時間は現実に存在しないことになる。
    対して「ゆるい」関係説によると、出来事が「現実に」起きなくても起きる「潜在性」さえあれば、時間は現実に存在できるのです。

    カント 「周期的」という概念。「一定の時間」という概念に依存している。

    マクタガード(ドイツ風観念論者) 時間の存在の否定

    カテゴリーミステイク 
     ギルバート・ライル 対デカルト的心身二元論用
     「ときはながれる」はナンセンス
     → 術語論

    主動詞をもつ現在形の意味が、現在時制。

    「意味論的上昇』 (メタ言語)
     アメリカの哲学者 クワイン
     → 抽象度、複素解析

    ときのループ 普遍時制
     → 情報量ゼロのコツコツさ
      → 無意味

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著者プロフィール

一九五三年生まれ。プリンストン大学Ph.D.哲学。現在、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校人文学部哲学科教授。専攻は、分析哲学、形而上学、言語哲学。著書に『世界と個体、可能と不可能』(英語、オックスフォード大学出版局)、『分析哲学入門』『意味・真理・存在』『神から可能世界へ』(以上、講談社選書メチエ)、『『不思議の国のアリス』の分析哲学』(講談社)、『「正しい」を分析する』『「論理」を分析する』『「数」を分析する』(以上、岩波現代全書)、『はじめての科学哲学』『はじめての言語哲学』(以上、岩波書店)などがある。

「2022年 『ときは、ながれない 「時間」の分析哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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