世間ってなんだ (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065297483

作品紹介・あらすじ

自分を取り巻く「世間」が息苦しいと感じたら、
ときどきは「世間」を出て「社会」に出よう。
「社会」は、たぶんあなたが思っているより、ずっと広くて、ずっといい加減だ。

「世間とはなにか」についてずっと見つめ、考えてきた。
中途半端に壊れ続ける「世間」ではなく、他人同士が共存する「社会」とつながるコミュニケーションとは?
そして「世間」が生み出す同調圧力、クレーマー、謎ルールを乗り越え、生きていく方法とは?
世間に困ったとき、必ずヒントになる一冊。

 

感想・レビュー・書評

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  • つくづく今の日本は息苦しい国だと感じます。

  • #世間ってなんだ
    #鴻上尚史
    #講談社
    #読了
    鴻上鴻上さんの言う世間と社会がわかるようなわからないような。でも興味深い話がたくさん。自分の暮らす社会を客観的に見るのはいいことだ。社会の寛容さがどんどん失われていってるなあって思うのは大人になったからか事実だからなのか。知る努力を続けたい

  • 久しぶりに鴻上さんの本を読んだが、おもしろかった!

    この本のテーマ「日本をこんなにも息苦しくしているものっていったい何なんだ!?」ということについて、私自身も最近頻繁に考えていることだったので、すごく興味深かった。鴻上さんの意見には大きくうなずくことばかりで、読んでいてとても気持ち良かった。

    なぜ最近そんなことを考えるようになったかというと、最近仕事が変わって、やたらお堅い日本企業で働くようになって、その息苦しさに驚愕しているから。
    だから、鴻上さんが紹介していた第二次世界大戦中のCIAの「妨害工作ガイド」には超笑った。(鴻上さんはsabotageをカタカナ語的に「サボり方」と訳していたけど、本来の意味の妨害工作って方がしっくりきますね。)
    CIAのエージェントが、相手国の組織の生産性を水面下で阻害するための方法、なんだけど、これ、冗談抜きでうちの会社の体質そのものですわ。これを読んで、私はアメリカ人を心から尊敬した。

    ・「注意深さ」を促す。スピーディーに物事を進めると先々問題が発生するので賢明な判断をすべき、と「道理をわきまえた人」の振りをする。
    ・可能な限り案件は委員会で検討。委員会はなるべく大きくすることとする。最低でも5人以上。
    ・何事も指揮命令系統を厳格に守る。意思決定を早めるための「抜け道」を決して許さない。
    ・会社内での組織的位置付けにこだわる。これからしようとすることが、本当にその組織の権限内なのか、より上層部の決断を仰がなくてよいのか、といった疑問点を常に指摘する。
    ・前回の会議で決まったことを蒸し返して再討議を促す。
    ・文書は細かい言葉尻にこだわる。
    ・重要でないものの完璧な仕上がりにこだわる。
    ・重要な業務があっても会議を実施する。
    ・なるべくペーパーワークを増やす。
    ・業務の承認手続きをなるべく複雑にする。一人で承認できる事項でも3人の承認を必須にする。
    ・すべての規則を厳格に適用する。

    この間、会社で「業務効率化改善委員会」なるものが立ち上げられて、みんなで何回かにわけていくつかのグループで数時間かけて話し合っていたけど、結局何も変わっていなくてワロタ・・・(涙目)

    なんで日本人にはこのムダが分からないんでしょうかね。
    やっぱり「失敗」が許されない、というか、エライ人が問題が起こることで自分の評価を下げたくない、っていう思いが強すぎるのかな、と私は分析しているのですが。

    ほかにも、日本を息苦しくしているいろんなことについて、明るいトーンで指摘されていて、「こんな風に変えていけばいいのでは?」なんていう提言もされている。この本を読んだからといってすぐに何か状況が変わるわけではないけれども、読後はなんだかスッキリした。

    今、息苦しさを感じて鬱々としている人には超絶おすすめです。

  • いつも鴻上さんの論旨は明快だ。
    そして、それを非常に分かりやすく述べられる。
    長い年月を通したまとめだから、時代も感じるけれど、その時起きた事、出会った事と対峙し、受け止めて、感じたり考えた事を書かれている。
    それでも貫く軸のようなものは変わってないように思うが、人や出来事と向き合う姿勢も良いなあと思う。
    若い時は、変節が許せなかった。
    あの時ああ言ったじゃないと思ってしまった。
    でも今は、少しは何かが分かってきたのか、変わる事もあるよね、と思えてきた。
    その状況に応じて見えるものも変わるし、考えが変わることもあるのだ。
    もちろん変わらないこともある。
    それも含めて判断するために、考えるために、真摯に向き合う姿勢を持っていたい。

    社会と世間について、著書を何作も拝読しているから分かっているつもりだが。
    ほんと、世間は厄介だ。
    悪いことばかりではないはずなんだけど、悪い面も確かにある。
    仕事場でも、教育現場でも。
    今の日本の停滞感、閉塞感はこういう所から変えたら良いのに。
    教育現場は特に逃げ場がないから怖い。
    と、社会と世間を区別したいと思ってるくせに、わりかし自分が世間にとらわれがちなのを知っているので、子ども達の世代には、鴻上さんの著書も読んでもらってうまく世間との距離を保ちながら戦略的にしなやかに乗り切ってもらいたい。

  • 生きづらい世の中なんだろうな~と、他人ごとの様に思う反面、「世間」に抗う意志を強くした。あとがきにあった『エンパシー』を忘れないでおこうと思う。
    最近読んだ中では、自分にとって価値ある一冊!

  • 誹謗中傷やネットの怖さが書かれていて、まさしく今だなぁと思ってみたら15年以上前だったり。なんだかみにつまされる内容が多かったです。組織の壊し方とか前職そのまま当てはまって笑いました。

  •  ちょっと前に、鴻上尚史さんによる「人間ってなんだ」「人生ってなんだ」というエッセイ集を読んでいます。
     それらは、鴻上さんが20年以上にわたって「週刊SPA!」に連載していたコラムから、これはというものを選りすぐって書籍化したものですが、本書は、その流れの第3作目。今回のテーマは「世間」です。
     昨今流行りの “同調圧力” “忖度” といった日本独特の風土を、鴻上さん一流の感性が数々のエピソードを通して掘り起こしていきます。

  • 日本人は長時間労働なのになぜ業績が上がらないのか、なぜ謎ルールがなくならないのか。自分で自分を縛るような息苦しい社会になっていて、ストレスをためている。世間の目を気にしすぎて自分の立場や存在を軽視している。自分と直接関わりのない社会の人とのコミュニケーションの取り方をしらない。など、日本社会のの問題点が、これでもかこれでもかと挙げられているので、やるせない気持ちになってきた。

     シリーズ3冊の中で、一番手厳しい。

  • いい加減に生きて来ました〜明日からもこうして生きていくだろうと〜

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著者プロフィール

著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
1958年8月2日生まれ。愛媛県新居浜市出身。早稲田大学法学部卒業。劇作家・演出家・エッセイスト・小説家

「2023年 『ヘルメットをかぶった君に会いたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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