量子の世界をみる方法 「スピン」とは何か (ブルーバックス)

著者 :
制作 : 村上 洋一 
  • 講談社
3.38
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本棚登録 : 159
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065299814

作品紹介・あらすじ

電子の「スピン」といわれたときに、皆さんはどんなイメージを持ちますか?
「地球が自転をしながら太陽のまわりを回るように、電子が自転しながら原子核のまわりを回っているようなイメージ」や「電子がコマのように回っている」「フィギュアスケートの選手のように回っている」などのイメージが頭に浮かんでいるのではないでしょうか?
 
実は、この答えは正しくないのです、といったら皆さんは驚くでしょうか。

「スピン」は私たちの暮らしているマクロな世界の「回転」とは異なり、なかなか感覚的に掴みにくく、それが「スピン」への理解を難しくしているのではないかと思います。
本書は、「スピン」をもっと深く、そして正しく理解してほしいという思いから、物理学者とサイエンス分野の広報関係者、そして素人!? がチームを組んで執筆しました。

この本は、多様な読者を想定したものです。物理に興味のある高校生から「スピン」をきちんと理解したい大学生。学生時代に量子力学の授業で「スピン」の話を聞いたことがあるけど、もう一度、きちんと理解したいと思っている方などなど。さまざまな人に本書をとおして「スピン」の不思議さやおもしろさ、凄さを知ってもらいたいと考えています。

「スピン」の正体とは? 量子力学の誕生からスピンの発見までの歴史的な背景。さらに「スピン」はどのように記述され、捉えればいいのか? 本書では、できるだけ具体的に理解できるように「シュテルン=ゲルラッハの実験」を紹介しながら解説していきます。
さらに、電子だけでなく、陽子、素粒子のスピンまでを取り上げ「量子」の世界をみていきましょう。
そして、2022年度のノーベル物理学賞の受賞でニュースでも話題になっている「量子もつれ」を利用する量子コンピューターや生き物の特殊な能力について、そのほかにも超伝導や永久磁石など社会の様相さえ劇的に変えつつあるスピンを利用した技術最先端までをていねいに解説していきます。

本書を片手に「量子」と呼ばれる摩訶不思議な世界に飛び込み、「スピン」をめぐる冒険に出かけましょう。

感想・レビュー・書評

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  • 量子力学は量子の「スピン」だけでなく「カラー荷」「世代」など難解な概念だらけだ。

    例えば、以下のような説明に出くわす。

    量子力学で扱う基本粒子は量子数で区別される。
    量子数には、質量、スピン、弱電荷、カラー荷、世代などがある。
    第1世代の場合、電子の電荷は -1、ニュートリノは電荷 0、両者ともレプトンでカラー荷は 0。
    クォークのカラー荷は (R,G,B) の3種類。電荷はアップクォークが +2/3、ダウンクォークは -1/3。
    スピンは、レプトンもクォークも 1/2 。

    といった具合で、頭の中は ??? 意味不明!カオス状態のままだ。
    最近は量子コンピュータの話題についていけないので、ちゃんと仕組みを知りたいなと思う今日この頃♪

    本書は、「スピンを中学生にもわかるように説明できるか」という課題に挑戦し、もっと分かり易くと推敲を重ねた、とあったので期待した。
    だが、本腰を入れて取り組まないと理解できない難しい本で、今、時間と集中力を使って読む強い意志はないのでリタイアすることにした。

    私にとって少しも分かり易くなかったので★2でも良かったが、腰を据えて量子力学を理解したいという人には充実した内容に思えるので★3の評価です。

  • 素粒子周りの話は一生理解できる気がしない。。

  • 物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
    東大OPACには登録されていません。

    貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください
    返却:物性研図書室へ返却してください

  • スピンとは何か、いまいちピンと来なかった

  • 421-M
    閲覧新書

  • 量子のスピンとは何だろうとずっと気になっていた。
    本書の「はじめに」によれば、量子物理学のことが分からないので、特にスピンについて教えてほしいという文系女性のリクエストから、スピンを中学生にもわかるように説明しようということで始まったプロジェクトが土台になっているという。これは期待できると思って読み始めた。
    が、結局のところ、よく分からなかった。スピンが磁気に関係していることは分かったのだが、角運動量とか磁気モーメントとか出てくると、説明はあるのだが、よく分からない。
    量子力学についても、入門書を何冊も読んで、何となくのイメージを掴んだくらいだが、スピンについても、これに懲りずに更に入門書を幾つか読んでみないといけないのかもしれない。

  • 請求記号 421.3/Mu 43/2217

  • 【蔵書検索詳細へのリンク】*所在・請求記号はこちらから確認できます
     https://opac.hama-med.ac.jp/opac/volume/467110

  • 2022/11/24 ジュンク堂書店三宮駅前店にて購入。

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著者プロフィール

東北大学名誉教授、高エネルギー加速器研究機構名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。
1985年 大阪大学基礎工学研究科博士課程修了、工学博士。1986年 筑波大学物質工学系 講師、1987年 東京大学理学部 助手、1994年 高エネルギー物理学研究所 助教授、2001年 東北大学大学院理学研究科 教授、2009年 高エネルギー加速器研究機構 教授、総合研究大学院大学 教授。専門分野は放射光・中性子・ミュオンなどの量子ビームを利用した強相関電子系の構造物性研究。著書に「固体表面の物理」「新しい放射光の科学」「結晶解析ハンドブック」「丸善実験物理学講座5, 6」「放射光科学入門」「放射光X線磁気分光と散乱」「日本の結晶学(II)」「Colossal Magnetoresistive Manganites」「KEK物理学シリーズ第7巻」などがある。久保亮五記念賞、つくば賞、日本IBM科学賞などを受賞。

「2022年 『量子の世界をみる方法 「スピン」とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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