モダンタイムス(下) 新装版 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065302392

作品紹介・あらすじ

5年前の惨事──播磨崎中学校銃乱射事件。
奇跡の英雄・永島丈は、いまや国会議員として権力を手中にしていた。
もうひとつの検索ワードを追う渡辺拓海は安藤潤也にたどり着くが、
事件との繋がりを見出せないまま、追い詰められていく。
大きなシステムに覆われた社会で渡辺は自身の生き方を選び取れるのか。

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻まとめての感想

    また時が経ったら読み返したい出会えて良かった一冊。
    上巻は特に怒涛の展開で、あっという間に読んでしまった。途中、なかなか残虐なシーンがあり、そこは読むのが辛かった。井坂好太郎には笑いました。
    心に残ったワードは「楽観とは、真の精神的勇気だ。」ほんとついつまらないことを心配して気を揉んでしまう性格なので、このワードを心に留めておきたい。

    「文庫版あとがき」で文庫化にあたって改訂されていたことが書かれていました。機会があれば、改訂前も読んでみたい。

    「魔王」を読んでなくても楽しめるけど、読んだ方がより一層面白い。そういえば、魔王では「死神の精度」の千葉さんが出てきたんですね。
    同時期に書かれたという「ゴールデンスランバー」もぜひ読んでみたい。

  • 拷問シーンはかなりゾワゾワしたが、それでも そこまで感じさせないところがイイ。
    なかなか主人公の超能力が出てこない。が、最終的には妻の佳代子が強かった。強い妻を持っていることが超能力かも。
    作中にもあったように、現代社会においても大きな流れ=システムには逆らえず、笹舟のように流されて過ごしているが身近な小さい事くらいは自分の意思で変えていきたい。

  • 読めば読むほど『そういうことだったのか!』と分かっていくのが爽快。いつもなんでも検索しちゃう人間としては、ほんとに怖い。あと、伊坂好太郎さんの言葉が全体的にとてもよかったです。笑

  • 面白かったです。
    会話の中に常に読者、主人公を試す内容が多く、私も考えながら読んでましたが、テーマは正直大きすぎて作品の中で答えは出せませんでした。ただ、その時間が楽しいです。
    私なりに、国家はブラックボックス、これに尽きる話に感じました。テーマはもう少し大きいのですが、投げやりにもできないけどどうしようもない課題、でした。

  • SF、アクション、サスペンスと熱い要素てんこ盛りのうえ構造的な話や創作論まで入っていてめちゃくちゃ面白かった。「小説で世界なんて変えられねえ。ただ、1人くらいに、届くかもしれねえ。」なんてセリフを”胡散臭い小説家”井坂好太郎なるキャラクターが放つものだから、季節外れの炎天下ひとり昼休み中華屋の行列に並びながら読んでいたのにも関わらず泣いてしまった。いやーちょっと舐めてました。
    「モダンタイムスを読みなさい、絶対。」

  • 必読ではないが「魔王」を予め読了することをおすすめする。システムでそう決まっている、悪者はいない、アリは賢くないがアリのコロニーは賢い。このあたりのフレーズは自分に共鳴するものがありました。極度に全体最適化されたシステムにおいてひとつの部品に過ぎない個々の私達は犠牲を強いられる。国家という大きな枠組みでなくてもこんな話は至るところに落ちてると思う。勇気はあるかと問われたら「あります」と答えられる人間でありたいと願う。

  • 人は説明を受けるとそれを貴重な真実として受け入れてしまうみたいに書いてあるところが響いた。

  • これまで読んだ伊坂幸太郎さんの作品の中で、最も大作で最も考えさせられる小説に感じた。
    この内容を10数年前に描かれたことに予測能力の素晴らしさを感じる。
    「システム」という主題については考えさせられたとともに、強く共感できる内容であり、今後の人生での考え方の一つとして参考になった。
    主人公の奥さんの生き方は爽快で一途で強靭で、なってみたい人物だった。

  • とんでもない場面はコミカルに、ところどころ熱く、たまに温かい。人生は要約できない。死んでもなおウザいのは井坂好太郎さん。伊坂幸太郎さんらしい作品で登場する人物たちに親近感ぎわく楽しさ。10年以上前(2007-2008)の本ですが現在に通じるところも素晴らしい。

  • 面白かったです。上下巻ですが、比較的短期に読み切りました。上の方が面白かったかな。伊坂幸太郎さんはやはり長編が良いです。「アイスピックは氷を刺すから、人を刺すならヒトピック、ニクピック、逆さにしたらピクニック」のくだりはいつか使いたいですね(笑)。「そういうものだ」ってとこも共感してしまいました。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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