まだ出会っていないあなたへ

著者 :
  • 講談社
3.17
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本棚登録 : 124
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065304075

作品紹介・あらすじ

メフィスト賞作家がしかける感動の人間賛歌!

孤独で、後悔ばかりで、将来が見えない。周りが皆敵に見えてしまい、誰も信用できない。自助が声高に叫ばれ、助けを求めることができない。
ーーでもきっと、あなたを見つけてくれる人がいる。

1.経験者採用面接での不合格者が自殺をしてしまった人事課長。
2.デビューしたものの2作目が出ずブラック企業で働く小説家。
3.SNSで「死にたい」と呟き続けるコンビニ店員。
4.取り立て先の子どもに好かれてしまったヤクザ者。

行き詰まり、立ち止まる主人公たちが選ぶ未来はどこへ繋がるかーー。

感想・レビュー・書評

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  • 4つのストーリーが同時展開していくんだけど、所謂スモールワールド。
    こういうナラティブ同士がスッと他人に入り込んでくる瞬間のストンって感じが良かった。読みながら「あああああああなるほどなあああああああああ」とかになる瞬間の気持ちよさ。

  • 正直なところちょっとだけ読みづらくて、内容がすっと入って来なくて、パラパラ読みした本。それでも抽出して、下記に感想を書きます。

    「死にたいって考えることもない普通の生活を過ごす人との接し方がわからない。」
    「死にたいけど、死ねないから苦しいんだ。死にたくない人がうらやましい。」
    ◯日常に思いを馳せる感性も余裕もないのだ。感情の海は広くて深くて溺れていてもわからない。
    練炭自殺するシーンを見てしんどくなる。絶対死にたくない。
    「死にたくない。そう思えるのが、日常のほんの一瞬でも、その一瞬にすべてを掛ける生き方があって、それが誰かに届くこともあるかもしれません」
    「すごくきれい。東京では見られませんね。この中に星座とかあるのかな。わからなかったらもったいないかな」
    「きれいと思えるならそれでいいですよ。星座を知っている人の方が、知らない人よりも星空を満喫してることにはならない」
    「本当にきれい。自分がそう思えることこそが尊いと言うのに。他人の目を気にして、承認欲求に踊らされ続けるのでしょうか」
    →知識がなくても純粋に綺麗と思える感性だけで素晴らしいんだって改めて思った。
    「楽しかった。お父さんとお母さんも喜んでたし、店長たちにも久しぶりに会えたし。ほんとあの時死ななくてよかった」
    結婚に限らず、他人の人生なんてほんの1部しか見られない。誰にだって隠れたドラマはある。引きこもり、死にたがり、イメプ要員、コンビニ店員、娘、妻、母。いったいどれが本物の瀬那なのか。どうでもいい。くだらない問いかけだ。どれも自分の一面なのだろう。

    生きる事は、星々をつないで星座を形作ることに似ている。誰もがそれぞれ輝いている。それをつなぐと、1つの意味ある形ができあがる。星の輝き方は千差万別だ。ひときわ輝く1等星から、ぼんやりと輝く6等星まであるだろう。たまたま雲に隠れていたり、木々やビルに隠れていて、場所をずらしてようやく見える星もあるだろう。もし生きることが星座を作る事なら、そんな一見見逃そうな星も、すくい取って星座の形をなす星の1つにしたい。それこそ、たとえ星座なんか見えなくても。
    →え、この意味とても素敵!

    大切な人の死の理由がわからないと、何が理由だったのだろうと、永遠にたどり着けない答えを探り続けることになる。死ぬ理由が分かった場合は、その理由を回避するため、自分に何かできたはずだと過去を悔い続けることになる。
    →なるほどって思った。どちらになってもモヤモヤは残る。

    こんなにまっすぐに想いを伝えられたのは久しぶりだった。どんなに歳をとっても、男ってこういう時は、少年のような目になるのだと知った。

    【TODO】
    みんな輝く月が違うから、嫉妬とか、他人の目とか気にせずに、生きていたら味わえる小さな喜びも大切に。隣の芝生が青く見えても、みんな隠れたドラまを持っているんだと励まされる!

  • 死にたいで検索したら出て来たので手に取ってみたのだが…
    最初の話で登場人物が性風俗店に行ったという文が出て来てなんかやだなあと思ったので読むのやめた。風俗が普通のことのように話されるのがなんだか理解しがたい私が潔癖なだけかもしれないけど一気に読む気が失せた。ので星ゼロで。

  • 家族愛、父の愛、母の愛

     複数の主人公が各章に登場。半ばからそれがつながってきて、大きな愛の物語になるという筋書きかな。最後に殺すなよと思うけれど、それが現実かなぁ。

     登場人物たちの数奇な人生が凝縮された物語は圧巻だ。ただ、私には他人事感が先行して、イマイチ感情移入できないまま終わってしまった。私がドライに過ぎるからだろうな。

     「音楽的無気力」という言葉が出てきた。新しい音楽を聴かなくなるってことらしい。確かに、「〇〇的無気力」は現実に存在する気がする。そうならないように、常に好奇心を持って人生を過ごしたいな。

  • 面白かった。
    星をつないで星座を作るように、人と人が繋がり物語りとなっている。
    不幸や不運で輝きが弱く見えても、ひとりじゃなく、誰かと繋がっているんだと思えるお話。
    それだけに、ラストは悲しすぎる。

  • いつの間にか、登場人物がみんな繋がっていった

  • 2023.3.18読了。
    初期の作風と大きく変わった印象です。

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著者プロフィール

1981年埼玉県出身。ワセダミステリクラブ出身。『NO推理、NO探偵?』で「メフィスト」座談会を侃々諤々たる議論の渦に叩き込み、第53回メフィスト賞を受賞し、デビューを果たす。著書に『朝比奈うさぎの謎解き錬愛術』『ネタバレ厳禁症候群 ~So signs can’t be missed!~』『困ったときは再起動しましょう 社内ヘルプデスク・蜜石莉名の事件チケット』がある。

「2023年 『まだ出会っていないあなたへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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