資本主義の本質について イノベーションと余剰経済 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065307847

作品紹介・あらすじ

〔それでも、究極的に資本主義は受け入れなければならないシステムなのである。〕

冷戦下ハンガリーにあって社会主義経済の非効率性を明晰に論じ、その後は新古典派経済学に痛烈な批判のメスを入れたコルナイ・ヤーノシュが、
世界経済危機を経験した世界に向けて、満を持して問うた「システム・パラダイム」に焦点を当てる圧倒的論考!
資本主義と社会主義の境界が再び問い直される今こそ読まれるべき、「異端派」の巨峰が遺したメッセージ! 

【本書「日本語版への序文」より】
「私は資本主義を「良い社会」だとは思っていない。多くの点で「悪い」と思っているが、それはちょうどチャーチルの民主主義にかんする見方と同じである。つまり、私は資本主義を、あらゆる実現可能な選択肢のなかでもっとも悪くはないものと見なしているのだ。より重要なことに、私は資本主義を、実際に行われた唯一の選択肢である社会主義よりもずっと良いと判断している。」

【本書の内容】
 日本語版への序文
 英語版への序文
第I部 イノベーションとは何か・
 第1章 はじめに
 第2章 資本主義、社会主義、技術進歩
 第3章 技術進歩の転換と加速
 第4章 人は歴史的事実をどう受けとめるか
 第5章 おわりに
第II部 不足経済と余剰経済
 第1章 はじめに
 第2章 財とサービスの市場―余剰の再生産メカニズム
 第3章 財とサービスの市場―概念装置と測定手法
 第4章 労働市場―余剰再生産のためのメカニズム
 第5章 実証的な説明と因果分析
 第6章 余剰経済の効果とその評価
 第7章 一般的図式からの応用
 第8章 おわりに
補論1 自由、平等、博愛―社会主義体制崩壊以後の変化の考察
補論2 一人の東欧知識人の目に映るマルクス
 訳者あとがき
 参考文献
 索引
 訳者略歴

*本書の原本は、2016年にNTT出版より刊行されました。文庫化にあたり訳文を改訂しました。

感想・レビュー・書評

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  • 本筋でない論点で気づきがあった。具体的には、シュムペーターの創造的破壊における「破壊」、具体的にはダメな企業の退出の重要性。日本では、どんなにダメでも地域の雇用を守るため存続させろという風潮が強い。
    あと、大学初級の経済学の教科書によって、経済観のに刷り込みが行われているという指摘には大賛成。体制護持のための日本流ケインズ経済学によって日本人は洗脳されていると思う。

  • 資本主義をどう発展・改善するべきかというWeb3が創る社会を考えるときに参考にしたい本.

  • 京都府立大学附属図書館OPAC↓
    https://opacs.pref.kyoto.lg.jp/opac/volume/1265492?locate=ja&target=l

  • 東2法経図・6F開架:B1/1/2769/K

  • 予約。

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著者プロフィール

1928年、ブダペストのユダヤ人家庭に生まれる。ハンガリー共産党に入党し『自由な人民』紙経済部記者として活動後、ハンガリー科学アカデミー付属経済研究所に移る。その後、ハーバード大学教授、ハンガリー国立銀行理事などを歴任。2021年逝去。著書に、『反均衡の経済学」『「不足」の政治経済学』『コルナイ・ヤーノシュ自伝』などがある。

「2023年 『資本主義の本質について イノベーションと余剰経済』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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