特捜検察の正体 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065308776

作品紹介・あらすじ

「まさか、特捜検事が相手の話をまともに聞こうとせず、脅しやだましによって、あらかじめ用意した供述調書に無理矢理サインさせるとは思わなかった」(村木厚子・元厚労省事務次官) 村木厚子、角川歴彦、小沢一郎、カルロス・ゴーン、堀江貴文、鈴木宗男らの弁護を担当した、検察が最も恐れる「無罪請負人」が、冤罪を生み出す日本最強の捜査機関の「危険な手口」を詳細に解説する。手口1 ストーリー優先の証拠集め手口2 供述調書は検事が「作文」手口3 別件捜査で相手の弱みをつく手口4 客観的事実にはあえて目をつむる手口5 不都合な証拠を隠蔽・改竄・破棄手口6 マスコミ捜査で犯罪者に仕立てる手口7 長期勾留で心身ともに追い込む手口8 家族や部下を人質にして揺さぶる手口9 ニセ情報を与えて、記憶を捏造【本書の内容】はじめに序 章 特捜事件とはなにか第一章 修正不可能! 検察官ストーリー強要捜査第二章 裏司法取引第三章 「人質司法」という拷問第四章 マスコミ情報操作で「犯罪者」を作り出す第五章 裁判所を欺く姑息なテクニック第六章 特捜検察は変わっていない第七章 さらなる暴走を食い止めるにはあとがき 

感想・レビュー・書評

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  • 筆者の弘中惇一郎氏は高名な弁護士である。何冊かご自身が請け負った裁判に関しての著書がある。私は少し前に、「生涯弁護人」という上下2冊に分かれた分厚い著作を面白く読んだ記憶がある。
    本作は、特捜検察に対しての批判の書である。ご自身が担当された事件・裁判を題材に、20の観点から特捜検察を批判されている。ただ、題材となっている事件・裁判は、数年前に書かれた「生涯弁護人」と重なる部分が多く、ストーリーを持った読み物としては、前作の「生涯弁護人」ほどの新鮮さ、面白さはない。

  • 捜査機関の供述調書は話を聞いたことをまとめたものではなく、自分達が描いたストーリー通りに書くものに過ぎない。検察官にとって都合の悪い話は排除されるので、事実と異なる調書が作られてしまう。取り調べ時に検察官が威圧的態度によって無理やり調書にサインさせることは、珍しくないのである。

  • 同じく講談社現代新書の「絶望の裁判所」に通ずる、権力の腐敗について暴かれた新書。怖いですね、検察。

  • 巨悪に立ち向かう正義の味方。特捜検察の損なイメージは本書でくつがえされるだろう。多くの著名な特捜事件の裁判で無罪を勝ち取った弁護士が明かす特捜検察の手口。

    本書を読むと世の中、多くの冤罪に泣き寝入りしてきた人が多かっただろうことが想像され戦慄せざるを得ない。

    特にマスコミへの情報リークで犯罪者イメージを植え付ける手法は、自分も含め国民誰もが騙されやすいところだろう。

    大山鳴動して鼠一匹の裁判が多いのもチェック機構の働かない特捜検察の弱さなのだろう。

    司法改革と検察に悪用されない方法など、未来につながる提言も良い。全否定は、したくないが日本の司法のあり方を考える一助となる作品。

  • 前著と内容が被るところが多々あった。

  • この本だけ読むと捏造にしないみえませんね。

  • 政治家汚職、大型脱税、経済事件を独自に捜査する「特捜検察」。数々の事件を明るみにした反面、その捜査や取り調べには数々の問題もあった。その「危険な手口」を、村木厚子や小沢一郎、カルロス・ゴーン、堀江貴文らの弁護を担当した弁護士が詳説する。


    序 章 特捜事件とはなにか
    第一章 修正不可能! 検察官ストーリー強要捜査
    第二章 裏司法取引
    第三章 「人質司法」という拷問
    第四章 マスコミ情報操作で「犯罪者」を作り出す
    第五章 裁判所を欺く姑息なテクニック
    第六章 特捜検察は変わっていない
    第七章 さらなる暴走を食い止めるには

  • 東2法経図・6F開架:B1/2/2713/K

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著者プロフィール

弁護士、法律事務所ヒロナカ代表。一九四五年、山口県生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験に合格。七〇年に弁護士登録。クロマイ・クロロキン事件などの薬害訴訟、医療過誤事件、痴漢冤罪事件など弱者に寄り添う弁護活動を続けてきた。三浦和義事件(ロス疑惑)、薬害エイズ事件、村木厚子(郵便不正事件)、小澤一郎事件(「陸山会」政治資金規正法違反事件)など、戦後の日本の刑事訴訟史に残る数々の著名事件では無罪を勝ち取った。

「2021年 『生涯弁護人  事件ファイル2 安部英(薬害エイズ) カルロス・ゴーン 野村沙知代・・・・・・』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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