- Amazon.co.jp ・本 (720ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065310434
作品紹介・あらすじ
戦国初期に活躍した山陰の雄、尼子経久。「謀聖」と言われるほど計略に優れた人物でありながら、「天性無欲正直の人」と評された得体のしれない個性。そして、東の北条早雲とともに、下剋上大名の代名詞的存在である経久が、旧秩序の破壊を志した本当の狙いとは?
中国地方の覇者を目指し、大内氏らとの激闘を繰り広げる尼子経久。円熟期を迎え、尼子氏は隆盛を極めるかと思われたが、暗雲はその足元から湧き立ち始めていた……「妖草師」シリーズの武内涼が描く、大河歴史小説シリーズ、哀切の完結巻!
感想・レビュー・書評
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臆病野州がかっこ良すぎる!
毛利元就も強くてかっこいいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
尼子経久伝、完結。
足利義材、細川高国のもとへ、尼子経久は、大内義興に従い上洛をする。円熟期を迎えて、山陰数カ国の大名となり、宿敵大内義興、およびその家宰の陶興房と、死闘を続けていく。
やはり、戦国時代の英雄というのは、見内との血を血で洗う闘いは、避けて通れないのか。息子である塩冶 興久の反乱は、悲しいものがある。
北条早雲と並び、戦国時代の先駆けとなる下剋上の世での一大英雄と言って差し支えないだろう。 -
老年に差し掛かるも勢力を拡大し十一国の太守と呼ばれるようになる。有能な長男政久を桜井宗的の矢で失い、三男塩治興治の乱により有望な家臣を多く失い尼子家に暗雲が立ちこめる。盟友武田元繁の戦死と安芸における毛利元就の台頭、家督を詮久に譲った後の大内氏への大敗、尼子家のその後など物語はクライマックス。
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戦国時代と言えば、織田信長、武田信玄、そして今回の大河ドラマの主人公徳川家康など数多くの著名な武将がしのぎを削った時代である。
この物語の主人公である尼子経久は歴史マニアなら間違いなく知っている全国区の人物であり、武将として、また領主として評価も大変高い傑物とも言える人物であるが、一般的にはマイナーな部類に入るかも知れない。
この物語ではその尼子経久の人物像が温もりを感じさせるほどに生き生きと描かれており、歴史好きでなくても楽しめるかもしれない。登場する人物にもそれぞれ個性があり、物語に彩りを与えている。人物を追いながらもストーリーの随所に表されている山陰地方の風物や暮らしぶりにも興味をもった。