泣きたい日の人生相談 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065317662

作品紹介・あらすじ

'16年から始まったクーリエ・ジャポンの人気企画「25歳からの哲学入門」から30のお悩みを厳選。
先行きの見えない将来にお金の心配、仕事や人間関係のストレス、そして恋愛の苦しみ。現代を生きる人たちは様々な悩みを抱えている。もうこれ以上、どうすればいいかわからない――。そんな泣きたい日にこそ読んでもらいたい、「よく生きるための答え」。

<本書のおもな人生相談>
●「新しい自分」になるにはどうしたらいいのでしょうか。
●人にいい顔ばかりしてしまう自分にうんざりします。
●どんな状況も乗り越えられる、強いメンタルが欲しいです。
●人生のすべてが心配です。貯金もなくパートナーもいません。
●老後が気がかりです。何歳まで働かないといけないのでしょう。
●情熱を傾けるものがなく、人生の目標もありません。
●どうしたら嫌いな人とストレスなく付き合えますか。
●やりたくない仕事にどうやって向き合えばいいのでしょうか。
●とにかく月曜日や連休明けが憂鬱で仕方ありません。
●セックスレスで悩んでいます。もう二人は手遅れなのですか。
●誰かを「愛する」というのは、どういうことなのでしょうか。

感想・レビュー・書評

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  • アドラー心理学の岸見一郎さんの人生相談

    Q&A形式で書かれてサラッと読める本です。
    なるほどなぁと思うものがあり、いくつかはメモを取りました。
    服用回数というワードは初めてで、そうやって減薬する方法もありだと思いました。
    メンタルでも「鋼のメンタルを」と言う人もいる中、普通メンタルは強くないから…と説いていらしてその導き方もとても素敵でした。

    アドラーや様々な哲学者の言葉を例により理解し易く刺さるように説いているので年齢問わず活用できると思います。

  • 岸見先生の著作ということで読んでみた。人間関係の悩みはつきないが、少し楽になった気がする。



    ★「自分に価値があると思う時にだけ、勇気を持てる」

    ★明日死ぬかもしれないという事実を忘れると、人は今この瞬間を、将来のためだけに生きてしまう。明日どうなるかは誰にもわからないからこそ、今日という日を今日という日のために生きられるように心がけるべきです。

    ★「今」は、目的を達成するための準備期間ではありません。人生のどの段階も仮のものではなく、今こそが本番なのです。そうであれば、未来のために必要以上に生活を切り詰めるというのは、人生の本来のあり方とはいえません。

    ★心に余裕がないからといって必要な決断をしない人は、自分の人生を生きていないのです。

    ★アドラーは人が取り組む課題には、仕事、交友、愛があるといっています。

    ★「嫌い」という感情が起きるのは、相手との関係が近いことを意味しています。

    ★いつも浮かぬ顔をしている人も、文句ばかりいう人も、結局はどちらも屈折した仕方で認められたいのです。
    ★こちらが気を遣って疲弊するのはおかしいでしょう。

    ★自分に実質的な迷惑を及ぼされるわけではないけれども見るとイライラすることは関わらないのが一番です。

    ★「よい意図を持っているだけでは十分ではない。大切なことは実際に成し遂げていること、実際に与えていることである」

    ★「ほめない」「叱らない」「対等に接する」ことを実践できないという人は、「できない」のではありません。ただ、実践したくないのです。なぜなら、そうすることは自分の優位性を危うくするからです。

    ★言葉よりも行動が本心を表しています。

  • ーこの世の中で強制できないものが2つあるー
    『尊敬』と『愛』。これまで生きてきた中で、私なりに七転八倒しながら、ようやくうすうす気づいていたことが、明確に著者によって断言されたことに厳しさの中に何とも言えない安心感を覚えました。本音を言ってくれる友人にやっと会えた様な、悩みの原因が解明されたかの様な。
    どのページも線を引きたくなる言葉がたくさん書かれていました。今を生きる色んな人たちの泣きたい日の想い。どの悩みも自分の悩みとほぼ同じだったことに、驚愕しながらも、またしも、この事で悩んでいるのは私ひとりじゃ無かったんだという安心感。
    人が持つ普遍的な悩み。今分かった気になっても
    また泣きたい日が来る。そう遠くないであろうその時のために大切に取っておこうと思える本でした。

  • GW帰省の新幹線の中で読もうと、乗車前に寄った丸善で購入。ただ、移動中はmediumを読んでいたため、本書を読んだのは結局帰宅後。何のために買ったのやら。

    アドラー関連の著作の多い岸見一郎さんの人生指南本。30個の相談内容に回答していくスタイル。ポジティブに何でも克服できると説くのではない「後ろ向きの人生論」ということだが、悩みに対して行動を要求するなかなかストロングスタイル。甘えを許してくれなくて厳しい。

    でも、これまでを振り返って、自分の生活がマシになったなと思えたときって、ツラくてもちゃんと行動したとき。そんなこともあって、この本の一つひとつの回答を「なるほど」と思いながら読んでた。

    心に余裕がないからといって必要な決断をしない人は、自分の人生を生きていないのです。(p.121)

    悩むのをやめた時、決断しなければならないのです。(p.197)

    悩み続けるのではなく、自分にできることから取りかかる決断をして、とにかくやってみる。そうすることで、物事は変化していくし、私たちは自分の人生を生きることができる。なんという骨太な人生論だろうか。

  • アドラーをはじめ、さまざまな文献をあげて、
    悩みに回答している。
    筆者の似顔絵がひとつずつに描かれていて、
    笑ったり、苦言を呈していたり、その顔だけで、
    言わんとする雰囲気が伝わる気がした。

    「悩む」と「考える」は別だと思う。
    どうしたらいいかは、考えるもの。
    どうしたらいいかわからなくて、頭の中でどうしようどうしようとグルグルしてるのが、悩んでる状態
    だと思う。 
    よく、悩みには寄り添ってとか、共感が大事という。弱っている時や、とにかく話を聞いて欲しい時にはそれがいいと思う。でも、何とかしたいと思ってる時には、「こうです」とキッパリ言ってくれるほうが、ありがたいと思う。
    この本は、そういう部類の本だと思う。

    以下、本の中から。
    ①周りからよく言われなかった経験をしてきたから
    自分を好きになれなくなった、というとき。
    それは自分を好きにならないと決心してるのだ。
    自分についての他者の評価と、自分の価値や本質は別物。褒められたからといって、自分の価値があがるわけではない。そう思ったら他人にどう思われるかなんて気にならなくなる。

    ②どんな状況でも乗り越えられる強さなんてない。
    自分の力が及ぶ範囲外にあることを何とかしようと思ってはいけない。なにが出来て、なにが出来ないか見極めて、必要なら他者の助けを借りる。

    ③AだからBが出来ない、というのは、本当はBをしたくないだけ。
    仕事は人付き合いとは直接関係ない。つまり職場での対人関係が苦手でも仕事はできる。
    心に余裕がないからと必要な決断をしない人は、自分の人生を生きていない。

    ④嫌いという感情は1度きりの関係では起こらない。店員の対応が悪くて気分を害したら、それは嫌いではなく、腹がたったのだ。
    嫌いという感情は相手との距離が近いことを意味する。
    人を変えることは出来ない。変えるべきは相手でも自分でもなく2人の「関係」。関係を変えるために自分が出来ることをすればいい。
    こちらが気を使う必要はなく、きちんと主張する。

    ⑤友達と知り合いは違う。知り合いを「増やしたい」なら正しい。友達は「増やす」ものでも「作る」ものでもない。コミュニティで知り合った人が後に友達に「なる」ことはある。気づいたら友達に「なっている」のであって、友達を「作る」ためにコミュニティに入るのは動機が不純。
    なにかのために友達を選ぶというのは友情ではない。彼氏や彼女を「作る」という人は、その恋愛は純粋なものではない。  

    ⑥怒ったところで相手を変えることは出来ない。
    きつく叱ったら相手が行動を改めたと見えるのは、
    あなたが変えたのではなく、相手が自分の行動を変える決心をしただけ。

    ⑦叱られたりほめられたりすると子供は自分に価値があると思えなくなる。
    子供には対等に接する。対等の関係であれば、ほめたり叱ったりすることはない。
    叱るのは「言葉で言ってもわからない」と思い込んでいる。相手を見下している。
    ほめるのも、「できないと思ってたことが出来た」からほめるのであって、子供側からみたら、
    出来ないと思われてたんだと馬鹿にされてたと思う。
    叱られたからやめる、ほめられたからやる、ではなく自分がしていることの価値は自分で判断するもの。

    ⑧尊敬と愛だけは強制出来ない。
    「私を尊敬しなさい」「私を愛しなさい」と言われても出来ない。相手に好かれようと働きかけをするのは「私を愛しなさい」と言うのと同じ。

    ⑨ケンカするほど仲がいいということはない。
    口論してる時点で愛し合っていない。

  • 何事においても、今この瞬間、が大切。

  • タイトルが秀逸、、と本屋さんで手に取った本。よくある人生相談とは異なりかなり後ろ向きな(ポジティブではない)回答がめちゃくちゃ新鮮で、じゃあそれがすごく冷たい回答なのかというとそうではないところがまた面白い。本当の優しさ、というようなものを垣間見た。非常に面白く示唆に富む。

    ・ストレスは現実と理想のギャップから生まれる
    ・自分を変える努力より、使いこなす
    ・不安は未来にしかない。今を楽しむ(確かに……

  • 成功=一般、幸福=オリジナルで成功は幸福であるための手段でしかない。

    メンヘラがいかに自分が可哀想で被害者か主張してきたり、不幸自慢する理由が書いてあった。

    岸見一郎さんが、メンヘラはどのような形でも認められたいという願望だから、"屈折した承認欲求"って言っててなるほどと思った。承認欲求自体は別に悪いものじゃないと思うけど、犯罪をする事で名が知れ渡ったりするのも屈折した承認欲求のひとつなのかなと思った。

    私は私に屈折した承認欲求を向けてくる人間とは関わらないようにしてる。普通の承認欲求なら別にいいけど。

    岸見 一郎
    1956年生まれ。哲学者、心理学者。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。奈良女子大学文学部非常勤講師などを務める。専門のギリシア哲学研究と並行してアドラー心理学を研究。ベストセラー『嫌われる勇気』(古賀史健との共著、ダイヤモンド社)のほか、『アドラー 人生を生き抜く心理学』(NHKブックス)、『生きづらさからの脱却 アドラーに学ぶ』(筑摩選書)、『哲学人生問答 17歳の特別教室(講談社)、『人生は苦である、でも死んではいけない』(講談社現代新書)など多数の著書がある。

  • 医学部分館2階集密 : 159/KIS : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410170500

  • 正直、分かりづらい。アドラー期待していたのだが。

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著者プロフィール

1956年生まれ。共著書に『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)、訳書にプラトン『ティマイオス/クリティアス』(白澤社)ほか。

「2020年 『自然と精神/出会いと決断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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