弥勒 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065319710

作品紹介・あらすじ

世界が終わるとき、やってくる。
蘇我馬子も藤原道長も惚れ込んだ弥勒(みろく)信仰。五十六億七千万年後に降臨し人々を救う、未来仏とは何か?

広隆寺の国宝として有名な、弥勒菩薩半跏思惟像。弥勒とは、五十六億七千万年後に現れて衆生を救うという、阿弥陀や釈迦と並ぶ仏のことである。古代日本に伝わると、災害や飢饉と結びつき、末法思想(メシアニズム)として全国の民衆に広がった。戦後民俗学の泰斗が、中国・朝鮮との比較を通して、日本独自の弥勒信仰の歴史と民俗を復元し、日本文化の原型を描き出す。宗教民俗学を土台にした日本文化論!

【目次】
はじめに
第一章 民間伝承としての弥勒
第二章 宗教運動と弥勒
第三章 比較宗教論における弥勒
第四章 日本仏教における弥勒
第五章 鹿島信仰と弥勒
第六章 朝鮮半島と沖縄の弥勒
第七章 世直しと弥勒
第八章 大本教の中の弥勒
まとめ

感想・レビュー・書評

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  • 本尊 - 聖徳宗 中宮寺 公式ホームページ
    http://www.chuguji.jp/archaic-smile/

    広隆寺|【京都市公式】京都観光Navi
    https://ja.kyoto.travel/tourism/single01.php?category_id=7&tourism_id=284

    弥勒 | 学術文庫&選書メチエ | 講談社
    https://gendai.media/list/books/gakujutsu-bunko/9784065319710

    『弥勒』(宮田 登):講談社学術文庫|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000377123

  • 仏教の視点から見た弥勒に関する本であるならば、小難しい本になる事が予想される。この本は民俗学者の宮田登さんが書いた弥勒に関する本なので、話があちこちへ飛び、面白い。
    中国では民衆反乱へと繋がる弥勒信仰、朝鮮半島では逆に外敵(不幸や災難も含め)に対抗する為の弥勒信仰、日本では外圧がないので飢饉を越え豊作を祈る意味での弥勒信仰。地域に合わせて、その信仰が大きく変わる。
    また、兜率天をどう考えるか?あちらから来てくれるものか(下生)?こちらから向かうものか(上生)?ある者は弥勒の世を待つ為、生きたままミイラになる道を選ぶ。
    はたまた、海の向こうにあるのか?山の上にあるのか?前者は鹿島踊り、後者は富士講にも繋がっていく。
    「世直しと弥勒」の章では、栃木県の佐野市に浅間山や浅間塚の名称が多い事に触れていて、唐沢山も含めた話になるので、栃木県民としては興味深い話であった。
    最後は、大本教における弥勒について。出口なお、出口王仁三郎にまで話が及び、素晴らしい。

  • 東2法経図・6F開架:B1/1/2776/K

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著者プロフィール

宮田 登(みやた・のぼる):1936?2000年。神奈川県生まれ。東京教育大学文学部卒業。同大学大学院修了。筑波大学教授、神奈川大学教授を務める。著書として『ミロク信仰の研究』『都市民俗論の課題』『江戸のはやり神』『妖怪の民俗学』『ケガレの民俗誌』『はじめての民俗学』など多数。その関心は民俗学から日本史学、人類学等、周辺諸学におよび、研究の成果は国内外で評価された。

「2023年 『霊魂の民俗学 日本人の霊的世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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