ツァラトゥストラはこう言った (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065323519

作品紹介・あらすじ

本書『ツァラトゥストラはこう言った』がニーチェ畢生の書にして、ドイツ文学史上屈指の作品であることは言を俟たない。故郷を捨てて山に入ったツァラトゥストラは「私は惜しみなくあげたいし、頒かち与えたい。人間たちのあいだで賢者がもう一度愚かさを愉しみ、貧者がもう一度豊かさを愉しむようになるまで」という言葉とともに山から下り、人間たちの世界に入っていく。「神の死」を告げ、しかし人類は現状に甘んじることなく高みを目指して進んでいくべきだとする「超人」の思想を伝えるツァラトゥストラは、生きとし生けるものは現状以上を目指すという原理、すなわち「力への意志」の原理に「超人」が基づいていることを説く。しかし、没落を始めるツァラトゥストラは、この世に新しいものなど起こらず、すべては同じことの繰り返しであるという「永遠回帰」の思想にたどりつく――。
生田長江による最初の邦訳(1911年)以来、すでに本書の日本語訳は15種類を数える。そのすべてに目を通した上で作られた本訳書は、21世紀にふさわしい日本語で「声に出して読める翻訳」を実現するものである。学術文庫『愉しい学問』の訳者が満を持して送り出す、渾身の訳業!

[本書の内容]
 第一部
ツァラトゥストラの序説
ツァラトゥストラは語る
三段階の変身/徳の講座/背後世界論者/肉体の軽蔑者/情熱にひそむ喜びと苦しみ/青ざめた犯罪者/読むことと書くこと/山に立つ樹/死の説教者/戦争と戦士/新しい偶像/市場のハエ/純 潔/友/千の目標と一つの目標/隣人愛/創造者の道/老いた女と若い女/毒ヘビにかまれる/子どもと結婚/自由な死/惜しみなく与える徳

 第二部
鏡をもった子ども/至福の島にて/同情者たち/司祭たち/有徳者たち/汚い奴ら/毒ぐもタランチュラ/有名な識者たち/夜の歌/舞踏の歌/墓の歌/自己克服/崇高な人/教養の国/純粋無垢の認識/学 者/詩 人/大いなる出来事/占い師/救 い/賢い世渡り法/最も静かな時

 第三部
放浪者/幻影と謎/不本意な幸福/日の出前/卑小にする徳/オリーブ山にて/通り過ぎるということ/離反した者たち/帰 郷/三つの悪/重さの地霊/新旧の石板/快復しつつある人/大いなるあこがれ/もう一つの舞踏の歌/七つの封印

 第四部・最終部
蜜の捧げ物/助けを求めて叫ぶ声/王たちとの対話/ヒ ル/魔術師/失 業/最も醜い人間/進んで乞食になった人/影/正 午/歓迎のあいさつ/晩 餐/高等な人間/憂鬱の歌/学 問/砂漠の娘たちのもとで/目覚め/ロバ祭り/夜の放浪者の歌/しるし

訳 注
訳者あとがき
索 引

感想・レビュー・書評

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  • 初めてのツァラトゥストラ。
    こうした本に慣れていないので参考になる感想ではないと思います。

    手にして読み切れるかと心配した。
    なかなかのボリュームであり、初ニーチェがどんなかは想像と違うようでもあった。
    読み進めるに連れて、どんな進行がわかってくるが、内容が残らない。
    兎に角進めることを目標にして読み進める。

    ツァラトゥストラが語る哲学なんだと理解できるも、それは何を目的としているのかは分かりにくいものもあった。

    ゾロアスター教がどんなかこれ一つで決めると言うのは違うが、聖書のそれよりはちょっと怖くておどろおどろしいと感じました。

    何度か繰り返し読むことで理解が深まったり、生活の何かとつながりそうではあるが、戯曲のようで馴染みがなかったので難しく感じたと言うのが正直なところ。
    でも一つ一つが短くて隙間に読めるし、違う話になるのでその点では読みやすかった。
    この手の本は訳も重要と言うが、そちらも万人に良いものであると感じました。

  • 2023年7月1日図書館から借り出し。
    講談社学術文庫版の森一郎による新訳だが、同じ森一郎訳のハイデガー 「技術とは何だろうか」を入手したときは、活字があまりに小さくて嘆いていたところ拡大コピーを提供してくださる方がいて、なんとか目を通すことができた。
    この「ツァラトゥストラ」も、遺憾なことに活字の小ささは同じ、本文・訳注合わせて590頁を拡大コピーというわけにもいかない。
    この手の本を手に取る読者層を編集者は考慮に入れていないようだ。
    森一郎訳で初めて「ツァラトゥストラ」を読む若い人は、そうそういないだろうと思うが。
    さて困った。

  • 東2法経図・6F開架:B1/1/2751/K

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著者プロフィール

1844-1900年。ドイツの哲学者。近代という時代の問題を一身に受け止め、西洋思想の伝統と対決し、現代思想に衝撃を与えた。代表作は、本書のほか、『愉しい学問』(1882年)、『善悪の彼岸』(1886年)ほか。

「2023年 『ツァラトゥストラはこう言った』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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