アンデッドガール・マーダーファルス 4 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065325209

作品紹介・あらすじ

TVアニメ化!!!

2023年7月よりフジテレビ「+Ultra」ほかにて放送予定!

輪堂鴉夜:黒沢ともよ
真打津軽:八代拓
馳井静句:小市眞琴

輪堂鴉夜が、生首でも、不死でもなかった時代。
偉大なる師と共に過ごした黄金の日々。
今や彼女の他にそれを知るものは天の星のみ。

感想・レビュー・書評

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  • 鴉夜、真打、静句!強烈キャラクター陣のエピソードゼロ短編集 #アンデッドガール・マーダーファルス4

    ■きっと読みたくなるレビュー
    アンガール強烈キャラクター陣のエピソードゼロ短編集。今回もアクションや謎解きがめっちゃ楽しい!しかも今まで謎だったキャラの過去が明るみになり、なるほど感も満載。さらに歴史上の人物を楽しく学べるところも素晴らしいですね。

    また今回はメッセージ性がかなり強めで、作品に深みと味わいがパワーアップ。そして装画の鴉夜が可愛すぎ!和服の女子には弱いの。

    ○知られぬ日本の面影
    鴉夜、真打、静句が仲間になった翌日の一話。
    本シリーズの面白みが凝縮された内容で、ひっくり返るような史実キャラ登場でニンマリ。謎解きでは大好きな元ネタが出てきて歓喜、子供のころ読んで発想力の壮大さに痺れたんですよね。

    ○輪る夜の彼方へ流す小笹船
    鴉夜の少女時代、不死の謎にまつわる一話。
    時代は遡り、またもすごい登場人物と逸話に絡めてストーリーが進む。圧巻の筆致で、さらにロジックを加えて面白く読ませるなんざ、さすがの匠芸ですよ。そしてあまりの真相に、顎が外れました。

    ○鬼人芸
    若かりし頃の真打、半鬼になってしまったエピソード。
    序盤は楽しく元気な雰囲気ですが、後半のおぞましさぶりは精神に来る…

    ○言の葉一匙、雪に添え 【超おすすめ!】
    静句と鴉夜の関係性が分かる一話、そして最も気になる謎のエピソード。
    最後の1ページが美しすぎるよ… 強く深く静かな想いがキレイ。そして苦しさが全身を駆け巡る。本作で一番好きな作品でした。

    ○人魚裁判【おすすめ!】
    タイトル通りのお話、おなじみキャラも登場する嬉しい作品。
    人間VS人外の超しっかりとした法廷ミステリー。短編なのにロジック出来がめっちゃイイ! 人種差別の社会問題性も含んでいて、読み応えもしっかりありました。

    ■きっと共感できる書評
    人生は誰しも一筋縄ではいかない。本作に出てくる登場人物たちのように、派手で辛辣な出来事はなかなか起こりませんが、辛い目や酷い辱しめに合ってしまうことは少なからずあります。

    しかしどんな屈辱や差別を受けようとも、前向きに笑い飛ばす彼らが大好きなんです。もっともっと笑劇を見せてほしい。次回作も期待しちゃいます!

    • マメムさん
      初コメです。
      静句のエピソードの最後は胸キュンでしたね。
      初コメです。
      静句のエピソードの最後は胸キュンでしたね。
      2023/07/28
    • autumn522akiさん
      マメムさん、こんばんは^^
      美しいお話ですよね~
      ぎゅっと心臓をつかまれるようなセリフが最高でしたね
      マメムさん、こんばんは^^
      美しいお話ですよね~
      ぎゅっと心臓をつかまれるようなセリフが最高でしたね
      2023/07/29
    • マメムさん
      autumn522akiさん、お返事ありがとうございます。
      この背景を基に次回作でどんな展開になるのか期待ですね♪
      内容次第で泣いちゃうかも...
      autumn522akiさん、お返事ありがとうございます。
      この背景を基に次回作でどんな展開になるのか期待ですね♪
      内容次第で泣いちゃうかも(^_^;)
      2023/07/29
  • 一旦小休止の短編集でございますな

    鳥籠使いチームの過去を紐解いておりますが、中々に面白かったですね
    安倍晴明にウェルズの『タイムマシン』、人魚に小泉八雲、前島密ともう次から次です

    それにしてもジャックが強い!強すぎる!
    人外の強さ!って人外ばっかり出てくるお話しでした(てへ)
    この最強の敵にどうやって立ち向かうのかよ
    首を長くして次巻を待ちたい!生首だけに(上手くない)

    • 土瓶さん
      ……なるほど。
      そのプロフィール画像は生首だったのか。
      ……なるほど。
      そのプロフィール画像は生首だったのか。
      2024/01/07
    • ひまわりめろんさん
      うま…くないわ!
      うま…くないわ!
      2024/01/07
  • 「アンデッドガール・マーダーファルス」の4冊目。これまで3冊の前日譚。
    これまでにサラリと触れられていた過去の経緯が詳しく語られ、どの話も楽しめる。

    ■知られぬ日本の面影
    鴉夜&静句に津軽が出会い、一夜が明けた昼飯どきから始まる話。
    小泉八雲(!)から依頼を受け、彼が抱えているトラブルの謎を追う。
    文字通り“鎌鼬”というかまいたちの姿に驚愕。
    最後に割れた下手人の正体とその意外な動機がなかなか泣かせる。

    ■輪る夜の彼方へ流す小笹船
    〈不死〉になる前の鴉夜。彼女が輪堂と名乗る訳、彼女の推理力の源が知れる話。
    安倍晴明と並び称される陰陽師・蘆屋道満が登場。禁忌に踏み込んだ道満の、その身勝手に巻き込まれ、輪堂鴉夜が生まれた話にちょっとゾクッとする。
    『目をそらさず、細部を』

    ■鬼人芸
    津軽が半人半鬼になった経緯、真打と名乗る訳が知れる話。
    (直前に読んだ「イクサガミ地」に続き)ここにも前島密が登場。巷にくすぶる浪人や士族に手を焼いては、天竜寺に集めて殺し合いをさせるのではなく、山林局に集めて妖怪退治をさせるとは。
    怪奇一掃特設隊、通称〈鬼殺し〉に集められた手勢の、黄昏た心情が不憫。
    鴉夜の仇敵Mがここに登場、津軽とも因縁があったのか。
    昏くて血生臭い話なのに津軽のへらず口から出る落語のお陰であっけらかんとした明るさがあったのが救い。
    『生き残ったやつが強い』

    ■言の葉一匙、雪に添え
    馳井家と鴉夜のつながり、とりわけ静句と鴉夜の抜き差しならない契りが知れる話。
    〈不死〉となり14歳の姿のまま956歳になった鴉夜と静句の幸せな日々を、それから起こる惨劇を知りながら読む緊張感。突然鳴った客鈴の音に、ここでは勿論仇敵Mが登場。
    胴体だけ持ち去ってなぜ頭を置き去りにしたのかがちょっと謎。まあ、そうでないとお話が続かないけど。

    ■人魚裁判
    14歳の新聞記者アニー・ケルベルと《鳥籠使い》一行の出会いの事件。
    罪を被された人魚を弁護する鴉夜の推理が冴える、この作者らしい理詰めでの無実の証明が鮮やか。

  • 異形達の笑劇第四弾。
    今回は夜宴〈バンケット〉を追う一行の続きの物語ではなく、主役達の来し方を明らかにする短編集。
    盛り上がってきたところで、一旦一息つくといったところでしょうか。

    1の冒頭、見せ物小屋で顔を合わせた鴉夜と津軽がヨーロッパに旅立つ間を埋める物語に始まり、鴉夜のルーツ、津軽の生い立ちと半人半鬼に至る経緯、静句の秘められた内面が明らかにされ、これまでの思わせぶりだった場面達に幾許かの感慨が付与されると共に、語られずとものこれから場面の読みに影響を与えるであろうエピソード達。

    一番面白かったのは鴉夜のルーツの話。
    そこだったのかあぁ。

    惜しむべくは自分の無知。
    歴史上の事実、伝承はキーワードくらいしかわからず、ちゃんと背景押さえていたり、時系列や内と外の関連を把握出来ていたりすると、その嵌り具合により面白さを感じられたのだろうなぁ。
    歴史のお勉強は過ちを繰り返さないためという堅い面だけでなく、物語を楽しむという利己的な観点でも大事ということがわかりました。
    過去の自分に教えてあげたい。

    とりあえず、『陰陽師』が読みたくなった。

  • さあさあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!
    今宵は『鳥籠使い』の始まりを語って差し上げやしょう!!

    本作『アンデッドガール・マーダーファルス4(通称アンファル)』はナンバリング0が相応しい、鳥籠使いの輪堂鴉夜、真打津軽、馳井静句、そして鳥籠使いの取材に奔走するアニーの4人の出逢いや生い立ちに触れた物語でありやす。

    輪堂鴉夜は元から不死として生まれたのか?
    真打津軽が属していた鬼殺しとは?
    馳井静句と輪堂鴉夜の出逢いとは?
    アニーの求める『鳥籠使い』の始まりは?

    と、これまでのシリーズ作品前後や幕間を補う本作は、大人なアンファルといった可笑しさよりも哀しみ強めのトッピングでございます。

    満腹よりも腹八分目が丁度良いとは言いますが、あたくしにゃ、味噌たっぷりの田楽で腹一杯にしたいもんです。

    「津軽、まずはお前の脳味噌を一杯にしろ」
    「師匠、馬鹿力のあたくしが知恵まで付けたら手に負えませんでぇ。」
    「大丈夫だ、もとより私に出せる手はない」
    「おぉ、師匠。それじゃ、あたくしを誰が止めてくれるので?」
    「やれ、静句」
    「はい、鴉夜様」
    「ひゃ、………。」

    最後に次巻予告が載る所から、まだまだ冒険譚に終わりはなさそうと安心した所で、今宵はお開きとさせて頂きます♪

  •  アニメ化もされたシリーズの4巻目であるが、前巻からの続きではなく、初の短篇集である。五つの短篇はすべて、3巻までに描かれたエピソードより以前の話である。特に《鳥籠使い》のメンバーについて、これまで僅かしか描かれなった過去が明らかにされる。キャラクターに深みを与え、興味深く読むことができた。

     「知られぬ日本の面影」では、怪物専門の探偵《鳥籠使い》としての最初の事件が描かれる。あのラフカディオ・ハーンが登場する。
     「輪る夜の彼方へ流す小笹船」では鴉夜の生い立ちと、彼女が如何にして「不死」となったのか、そのいきさつが語られる。高名な陰陽師二人が登場する。あとH・G・ウェルズ…
     「鬼人芸」では津軽の生い立ちと、半人半鬼にされたいきさつが語られる。さらに「言の葉一匙、雪に添え」では静句の生い立ちと、鴉夜が「生首」になったいきさつが語られる。
     最後の「人魚催裁判」は、第1巻で少しだけ触れられたエピソードで、少女記者のアニーが登場する。

  • 【収録作品】知られぬ日本の面影/輪る夜の彼方へ流す小笹船/鬼人芸/言の葉一匙、雪に添え/人魚裁判

    鴉夜一行が怪物専門の「探偵」となったきっかけ、鴉夜が不死となった経緯、津軽の過去と半鬼となった経緯、鴉夜の半身が奪われた事件、人魚を被告とする裁判で弁護人となる鴉夜の冴えわたる弁舌が描かれている。

    キャラクターの背負っているものが見えるのは楽しいので、シリーズもののこういう短編集は好き。

  • こちら4巻となっておりますが、津軽らの昔話、どのように成り立ったかを描いているので実質0巻と捉えている。
    3巻までで示唆されていたことが短編として描写されているけれど想像の域をあまり出なかった。
    今作品もテンポ良く読み進められるのでサクっと読了。

  •  今回は全5篇の短編集で鳥籠使い一行それぞれの過去話と活劇を描いた話でした。短編集なので幕間の物語かなと気軽に構えていたら、シリーズ上重要なものだったので短編でこれやるのかという驚きと内容の面白さにやられました。
     有名な研究家や歴史上の人物がでてきたり、古典SF作品との関わりもあったりなどアンファ独特の闇鍋が今回もすごく良かったです。登場人物やワードを調べて元ネタを見つけて「こんな作品もあるのか読んでみよ」と新たな好奇心も刺激されて良かったです。
     個人的には「人魚裁判」が良かったです。安楽椅子探偵(この作品の場合は安楽首探偵?)といった感じで事件が少しずつ真実に向かう面白さがとても心地よく、最後の鴉夜のセリフになるほどぉ!っと心のなかで思わず溜息が出てしまいました。

  • 最新作の4巻は前日譚の短編集ときいて、2巻と3巻は未読のまま読んでしまった。ミステリが強めの短編が二つと、ミステリ薄めのメインキャラの過去にまつわる短編が三つで、構成のバランスがよくて楽しめた。『知られぬ日本の面影』と『人魚裁判』が好み。

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著者プロフィール

★小説家/推理作家。“平成のエラリー・クイーン”の異名をとる、本格ミステリ界の若きエース! 代表作に『体育館の殺人』『図書館の殺人』『ノッキンオン・ロックドドア』など。

「2018年 『ネメシス ♯40』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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