伝言

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065325339

作品紹介・あらすじ

『きみはいい子』『わたしをみつけて』『世界の果てのこどもたち』など、話題作を生み出し続ける著者、4年ぶりの新作!2016年本屋大賞3位、『世界の果てのこどもたち』には書かれなかったもうひとつの真実。満洲・新京で暮らす女学生、ひろみ。「尽忠報国」「一億玉砕」「五族協和」、そう信じていた――永遠に失われた、もう、どこにもない国。あの場所で見たこと、聞いたこと、そして、わたしに託されたことを、わたしは忘れない。終戦間際の満洲を、圧倒的な事実に基づき描く。これは、いまを生きるあなたのための物語。

感想・レビュー・書評

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  • 重いテーマだがよんでみてよかった
    段々と自分も年齢を重ねてくると
    なぜか気になってきて図書館で
    借りれたので読んでみた
    読みやすく書かれていたので
    よかった

  • 作家インタビュー 書きたいものがありすぎて第2回大賞受賞、中脇初枝さん | Bocchan | マガジンワールド(2107.12.18)
    https://magazineworld.jp/books/bocchan/bocchan-nakawaki-hatsue-interview/

    作家・中脇初枝さんが選ぶ「わが人生最高の10冊」(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(2015.09.05)
    https://gendai.media/articles/-/45050

    伝言 中脇 初枝(著・文・その他) - 講談社 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065325339

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      後悔胸に語る満州の記憶[評]評 城戸久枝(ノンフィクションライター)
      <書評>伝言:北海道新聞デジタル
      https://www.hokkai...
      後悔胸に語る満州の記憶[評]評 城戸久枝(ノンフィクションライター)
      <書評>伝言:北海道新聞デジタル
      https://www.hokkaido-np.co.jp/article/918158/
      2023/10/02
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ◆気づけなかった過ち語る[評]小林エリカ(作家)
      <書評>『伝言』中脇初枝 著:東京新聞 TOKYO Web
      https://www.tok...
      ◆気づけなかった過ち語る[評]小林エリカ(作家)
      <書評>『伝言』中脇初枝 著:東京新聞 TOKYO Web
      https://www.tokyo-np.co.jp/article/283717?rct=shohyo
      2023/10/18
  • 優しい語り口で読みやすい。主に満州で暮らす少女から見た戦中戦後の生活。国ではなく、一人一人の人間として向き合い接することの大切さ、自分の判断基準をぶれずに持つこと。『伝言』…よいタイトル。しっかり受け取りました。

  • 書かれていること自体に新味はないが、人気作家である中脇作品として上梓されることに意味があると思う。私含めて戦争の実際を体験していない世代が大部分を占める現在、庶民から見た満州国や戦争の実際が語られ、現在の我々に伝言として残されることに意味がある。

  • 読み進めるのが辛くなりながらも、『これは知らなくてはならない話』…と最後まで。

    他作品も読んできたが、誰かが書かなければならない物語を書いてくれるひとだと思う。

  • あの人はどうなったの…

  • 2023

    中脇初枝さんによる戦争の時代の記録
    特に、満州でのこと、そして現在

    「ひとりてわ抱えていて、だれにも言わなければ、なかったことになる。
    だから、わたしに言ってくれたのだ。」301

    新京でも思い出 新京は長春のこと
    敷島高等女学校での軍事作業
    そこでの作業は軍事機密
    戦争に関わるから
    気球による爆弾攻撃

    ひろみは満州の人には発音できず「しろみ」ちゃんと呼ばれていた
    妹、陽子
    弟、健三

    満州人をニイヤと呼ばなかった母

    李太太りーたいたいのつくる饅頭マントウの思い出

    戦争に負けて、満州から日本に帰ることになるが、帰ることができず
    この辺りはもっと悲惨な話を読んだりしていたので、ちょっとホッとする

    青酸カリを持たされた話

    満州移民は武器を持っていく、



    おばあちゃんになったひろみちゃん
    孫のあかりちゃんは
    おばあちゃんの言葉だけ違うことに気づくような聡明な子だった


    とても丁寧に調べて書かれている
    こうして戦争を知らない世代は調べて、創造していかなければ、伝わらない

  • 単に好みじゃなかった

  • 中脇初枝さん/著と表紙で手にした。

    一章の初めから、戦中の満州の物語であることはすぐにわかった。引き揚げの話しはよく耳にしていたことから、この物語の結末もなんとなく想像できた気になっていた。

    主人公である女学生のひろみを通して、家族との暮らし、学校生活、満州のご近所さん李太太(リータイタイ)との交流などが書かれている。
    同時に、戦争が終結に向かい悲壮感が増してゆく。
    「日本の憲兵が満人の車夫を一喝する」事件は、各章において、さまざまな立場から書かれておりキーポイントでもある。
    731部隊も関係するとは......。
    孫のあかりが登場し、最後にタイトルを振り返ってみた。孫に伝えている風であるが、誰に[伝言]するのか。登場人物だけではなく、もっと大きく国民に向けて?(飛躍しすぎ?)

    中脇初枝さんの文はいつも優しく、最後まで安心して読むことができる。

  • 満州、新京(現・長春)で生まれ育った「ひろみ」と
    近所の「満人」、学徒動員の軍人・・・それぞれの角度から描かれる
    連環小説集。

    でも、最後は「ひろみ」に戻ってきて・・・

    なんと明治大学登戸研究所平和資料館まで登場!
    登戸研究所と言えば、戦前、陸軍が諜報活動のためのアレコレが
    研究されていたところ。
    ああ、こんな風に満州とつながるのか・・・

    物語としては・・・
    後半、現代の日本に戻るのだが、
    ここからは好き嫌いがわかれるところかも。
    人によっては、説教臭いと感じるのでは?
    わたしは、そうだよね~、同感、同感と大きく頷いた。

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著者プロフィール

徳島県に生まれ高知県で育つ。高校在学中に坊っちゃん文学賞を受賞。筑波大学で民俗学を学ぶ。創作、昔話を再話し語る。昔話集に『女の子の昔話 日本につたわるとっておきのおはなし』『ちゃあちゃんのむかしばなし』(産経児童出版文化賞JR賞)、絵本に「女の子の昔話えほん」シリーズ、『つるかめつるかめ』など。小説に『きみはいい子』(坪田譲治文学賞)『わたしをみつけて』『世界の果てのこどもたち』『神の島のこどもたち』などがある。

「2023年 『世界の女の子の昔話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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