- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065325346
作品紹介・あらすじ
娘が婚約者を連れてきた。他人の分の寿司も遠慮なく口にする、だらしのない男。娘が選んだ人ならば。自分は、心が広く先進的な父親。そう思っていたはずなのに。神保町にある出版社、景談社で働く佐原滝郎は、娘の結婚に心が揺らぐ。「娘が結婚すべきではない」と感じた婚約者は、意外にも滝郎の妻には好印象。妻もあの婚約者のことは気に入らないと思っていたのに、一体なぜ?積み重ねてきた夫婦生活の中で初めて見えた、自分と妻の間にあるひずみ。もしかして、妻と自分はーー。社内の三組の夫婦の姿を見ていくうちに、滝郎はある決意を固める。
感想・レビュー・書評
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シュッとまとめます
つまりはこういうことです
「最近どう?」
「ボチボチでんな」
さすがです
過不足なくまとまっています
さすがカリスマ
悪くはない
取り立てて良くもない
最近の小野寺さんはずっとそんな感じ
なのでしばらく読んでなかったんですが
123daaahさんのレビューでちょっと気になったので久しぶりの小野寺作品です
悪くはない
取り立てて良くもない
他に読みたい作家さんはたくさんいるので
少なくとも新作をすぐに手に取りたい作家さんではなくなっちゃったかなと
いや別に今までもそうだったが
小野寺史宜さん、未読もたくさんあって、その中には評判の良いのもたくさん残っているのでそのうちには読んでみようかな
というポジションの作家さんになってしまったな〜
コンプリーター目指そうかなという時期もあったんだけどな〜詳細をみるコメント10件をすべて表示-
みんみんさん一休さん大丈夫…わたしもだから( T_T)\(^-^ )一休さん大丈夫…わたしもだから( T_T)\(^-^ )2023/12/12
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1Q84O1さんみんみんさん、ありがとう(¯―¯٥)みんみんさん、ありがとう(¯―¯٥)2023/12/12
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ひまわりめろんさんへー(・o・)へー(・o・)2023/12/12
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いろんな夫婦の物語。
結婚生活ってお互いの歩みよりや理解がないと続かない。
夫婦も相性だけでなく経済力も家事もどちらも納得できるかどうか…
4組の夫婦が直面する、結婚生活の危機。
どうなるのか、乗り切るのか…。
佐原夫妻〜娘が連れてきたチャラついた男が気に入らない夫。
足立夫妻〜新婚早々、妻が単身赴任で名古屋に栄転。
戻ってくるのは2年先。子ども欲しいけど…どうする
船戸夫妻〜前の夫の子どもを連れての再婚。彼はどれだけ受け入れてくれるのか?不安はある。
江沢夫妻〜40代後半の夫が突然、植木職人になるために沖縄に行きたいと言う。その為に離婚してくれと…。中学になる娘と高校になる息子は…。
それぞれの夫婦の会話のテンポが良くて、読みやすさは小野寺さんらしい。
結局、夫婦で答えを見つけるところに優しさや温かさを感じて、ギスギスしたところや嫌な面を見ることなく良かったと思った。
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2年前発表の「ミニシアターの6人」前後から作風や内容に物足りなさを感じつつも「次こそは…」などとモヤモヤしながらも期待を込めて「印税」を支払い続けていました。しかしながら「レジデンス」でついに堪忍袋の緒が切れてしまい、私の中では「大好きな作家さん」から「好きな作家さん」に降格し、「印税」を払うのをやめてしまいました。
それ以降発表の作品については一度ズレた相性はなかなか噛み合わず、新作発表毎に図書館で借りて読むものの私にとっては「普通の作品」としか成り得ませんでした。
今作も期待しないで読んでみたのですが、どうしたものか、会話のセンスや構成、更には他の作品とプチリンクしててニヤっとする場面もあったりして、まるで20代の頃大好きだった元カノに10年振りに偶然再会したかの様な作品でした。-
こんにちは!
分かります!分りますっていうか全く同じです!
騙されたと思って(失礼)これは読んでみようかなこんにちは!
分かります!分りますっていうか全く同じです!
騙されたと思って(失礼)これは読んでみようかな2023/10/25 -
コメントありがとうございます。ひまわりめろんさんの「レジデンス」の感想で納得しました。2006年の作品という事で、小野寺先生もスキルアップし...コメントありがとうございます。ひまわりめろんさんの「レジデンス」の感想で納得しました。2006年の作品という事で、小野寺先生もスキルアップしてるのですね。1番初めに「レジデンス」を読んでしまったら「好きじゃない作家」に分類してたかもしれません。
個人的な見解ではありますが、今作品はあくまで「元カノ」です。2023/10/26
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私が読む小野寺史宜氏作品の17冊目。
つい最近、他の作家さんの作品に対するレビューで、私は小野寺史宜氏のような「ふつう」の(市井の人々の、なんでもない)作品が好きだということを書いたばかりなのだが、本書は受け入れがたかった。
小野寺氏の特徴として、いつもやたらと個人名が多く出てきて、しかも漢字まで細かくきっちりと書かれている。
その点を私は『ライフ』では好意的にとらえていたが、『片見里荒川コネクション』や『奇跡集』ではちょっと疲れてきているということが、自分のレビューから見てとれる。
そして本書では、申し訳ないが、遂にうんざりしてしまった。
読者なんだから、登場人物達を取り巻く人達の話は当然知りたい。
だって、小説だから。
しかし、あまりにも知らない人達の氏名も事情も、そこまで教えてくれなくていいです!ってなる。
登場人物Aが行きつけのバーで仲良くなった常連さんB(フルネーム)の後輩(これもフルネーム)の、そのまた友人の更にその娘(幼児)まで漢字フルネーム。
しかもその女児の苗字が何に変わった、なんてことまで、普通この登場人物Aに Bが漢字まできっちり話して聞かせる?
AはBのことしか知らないのに。
『ライフ』の場合は、登場人物が、自分がかかわる相手の氏名を漢字まできっちり知ろうとしたのに対して、本書はもうあまりにも間接的過ぎる。
全くの他人。
また、私は知らなかったのだが、小野寺氏の『夫婦三部作』というものがあったようで、本書には、なんとその三部作全ての題名と表紙の絵と登場人物の名前とあらすじが出ている。
本書に出てくる氏名を数えたら大変なことになると思う。
実際、私の友人のひとりに、私が全く知らない人達の、そのまた家族の事情を何十人分も話してくる人がいる。
漢字や氏名こそ言ってこないが、前にも私に話しているから、私が当然全部把握しているものとみなされてもいる。
彼女のことは好きなのだが、その点だけは「知らんがな!」っていつも思う。
それと同じ気持ちになってしまったのだ。
本書は。 -
東京にある大手出版社の景談社に勤める4人の既婚者を中心に、夫婦関係の機微を描いた連作短編集。全5章で4章のあとと5章のあとに断章が挿入されている。
◇
その日の佐原滝郎は、朝から落ち着かなかった。ひとり娘の楓が彼氏を家に呼び、両親に紹介することになっていたからだ。妻の和香も落ち着かないのか少々はしゃぎ気味だ。
約束の時間は午後1時。30 分前に特上にぎり寿司5人前も届き準備万端だ。
ところが1時になっても玄関のインターホンは鳴らない。5分過ぎ 10 分過ぎても同様だった。楓が一緒にいるはずだが連絡もない。心配し始めたところ 15 分遅れで2人が到着した。
「おじゃましま~す」というチャラい挨拶とともに姿を見せた彼氏の名は池本悠。27歳。見かけはスッとしたイケメンだ。だが、遅刻を詫びるでもなく連絡なしを申し訳なく思う素振りを見せるでもない。
会社で人事部長を務める滝郎が、社会人の常識に照らしてそのことを注意すると、「すいません」という軽い謝罪。楓も「家にいるからいいじゃん」という不届きな返事。
滝郎が気を悪くしたまま、寿司をつまみながらの会食がスタートした。
和香が気を利かして仕事や将来へのビジョンを尋ねていくが、池本の返答のすべてが、一流企業の人間としての滝郎には気に入らないものだった。
(第1章「佐原夫妻」)
* * * * *
夫婦。
一心同体。連理の松。比翼の鳥。
心が通じ合い、ことばにしなくても互いの気持ちを思いやった行動がとれる。
俗に(特に結婚式では)そう言われます。理想の夫婦像ですが、それは夢物語では決してないと思います。
けれど常に、きちんと相手に意識を向け心を開いていることで、初めて到達できる関係であって、とても一朝一夕にはたどりつけないことは確かでしょう。
本編で描かれている4組の夫婦。それぞれ夫婦ともに善良な「いい人」なのだけれど、夫婦関係を揺るがすような危機に直面します。
第1章の佐原夫妻の危機は、滝郎にとっては気の毒でした。
池本悠の言動は初対面の年上の人間に対するものとは思えません。馴れ馴れしいし図々しいだけ。そこには自分の恋人を育んでくれた人へのリスペクトが感じられません。
別に芸人志望のユーチューバーが悪いと言うつもりはありません。しかし社会人としてのマナーというものがあるはずです。
妻の和香などは池本に好意的だったけれど、夫の滝郎の反応こそノーマルなものだと思います。
婚姻は成人した当人同士の合意によります。だから池本と楓が結婚するのは認める他ないでしょう。
それでもその人間性を受け容れられないのなら、こちらが我慢する必要はありません。相手にそう告げるべきだし、そこからしか理解し合う関係は生まれないと思うからです。
滝郎の嫌悪感はまったく以て正当なものです。だから、それを滝郎の器の小ささだととった和香には賛同できませんでした。
佐原夫妻以外は夫に非がありました。
第2章の足立夫妻はいい関係だし、結婚2週間で妻の結麻が転勤になり、東京と名古屋に別れての別居生活は気の毒です。
それでも、結麻に退職を提案 ( 要求でないだけマシですが ) する道哉は失礼の極みでしょう。妻の気持ちに向き合えていません。
第3章の船戸夫妻は、夫の幹人に問題ありすぎです。
合コンで、バツイチ・年上ということをまったく気にせず、美奈そのものを見てくれる。そんな幹人のフラットなスタンスは魅力的です。
けれど結婚してみて、魅力だったフラットさは大雑把なだけであることに美奈は気づます。
会社帰りに偶然出会った元カノともんじゃ焼きを食べに行ってしまう。
体調の悪そうな幼い息子 ( 美奈の連れ子です ) をひとり残して、急に入ったアマチュアバンドの練習に出かけてしまう。
美奈の気持ちや息子の体調が急変する可能性をまったく考慮しない浅はかさ。
元カノやバンドの先輩を、家で待つ妻やひとり残される息子より優先してしまっているのです。こんな夫は家庭人としては失格です。
自分が美奈なら離婚へ大きく傾くでしょう。
第4章の江沢厚久については理解に苦しみます。
植木職人になるため現在の信販会社を退職したいというところまではまだわかります。そして修業のため沖縄で造園業を営む学生時代の先輩の下へ行くということも百歩譲ってわからぬでもありません。でも、だから離婚したいという理屈には納得しかねます。
修業中は給料はなく家庭人としての責任も果たせないために申し出た離婚のようです。
確かに妻の梓乃は出版社勤務で安定した収入があります。だから妻を養う必要はないでしょう。けれど、2人の子どものことをまったく考えていないのはどうなのか。最初から妻に押し付ける気満々ではありませんか。
要するに修業が終わっても沖縄から帰る気はないということなのでしょう。無責任この上ない態度だし考え方です。
子どもが2人とも沖縄についていきたいと希望したとき厚久は戸惑いますが、果たして胸を痛めるぐらいしたでしょうか。そうあってほしいと思います。
佐原夫妻以外の夫婦は、夫の幼稚さや身勝手さが目につきますが、妻の度量の大きさや人間性の豊かさが却って引き立っていました。
もしかしたらこの妻目線のストーリーは断章で『夫妻集』を執筆することになっている作家の小倉琴恵の目線ということなのでしょうね。「男」というものを見切っている。そう言えば琴恵のかつての不倫相手もつまらないクズ男でした。
小野寺史宜さんらしく、温かでユーモラスな文章であり、随所に過去の作品をかませているところもうれしく読めて、とても楽しませてもらいました。 -
夫婦を描いた連作短編。年齢と結婚歴で受け取る印象が変わるかな。夫婦って響きに新鮮さを感じさせるなんともいえないいい感じの作品でした。
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やんさん(^_^)/こんにちは♪
私はこの本が読みたい!!
図書館派の私、なのに図書館にない!
(`ヘ´) プンプン※
もう、他図書館...やんさん(^_^)/こんにちは♪
私はこの本が読みたい!!
図書館派の私、なのに図書館にない!
(`ヘ´) プンプン※
もう、他図書館取寄せのお願い用紙を提出してしまおうか、読みたいなぁ~(v_v)
やんさん、いいなぁ~
(>_<。)2023/10/19 -
発売日2週間前から神戸市の図書館は紙で予約できるので、比較的早く順番が来ました!素敵な作品でしたよ!発売日2週間前から神戸市の図書館は紙で予約できるので、比較的早く順番が来ました!素敵な作品でしたよ!2023/10/20
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やんさん(^_^)/
東京郊外市内四つの図書館、こちらも購入前のみ用紙でリクエストできます。でもなるべく控えめにしています。
以前、近所の市...やんさん(^_^)/
東京郊外市内四つの図書館、こちらも購入前のみ用紙でリクエストできます。でもなるべく控えめにしています。
以前、近所の市から借りてくれたことがあったのですが、前回は東京都立図書館!
( ̄□ ̄;)!!びっくり!本は傷ひとつ無く、カバーをかけて読みました!2023/10/20
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読後感良きの一冊。
ウィンウォーン♪娘の婚約者を待つそわそわな父親で幕開けの今作は4組の夫婦を描いた物語。
それぞれの年代に有りがちな問題をテンポ良い会話で読ませ、時に笑いもありな微笑ましさ。
夫婦ってなるのは簡単、でもそれを維持しトラブルを修正するのにどれだけの労力がいるか、やっぱりうなずける。
会話って大切だな。
この先、この作品の夫婦みたいにとことん意見を交わせるか、ふと心配になる。
それでも、この人と夫婦で良かったと思える瞬間が年に一回でも思えたら良しかな。
最後はホロリの読後感が良い。
夫婦は一日にして成らず。 -
景談社という出版社に働く人達の夫婦関係を描いた短編集。
年代も置かれた状況も異なり、夫婦といっても本当に人それぞれだなと思った。
最近の小野寺さんの作品、こんな感じでさらっと終わるものが多い気がする。
少し前のものは、静かな中にももう少しドラマ性(いい表現が見つからないけど)があったような。
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佐原夫妻は夫の滝郎さん、足立夫妻は夫の道哉さん、船戸夫妻は妻の美奈さん、江沢夫妻は妻の梓乃さんが景談社という出版社の社員という繋がりがあり、それぞれ娘の結婚、新婚早々に転勤になり別居、連れ子と歳下の夫の関係、結婚して17年経ち50歳手前で突然、植木職人になりたいから仕事を辞めて沖縄に行くと言い出す、など4組の夫妻におとずれた試練のお話です。
小野寺さんの本は前にも夫婦の話のを読んだことがあって、その時も上手いなぁと思いましたが今回も、そういう形もあるよねとすんなり受け入れられる感じで、すごくよかったです。
出版社の業界話も興味深く読みました。コミックや小説など、ドラマ化映画化の帯がついて日々入荷してきますが、その本たちが実際にドラマ化映画化するというのは、かなりの試練を乗り越えて現実化したんだなーと思うと感慨深いです。普段本を読まない人が映像を見て1人でも多く本を手に取って欲しいなぁと切に願います。