ハツカネズミと人間 (講談社文庫)

  • 講談社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065327319

作品紹介・あらすじ

1930年代、 大恐慌時代のカリフォルニア。いつか自分たちの農場を持つという夢をもつ季節労働者、ジョージとレニーは新しい稼ぎ先に到着する。ある日、キャンディ老人の、右手を失った際の資産によって、ジョージとレニーの夢が現実味を増す。しかし夢の実現を前に、2人に悲劇が訪れる。

感想・レビュー・書評

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  • 前向きになれない内容でした、、、

  • なんともいえない読後感が残る名作だと思う。
    貧しい渡り労働者のジョージとレニーは、いつか自分たちの土地を持つという夢を語り合う。現実には、労働者の多くが同じような夢を持つが叶わない。厳しい現実の中でもジョージが夢を語れたのは、相手がレニーだったからだろう。レニーはジョージの言うことを信じて素直に土地を手に入れるのを楽しみにしていて、否定的なことを言わない。それだけに、最後は切なかった。
    黒人の馬屋番のクルックスの部屋での会話が印象に残っている。
    「人間はあまり寂し過ぎると、病気になっちまう」(p.122)

    訳者解説で、タイトルの由来が知れたのも良かった。

  • 1930年代のカリフォルニアを舞台に、貧しい渡り労働者のジョージとレニーを主人公とした小説。あらすじだけ読んで労働者の悲哀を描いた作品かと思っていて、じっさい厳しい境遇は出てくるのだが、あまり労働そのものを描いた場面は登場せず、どちらかというと人間関係で苦労する様子が描かれる。結論もまた人間関係に起因するものである。レニーは読んでいてややもすれば肩入れをしたくなるような無垢な人物であることがわかっているので、その彼が殺されてしまうというこの結論は結構つらかった。「夢オチ」ではないかと期待してしまったほどである。しかし、(作中でそうとは明言されていないが)知的障碍を抱えているが無垢であるという一種のステレオタイプのような人物像は、いまの価値観でいうとどうであろうか。もちろん執筆当時の背景を無視して現在の価値観で断罪しようというつもりはない。ただ、やはりどこか受け容れがたい部分も感じてしまったのは事実である。あと、レニーはあまりにも怪力すぎないか? そこもちょっと気になってしまった。よい小説ではあるし心に響くものもあるのだが、やはり「古さ」も否めない。

  • 2023/12/16 読了
    最初は、読みづらい感があったけど、読み進めるとどんどん引き込まれていく。
    ジョージにとってもレニーがかけがえのない存在と分かっていくにつれ、ラストに向けての展開が悲しかった

  • 意味がわからない

  • 貧しい渡り労働者の悲哀と苦悩を描きながら、言葉に出来ない美しさがある傑作。

    簡素で平易な文体が、どこか懐かしさを感じる作品世界と合わさってたまらない。

    ページ数も少なめで読みやすいながらも、圧倒的な文学の力を感じられる1冊だ。

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