推理大戦 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065328316

作品紹介・あらすじ

日本のある富豪が発見したという「聖遺物」。世界的にも貴重なその「聖遺物」を手に入れるため、世界中のカトリックそして正教会は、威信と誇りをかけ「名探偵」を探し始めた。いったい、なぜ?それは、「聖遺物争奪」のために行われる、前代未聞の「推理ゲーム」に勝利するため。アメリカ、ウクライナ、日本、ブラジル――。選ばれた強者たちは、全員が全員、論理という武器だけでなく「特殊能力」を所有する超人的な名探偵ばかりだった。つまり、全員が最強。しかし勝者は、たったひとりだけ。つまり、真の名探偵も、たったひとり――。世界最強の名探偵は、誰だ?

感想・レビュー・書評

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  • さて2024年の私の1発目となるレビューは、『コミュ障探偵の地味すぎる事件簿』に続いて似鳥鶏さん読了2作目の『推理大戦』になりましたが、もう何でもありな作品でした(良い意味で)。

    2作品を通じて、注釈を使って笑わしに来るスタイルや小説を書くのがとても好きな方なんだろうなと、似鳥鶏さんらしさが伝わってきました。本作も「あとがき」や「文庫版あとがき」に共感したり笑ったりで、(あれ、何読んでたんだっけ?)と大事な「中身」をついつい忘れてしまいます。

    では忘れずに概要となります。

    名探偵と呼ぶに相応しい能力を備えた性別も年齢も人種も異なるメンバーが世界中から北海道に集結する。世界的にも歴史的にも貴重かも知れない聖遺物を手中に収めるため、世界各地から集まった名探偵たちは1つのゲームに参加するはずだったのだが、発見された1人の遺体は果たしてゲームなのか?と名探偵たちは各々の能力を活かした推理を披露するも迷走する。さて、この結末は誰の手に収まるのか…。

  • 似鳥鶏先生の長編小説。
    世界各国の特殊能力持ち名探偵が聖遺物を巡って推理合戦をしていく物語。
    半分くらいまでは各探偵達の能力・人柄などが短編形式で描かれている。彼らのキャラクター性の濃さがとても面白く、スピンオフをつくって欲しいレベルだと思いました。
    後半はそんな彼らが集結し、推理合戦を行っていくのだが、彼らが能力を駆使してそれぞれに探り合うところや推理し合っていく所がとても読んでいて面白かったです。
    探偵達が推理し合い、それでも真相からはほど遠い...という中で”ある人物”が明らかにした真相にはとても驚かされました。そしてその後の騙し合い合戦はまさに“大戦”だなと、最後もスッキリした終わり方でとても良かったです。

    最後に、この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    弘瀬廻/弘瀬愁:小林裕介
    大和:福山潤
    シャーロット・パウラ・ティンバーレイク:種崎敦美
    ボグダン・ユーリエヴィチ・コルニエンコ:石田彰
    高崎満里愛:佐倉綾音
    マテウス・リベイロ:村瀬歩
    胡笙鈴:佐藤聡美
    デニス・グリフィン:安元洋貴
    椎堂斗真:武内駿輔
    山川弁護士:西村知道

  • なかなかの大作だと思います。登場する名探偵たちを紹介する短編が前半部、終結して推理対決するのが後半部という構成。名探偵各人のキャラがしっかり立っていて、全員に感情移入してしまうため、後半で誰も負けてほしくないと思ってしまいます。
    この作品、凄まじく労力かかっているのではないでしょうか。名探偵一人ごとに1冊書けそうなアイデアと情報量です。それぞれを主人公にしたスピンオフがあってもいいかも。

  • -------------------------
    「推理」はいま、
    「競技」となった。

    最強探偵による、「推理ゲーム」世界大会!
    ほんタメ文学賞 2021たくみ部門(ミステリ)
    大賞受賞!
    -------------------------
    この帯通り、YouTube「ほんタメ」を見て、
    似鳥先生の作品を読みたいと思っていたら。
    文庫で発見して思わず手に取りました。

    講談社の文庫は最近ビニールをかけてくれていて、
    それが個人的には良いです。
    ページをぱらぱらめくることはできないけれど、
    その分とても良い状態で購入できるので、
    (角や表紙が傷ついてたりするととても悲しいので)
    個人的にはこのビニールが広がってほしいです。苦笑

    本書は、日本で発見された「聖遺物」争奪戦として、
    世界各地の名探偵たちが北海道に集います。

    さあこれからゲーム開始というところで起こる殺人事件。
    これはゲームなのか、それとも事件なのか。

    アメリカ、ウクライナ、日本、ブラジルの天才たちが集まり、天才対天才という構図。
    名探偵たちがそれぞれの推理を展開していきます。

    名探偵たる所以の特殊能力も漫画のようで、
    さらにブラジル代表の少年の過去や
    ウクライナ代表の性格、
    各探偵たちのキャラクターも良く、
    テンポよく最後まで読み切ることができました。

  • 序章/アメリカ合衆国 ーロサンゼルス郊外ー/
    ウクライナ ーキーウ中心部ー/
    日本国 ー東京都千代田区ー/
    ブラジル連邦共和国 ーサンパウロ・ピニェイロス地区ー/決戦 ー北海道上川郡筆尻村ー

    推理で競う。あるものを手に入れるために。
    自国の威信をかけて。

    時々の頭痛を何とか躱しながら、もういいやという気持ちを宥めながら、、、、、
    えっ!!! そうだったの?? ………

  • 各国を代表した名探偵による、「聖遺物」の争奪ゲーム。
    天才が集まって推理戦を繰り広げるという設定が面白かった。
    ミステリは苦手だけど、この本はエンタメとしてもすごく面白くて一気に読んだ。こう終わるのかー!と驚かされた。

  • 推理トリック物は自分の想像力不足で余り楽しめないんだけど、好きな作家さんなんで購入。
    前半は各探偵の活躍と特殊能力を発揮する前段。どの探偵も長編にしても面白そう。それが後半で競い合う。熱い。
    少しチート感はありつつも、最後は協力体制で締めるのも良かった。あんだけ盛り上げていて誰が一位と決めなかったも好きな展開。
    今後は対決はないかもしれないが、各探偵のスピンオフ物やってくれると嬉しい。

  • 面白そうで発売前から楽しみにしていました!
    どちらかというと特殊設定ミステリなのかな?

    誤解を恐れず言うと、ナンダコレ面白特殊ミステリです!
    (めっちゃ誉めてる)

    世界各国の特殊能力を元に推理する名探偵たちが聖遺物を奪うか!奪われるか!の推理ゲームに参戦!
    もう特殊能力って出てくる時点で特殊設定ミステリですよね。笑

    (※下でマルっとネタバレしてるのでご注意を)

    まずはページ割いて各々の能力紹介と参加動機から。
    作者による知ってれば吹き出す注釈付きです。笑
    ミステリで飛龍閃なんて言葉初めて見た!ジャンプか!るろ剣か!
    飛龍閃で人を殺すトリックなんか冗談でも出てくるの!笑
    (注釈つけると、トリックではなくて犯行方法検討しているときに出てきた一語です)
    もちろん全てこんな調子ではなく、各々個性が溢れています。
    ウクライナのあの方は思考が独特で、それが文章になるので読むのに苦労した。
    あんな3つくらい同時進行を文でされると、もちろんオーバークロックどころか頭の回転の遅い方としてはこんがらがります。でもあのスピード感とフォントの大小や太さで次々と繰り出されると、彼の思考の疑似体験はできると思う。
    お見事。

    本番推理ゲームに関しては…
    なんやねーん!それーー!(唐突な関西弁)
    笑っちまったよー!けど不思議と嫌悪感はなーいーー!

    だって起きた殺人事件が実は推理ゲームと関係ありませんでした。細工した犯人は多重人格でした。って!!!!
    なんじゃそりゃーーーーー!
    しかも聖遺物偽物かよーーーーー!
    (盛大なネタバレ)

    ミステリで最後に犯人は多重人格でしたっていうのが私の中では一番許せないポイントなんですが、これはなんじゃそら!で笑ってしまったわ!笑
    登場人物が個性的すぎてもうそんなの良くなっちゃったのかもしれない。

    本格の顔した面白ミステリなので一読の機会あればぜひ。




    @手持ち本

  • 大風呂敷を広げたわりには...

  • 面白かったです。
    みんな魅力的。

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著者プロフィール

1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選しデビュー。「市立高校」シリーズ、「戦力外捜査官」シリーズ、「楓ヶ丘動物園」シリーズなどの人気シリーズの他に『難事件カフェ』『迫りくる自分』『きみのために青く光る』『シャーロック・ホームズの不均衡』『レジまでの推理~本屋さんの名探偵~』『101教室』『彼女の色に届くまで』『100億人のヨリコさん』『名探偵誕生』『叙述トリック短編集』『そこにいるのに』『目を見て話せない』『生まれつきの花 警視庁花人犯罪対策班』などがある。

「2023年 『育休刑事 (諸事情により育休延長中)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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