- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065328774
作品紹介・あらすじ
**********************************上白石萌音さんが何度も読み返す、愛する一冊れいんさんの文章には体温があり、とても人間らしくて趣深い。言葉の楽しさが詰まっています。素直に、真っ直ぐに人を愛する姿にあこがれると同時に、身近にいる大切な人をより愛しく思えます。 ――「20歳の20冊」より**********************************全国の書店員から熱烈な支持!最注目の著者による、大反響エッセイ文庫化。人生はドラマではないが、シーンは急にくる。わたしたちはそれぞれに様々な人と、その人生ごとすれ違う。だから、花やうさぎや冷蔵庫やサメやスーパーボールの泳ぐ水族館のように毎日はおもしろい―― 。短歌、小説、絵本と幅広く活躍する著者が描く、「ともだち」との嘘みたいな本当の日々。大反響の傑作エッセイ!【文庫版あとがき収録】[目次]うたうおばけ/ミオ/アミ/まみちゃん/Sabotage/パソコンのひと/内線のひと/瞳さん/謎の塚澤/暗号のスズキくん/物理教師/回転寿司に来るたびに/雪はおいしい/一千万円分の不幸/八月の昼餉/イナダ/不要な金属/かわいいよね/冬の夜のタクシー/ロマンスカーの思い出/抜けないボクシンググローブ/からあげボーイズ/エリマキトカゲ/きぼうを見よう/秩父で野宿/うにの上/まつげ屋のギャル/桃とくらげ/ひとり占め/クロワッサン/終電二本前の雷鳴/白い鯨/バナナとビニニ/わたしVS(笑)/ふきちゃん/死んだおばあちゃんと死んでないおばあちゃん/喜怒哀楽寒海老帆立/山さん/あこがれの杯/あとがき/文庫版あとがき
感想・レビュー・書評
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読みやすいエッセイ。
こんなに日常を面白く書けるほどの日々が
自分にはあるだろうか、と思ってしまった。
でもどれだけ人から見たら小さなことでもこんなふうに
思い考え感じることができたら人生楽しいだろうなぁと
思うと憧れも生まれた。
なぜか読むと安心感が生まれるエッセイでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
好きな女優さんであるもねねんが何度も読み返す一冊だと紹介されていたので購入した一冊。普通の日常を文章に落とし込むのが一番難しいと思っているので、何気ない日常や友達との会話を面白おかしく書けるれいんさんの文章力凄いなと感心しまくり。言葉遊びが面白くて観察眼が鋭い人なんだろうなと感じ取れるエッセイだった。
れいんさんの周りには面白い思考を持っている人が集まっていると思った。特に友達との関係が魅力的だった。会話やフィクションのような過ごし方をしている姿に惹かれてしまった。また、あとがきも素敵だったので最後まで読んでほしい。
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〈特に好きだった話〉
・内線のひと
・回転寿司に来るたびに
〈好きだった話〉
・Sabotage
・瞳さん
・暗号のスズキくん
・物理教師
・冬の夜のタクシー
・からあげボーイズ -
考えてみると読む順番が悪かったのだろう。
先に「虎たま」「桃煮」を読んでしまったので、本作はれいんさん節がぽやぽやのおばけちゃんみたいで、可愛かったです。
「暗号のスズキくん」「きぼうを見よう」でキュンとなり、「エリマキトカゲ」「まつげ屋のギャル」でグフフとなりました。
これで「コヒ愛」が俄然楽しみになりました♪ -
劇的な事件なんてなくたって、毎日を見つめて解釈していけば、日常は特別なものになる、そんな気がしてくる一冊でした。
好きだったおはなし
・ミオ、白い鯨
→私も彼と別れたら儀式をやりたい。
幸せをより認識するために結婚式というものがあるが、そもそも幸せな時間がこの後も続くのだから逆に不要では?別れた時の儀式の方が次に進むために有意義なのでは?と。一般的には伝わらないかもしれない深い気づきを得た話。
・一千万円分の不幸
→めちゃめちゃ不合理。だけど前向きになるための合理的ロジック。だいすき。
・まつげ屋のギャル
→言葉のセンスおばけ。日常も切り取り方で特別なんだ。 -
ハードカバーで売ってた時からめちゃくちゃ気になってた本!
すっと自然に入ってきて、心がほわほわとあたたかくなる言葉たち。
私の何気ない日常も、表現次第で特別な1日になるのかも。言葉って、表現っていいな。と、より一層言葉や表現に憧れが募ります。
疲れた1日の終わりに優しく寄り添ってくれる、少しずつ大切に読んでいきたい、そんな本でした。 -
「人生はドラマではないが、シーンは急にくる。」という一文に魅了され、ずっと読もうと思っていたくどうれいんさんの『うたうおばけ』が文庫化!うれしい。表紙かわいい。
リアルな現実を生きるだけの私たちの人生は、人生なのでもちろんドラマではない。でも“シーン”は実際のところあるんだよな〜としみじみ思った。それは目にうつる世界が動く鮮やかでイノセントな一瞬。日常からドラマチックを切り取る手腕は、さすが歌人なのかもしれない。
くどうれいんさんの、かけがえのない宝物のような記憶を読ませてもらえた、というとても親密な気持ちになった。
FC2、Alfoo、Mobile Space、Blogger、Tumblr、はてなダイアリー、「ホムペ」の「リアル」。がっつり同世代、ああ、同じように電子の砂漠にのこしてきた私の無数の言葉たちよ。私の数多の眠れるシーンたちよ。
あのころに負けないくらいのきらめきを、見落とさないように生きたい今なのであった。 -
くどうれいんさんの周りには素敵な人がたくさん
読んでいて微笑ましい
日々の辛い出来事も人との繋がりで
柔らかな風にのって飛んでいきそう
言葉選びもとても素敵
昔大学で短歌の制作を選択
短歌を始めると何でもない風景に足を止める
と先生がおっしゃっていた
くどうれいんさんの日々の豊かさを感じた
言葉の選択を少しかえただけで
私達は楽しく豊かに過ごせるのかもしれない
表紙のイラストにもほっこり -
私は絶望してしまった。
教え子が薦めてくれた「桃を煮るひと」でくどうさんの言葉に出会った。すぐに「虎のたましい人魚の涙」「わたしを空腹にしないほうがいい」を自分で買って読んで、とうとう「うたうおばけ」。くどうさんのエッセイ集を読み終わってしまった。どれもとても好き。次のエッセイ集がまだないのが悲しい。
小説は、一夜漬けや、数日でわーっと書き切ることがもしかしたらできるのかもしれない。でも、エッセイは毎日を味わうことなしには生まれないのだ。私は、待つしかできない。
もし、文庫版か単行本か悩むのなら、(私は比べていないからずるいんだけど)文庫版を薦めたい。なぜなら、文庫版のあとがきがとてもいい。
次のエッセイ集を待つあいだに、くどうさんを見習って、私は私の毎日を豊かに見つめ、切り取りたいと思う。 -
何気なくすぎていく毎日が宝物のように愛おしく思えるエッセイです。
登場人物もみんな魅力的でユーモアがあってあたたかい。
生活は、死ぬまで続く長い実話。
ミドリの話がとくにお気に入り。
それから歌人とお酒,飲んでみたいなぁ。へんな話をずっと聞いていたい。
私は飼うなら灯台がいい。