#Z世代的価値観

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065329450

作品紹介・あらすじ

マーケティング用語じゃない。これはまったく新しい「世代論」絶望的な世界に生まれた“Z世代”が「愛」と「連帯」で価値観の革命を起こす!「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」受賞!メディア・SNSで話題騒然!『世界と私のA to Z』の著者による画期的エッセイお金、健康、人間関係、SNS、仕事――Z世代的価値観で分析する“私たちのいま”・「ホットガール」とセルフラブ・セラピーは心の必需品・「リアル&楽しい」食に夢中・エブエブ旋風の奇跡・さよなら「インフルエンサー」消費・つながりが広げる読書・ブランド価値より「今」の価値・「仕事≠人生」的な働き方

感想・レビュー・書評

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  • 連載「Z世代的価値観」とは何か? Vol.1 4つのトピックスから見る新たな事象 - TOKION(2020-11-13)
    https://tokion.jp/2020/11/13/what-are-gen-z-values-vol1/

    バズワードではない「Z世代」とは?「年齢」ではなく「価値観」から考える、画期的世代論(竹田 ダニエル) | 群像 | 講談社
    https://gendai.media/articles/-/116346

    『#Z世代的価値観』(竹田 ダニエル)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000380445

  • 時代の空気や価値観を鮮明に言語化していてめちゃくちゃ面白かったです。

    それ、しんどいよね。の前提が共有できる安心感がすごい。読んでよかった。

    永井玲衣さんとの対談はとくに刺さりました。

    「正解がないのに間違いだけが指摘される社会って、どれだけ苦しいんだろう」

    た、たしかに…。

    (と、思ってしまったこと自体にも少しむなしくなってしまったり。)

    そのほか、メンタルヘルスについて触れていて気になった部分を引用します。

    --

    この辛い社会に生きていて、精神的にダメージをうけない方が非現実的だ。メンタルヘルスの問題が全くない人なんていない、という前提を共有し、「自分と向き合おうという意思があるのはよいこと」「自分で治そう、助けを求めようとする姿勢は素敵」であると、社会全体が肯定的に捉えられるようになってきている。

    --

    自分の感情と向き合い内省する時間を持っていることや、専門家に定期的に相談することを、「ちゃんと自分を大切にしていてえらいね」とカジュアルに話せる空気がもっと浸透したらいいなと思った。

    ほかにも、インフルエンサー消費への嫌悪感から「#deinfluencing」(これ、SNSで話題だけど別に大した商品じゃないから無駄に買わないほうがいいよ)がトレンドになったとか、TikTokで書籍を紹介する「#BookTok」とか「#Japanuary」(日本文学を紹介するハッシュタグ)とか、興味深いムーブメントについて語られていました。

    おすすめです!

  • 竹田さんは、わたしがこれまで水面下で考えているだけだった数々の違和感を言語化してくれる人物で、前著『世界と私のA to Z』もとても良かった。ミレニアム世代より上の世代の人たちが読めば、自分の古い価値観をアップデートすることができる。もちろんZ世代が読んでも、物事の解像度が上がって良いと思う。マイノリティや環境保護、メンタルヘルス、読書、TikTok、脱資本主義などに興味があるひとにオススメ。『人新世の「資本論」』の斎藤幸平との対談もあり、一度で二度美味しかった。

    p199
    搾取されている現状を認めてしまったら、自分が弱者であることに向き合わなくてはならない。日本に貧困があるのも自己責任だ、というのとも繋がっていますよね。本来貧困はシステムのせいだし、もっと言えば資本主義の行き詰まりのせいでもある。

  • 他のZ世代本とは、立ち位置が違う。
    価値観の問題だし、ダニエルさんが理想と考える社会観、人間観の問題を扱っている。
    未来への希望の種は今ある、という本。

  • 読後、Z世代をひとことで表すことは難しく、さらに特徴を示す言葉は、誤解曲解を招くこともあると知るとなお、語るに難しいです。Z世代の価値観を知ることは、これまでに大人たちが壊してしまった社会にとって大切だったもので、再生を必要とするもの、それらの順番が見えてくるように感じました。

  • 何より刺さったのはこの部分。

    本を読むというブランディング、つまり読書好きであるということがファッションになっていることも問題になってくる。

    一冊の本をゆっくりと読んで、個人的に楽しむことよりも、競争のようにいかにたくさん「話題の本」を読んだかをシェアして自慢することが一般化してしまっているのだ。

    ぐぬぬ。

  • Bimboムーブメントの新しさは、男性中心的な「知性」の定義を覆すことによって自由になろうとしてる点。それゆえ、彼らは「おバカなギャル」を装う。エリート主義が根付くマイノリティ蔑視や階級主義に対する抗議を体現する。シス・ヘテロ男性中心的な社会によって決められた理不尽なルールへの絶望や共産主義の、重要性、そして「自由に生きたい」「私たちはイケてる」という叫び。男性中心社会の視点から決められたものがいかに陳腐なものかが理解された上で、改めてそのステレオタイプを皮肉的にとりいれている。社会への絶望を目の当たりして来たZ世代が、せめて可愛い格好して、自分たちを縛りつけている社会規範をぶち壊し、オルタナティブな「知性」をシェアすることで、人生を少しでも楽しもうとしている。

  •  いわゆるZ世代はもはや宇宙人みたいに見える世代だし、理解はできなくても知っておいた方がいいかな〜くらいの気持ちで読んでみたら、アメリカのZ世代と日本のZ世代はそもそも違うし、ひと世代遅れてこっちに来るから日本の該当世代はアメリカで言うところのミレニアム世代のマインドに似ている、とのこと。
     日本だけにいると他国の実態なんてほぼわからないので「アメリカは現実が明らかに「終わっている」から、ラディカルなアクションによって変化を起こさなければいけないという切実感がある」(149ページ)という一文に驚いた。日本も斜陽を感じてばかりだけどその陽が落ち切った国が存在してるならいくらでも研究して参考にすれば良いのでは……いや、してるんだと思いますが。今のアメリカのZ世代の問題が確実に十年後に来るって専門家の人たちにはわかってるんだなぁ。


     個人的に「消費活動」があまり好きではない。気に入ったものを見つけて長く傍に置きたい派なのもあるけれど、反面でファストなものを愛せない傾向にある。
     100円均一や300円均一は無印やフランフランのパクリばかりでデザイナーに対するリスペクトなんてないんだろうかと思うとあまり買う気になれないし、実際買っても愛着が湧かない。大切にできないし、捨てることにも罪悪感があるからやはりファストなものは好きじゃない。
    「日本には「ファストファッションを買って何が悪いの?」と考える人がまだたくさんいると思うけれど、アメリカだと、みんながファストファッションは環境にも人権の面でも問題があるとわかっている中で、それでも買う人は買う。」
    「なぜ悪いのか、それに至る問題の共有はできている。」(156ページ)
     というところに、じゃあこれからそうなっていくんだなぁと思った。どんどん貧しくなっていく中で、自分の気持ちも問題があることもわかっていて、それでも選択肢がなくなるのはつらいな。


     あと、大事なことだと思ったのでセンテンスごと引用させて頂きます。
    「文化の盗用の話も何がいけないのかわからない。さらに、その「わからない」が苛立ちや怒りの感情に変わって、「文化の盗用なんて言っているやつらはうるさい」とか、知りたくもないし考えたくもないという態度を取る。でも、考えたくないというのは、自分の楽しめるものが減るということなんですよ。価値観は変わりうるものだし、音楽が新しいことを教えてくれるというという考えをもてば、もっと楽しめると思うんです」
    (177ページ)

     わからないことに対して興味を持つことと怒りを持つことが私もあって、後者の時は大抵「他人」が絡んでいる。大衆はわかっているのに私は理解できなくて、私をおいて物事が動いていると感じる時に焦りと怒りが湧くことが多い。前者は他人の存在がなくて、物事と私だけの一対一なので興味を持って疑問に挑める。

     ケアに必要なのは他者の気配なのでは、という定義が文中にあって(私は「連帯」が好きではないけど」確かに連帯は強力なケアだなと思う。一人じゃないことはパワーになる。でも、そこに注力しすぎると他者の気配にものすごく振り回されてしまうので、やはり私の次の学びは「バウンダリー」なんだなと思った。

  • この本が何かで紹介されていて、なぜだか気になった。
    「若者の対応に困っている」なんてことはないのだけど。
    もしかしたら、対比して自分がどんな人間かを把握したいのかもしれない。

    アメリカのZ世代に関する本。
    日本の「ゆとり」みたいなレッテルの話ではない。
    同じ世代に生まれ育てば、同じような社会の影響を受けるから、世代の傾向を把握するのに役立つよね、という感じ。

    この本によると、Z世代は不景気やコロナによって、未来への希望を抱けないという。
    全体としてはどうにもならないから、せめて個人でハッピーになろうという行動を取るらしい。

    言われてみれば、若い人からはそんな印象を受ける気がする。
    でも、自分も昔は個人でハッピーを目指してた気がする。
    仕事でできることが少ないから、腐りがちで「せめてプライベートを楽しむぜ」という心持ち。
    社会の背景なのか、人生経験なのか。

    もっと上の世代の人たちって、どうだったんだろう。
    プライベートを楽しむ余裕がなかったのかもしれない。
    それなら、仕事の中で存在意義を見出すしかないか。
    若いころ趣味に走ったのは、その世代を見た反動なのかもしれない。

    ずーっと、何かから何かへの過渡期なんだろうな。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/792544

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著者プロフィール

1997年生まれ、カリフォルニア州出身、在住。そのリアルな発言と視点が注目され、あらゆるメディアに抜擢されているZ世代の新星ライター。「カルチャー ×アイデンティティ×社会」をテーマに執筆。「音楽と社会」を結びつける活動を行い、日本と海外のアーティストを繋げるエージェントとしても活躍。初の著書となる本書は、文芸誌「群像」での連載中からSNSを中心に大きな話題を呼んだ。

「2022年 『世界と私のAtоZ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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