さよならミイラ男

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 73
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065337783

感想・レビュー・書評

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  • 4.5年。いじめられっ子の主人公は、学校の教材室でミイラ男に出会う。家庭環境や友達関係の心の苦しさや我慢に、同調するようにうめくミイラの声。親しみと共に彼の存在の謎に近づき、自分を知っていく。表紙の暗さはいつもながら、児童の手にとりにくさがある。少し重たいテーマだが、ミイラの謎に迫ることで好奇心が膨らむところがよい。

  • きれいごとじゃなくてリアルに迫っててよかった。酷すぎるとか読んでてつらいとかそんな感想を目にしてたのでどれほどかと思ってたけど、これのどこがと思った。現実はもっとひどいから。ミイラ男が暗示しているものは案外ルッキズムだったりして。あの嫌なやつと沖縄の人は運命の裏表だったりして。いろいろ深読みできるのもよかった。

  • ネグレクトされている六年生の話。工藤さん、すごい。こんなにしっかりした人、大人でもなかなかいないかも。アキトもお母さんも幸せになれますように。

  • 最悪な状況のなかで救いになるのがミイラ男であることが、この作品の一番の特色です。傷ついた人の心の支えになるのは光り輝く美しいものではなく、醜くグロテスクなものであることもあるということ。その暗い側面に向きあったことが、読者の子どもにとっても救いになりそうです。信頼できる書評家yamada5さんの感想より。なるほど。

  • 電子じゃなく紙本で。胸にささった。リアル小学生はどう読むのだろう。ミイラ男のなぞがわかるシーンではかなり震えた。ラストの爽快さにすごく納得。

  • 野間児童文芸賞受賞後の作品。前作とはちがう雰囲気にとまどったが、読み出すと一気にひきこまれた。シビアな展開だけど、自分の同級生もこんな感じだったし、決して特別なことではないと思う。強く印象に残ったのはミイラ男の詳細でリアルな描写、そして、中盤の黒板絵のシーン。いじめがそこで大逆転したので正直ほっとした。それにラスト近くで主人公のアキトがはじめて涙を流すシーン。さすがにもらい泣きしてしまった。子どもは大人以上にタフで未来に希望を抱くことができる。頑張れ、アキト! と心から願った。

  • この作者の先生、というので漠然と期待していたものとは少し外れた出力の作品が出てきたな、という印象でした。別に悪くはなかったけど、スレはてた大人なので「ジャンププラスの読み切りでまあまあ見るやつ」みたいな感想になってしまった。YAではあんまりない方向性なのかな。

  • 小6男の子
    母子家庭で、お風呂に入ることもご飯に食べることも厳しく、学校ではからかいの標的にされている
    ある日、誰も使われていない教材室に入りミイラ男と遭遇する

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著者プロフィール

長崎県の特別支援学校勤務。『この素晴らしき世界に生まれて』(小峰書店)で、日本児童文学者協会長編児童文学新人賞受賞。
『熱風』で、第48回講談社児童文学新人賞佳作受賞。
『ひみつ』(講談社)が第50回野間児童文芸賞最終候補作に、
『ふたり』(講談社)が2014年青少年読書感想文全国コンクール課題図書に、
『幽霊魚』(講談社)が2016年読書感想画中央コンクール指定図書に、
『香菜とななつの秘密』が厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財に選ばれる。
『たぶんみんなは知らないこと』で第60回野間児童文芸賞を受賞。
その他、『おなべの妖精一家シリーズ1.2』『おはなしSDGs 人や不平等をなくそう 明日香さんは負けない』(講談社)など





「2022年 『たぶんみんなは知らないこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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