御社のチャラ男 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065338230

作品紹介・あらすじ

コロナ禍直前の2020年初頭に刊行され、各紙誌書評で絶賛された著者の“会社員”小説史上最高傑作ともいえる『御社のチャラ男』が、ついに文庫化!チャラ男って本当にどこにでもいるんです。一定の確率で必ず。すべての働くひとに贈る、新世紀最高“会社員”小説社内でひそかにチャラ男と呼ばれる三芳部長。彼のまわりの人びとが彼を語ることで見えてくる、この世界と私たちの「現実(いま)」。チャラ男はなぜ、あまねく存在するのか? 憎らしく、愛おしいのか?

感想・レビュー・書評

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  • これはお仕事小説じゃなく会社員小説というのが納得!

    お仕事小説は読むと自分も頑張ろうと思えるが
    これはそうではない。
    この小説は出てくる人達が特徴的で
    妙にリアルに読めるからちょっと苦しくもなる。

  • 「会社員」小説史上最高傑作の帯に惹かれ、つい買ってしまった・・・
    「チャラ男」と呼ばれる三芳部長の周囲の人物の視点から描かれる作品。
    三芳自体、確かに好かれる性格ではないのは理解出来るのだが、登場人物全員がどこか鼻につく。
    9割が自己愛が強く、そんな人物が人を悪く言うのを延々と読んでいるのは、ただただ疲れる。
    まぁ、こんな会社員の集まりの会社なんて、結果そうなるよなぁ、と思いつつ、最後まで読んだけど、間違いなく「最高傑作」ではないと思う。
    コロナ直前に書評で大絶賛されたとのことだが、正直文庫化されるまで全く存在を知らなかった。
    唯一心を病んでしまう女性社員の病むまでの過程だけが共感できたかも。

  • 御社のチャラ男 これもタイトル買い。
    御社のチャラ男て(笑)
    チャラ男の定義が少し自分が思ってるものと違ったけど、どこにでも居るらしい。
    初読み作家さんだったけど刺さる言葉がけっこうあったな。

  • 群像劇……とひとことでいってしまうのも野暮なくらい、巧い小説。
    章と章が緊密に構築されているのに、息苦しくない。
    キーパーソンが時々程よいところに挟まることで、宝石を別角度から覗いたときのように見え方が変わる。
    そのため単なるあるある小説ではなくなっている。
    チャラ男はいるし、誰しもある程度チャラ男の部分があるし、ジェネレーションギャップもジェンダーギャップも織り込まれた有象無象……会社員。

    それがどうした。
    は使っていきたい。

  • うーむ

    もっと笑える小説かと思っていた。

    チャラ男さんも、
    想像していたより年上。
    そして、この程度と思ってしまう。

    また、チャラ男さんに絡めて、
    それぞれの登場人物の生き様(?)を描き、
    どや、どれかに当てはまるやろ
    と上から言われているようで、
    あまり好きではない。

    連載時期がもう少し遅ければ、
    「御社のくさたお」は、
    全然違う話になったかもね。

  • お仕事小説ではない。ギャグ満載の軽い小説でもない。組織に集うさまざまな個人の心理と相互関係を描いて、面に敷き並べたという感じを受けた。それぞれに過去や、生傷や、妄想や、漠然とした憧れを持って生きる普通の人間であり、彼らが企業や社会を動かしている。

  • 面白かった。叙述トリックのような終盤が特に良いです。

    恐らく自身の欠点・短所を客観的に認識できているのは"チャラ男"三芳部長、"窃盗癖"山田さん。しかし、周囲から二人の言われようときたら散々。
    自分のことを"正しく"認識できているからと言って、それが社会的・人格的その他にとって"正しく"機能し反映されるかと言うと、そんなことはないんだよなあ…と、身につまされました。
    そして、誰かから見れば評価は低かったり悪かったり、高かったり良かったり。また誰かから見れば違う評価や印象になる。
    なんて恐ろしくも可笑しいんだろう。
    人間ってどうしようもなく、関係性の中で生きているのだなあ。
    では個人の本性とはどこにあるのか、ないのか。
    まあ、ないのかもしれないですね。
    皆まやかしの「本性」に囚われ生きているのかな。そんなもの知るかと生きていたチャラ男も、遂には囚われてしまったことだし。

    主観と客観、認知の差異を探偵のように詳らかにしていく絲山さんの表現が凄かったです。
    社内の人びとの相関図の描き方、展開の仕方とか。
    こんなふうに書けるのか〜!と思いました。

  • ある会社のチャラ男(部長)の周辺の人々のことをその人たちの視点から変わるがわる描いた作品。
    タイトルで読みたい!と思った作品だが、思っていたのと違った。全体的にうーん、という感じでした。

  • 「ちょ~り~すっ」的なチャラ男(古っ)のお仕事小説ではなかった。
    もっと根本的にいい加減な部分を、それをチャラチャラしてるとしてのチャラ男である三芳部長についてを周りの人達が自分の生き様と社会に対する不満とか差別とか思想を交えながら語っていきます。
    誰?これ??と思う様な人が突然語りだし、途中であぁそういう関係ね。となったりもします。
    読むのやめようと思いながら、なんだかんだの読了です。

  • 感想
    年を重ねても見つける。でも彼らの明るさに救われることもある。うるさいだけのこともある。自分には持っていないものがある。なりたくはない。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞を受賞しデビュー。「袋小路の男」で川端賞、『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、「沖で待つ」で芥川賞、『薄情』で谷崎賞を受賞。

「2023年 『ばかもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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