恋のドレスは開幕のベルを鳴らして ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ) (コバルト文庫)
- 集英社 (2006年3月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086007566
作品紹介・あらすじ
仕立屋『薔薇色』の店主クリスは内気な少女。着る人の心をドレスに映し出すことができるが、自分の恋には臆病で…。再起を賭ける女優マーガレット・ベルの舞台衣装を仕立てることになったクリスだが、心の闇を引き出す「闇のドレス」の存在に怯える。クリスに思いを寄せる公爵の令息・シャーロックは彼女をそっと見守るが、華やかな舞台の裏では事件の兆しが!大好評ヴィクトリア朝ロマン。
感想・レビュー・書評
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まずい…。前巻を読んでから結構な日が経ってたようで…。
びみょうなところ(と、いうか、ストーリー上大事なところ)を、ほぼ忘れてる…。(;^ω^)
クリスとパメラの関係とか、クリスとシャーロックのモジモジキュンは覚えてるんやけど、
「アイリス? 誰やっけ?」
と、なった。そこを忘れたらあかんやろう。
でも、作中でアイリスがどういう経歴の持ち主で、どういう思考にはまっているのかを語ってくれたので、
「ああー…」
と、思い出せた。
これを読む限りでは、アイリスがまったくの悪人には思えないのだけど…。
リコを「弄んだ」のが、貴族の女性方というのがなんともいえない。女性たちというのが余計生々しくて、なんちゅうか…。
先日読んだビブリアでも、シェイクスピア(に限らず昔)の劇はかつて男性だけで上演していた、と、いう話を読んだのだけど、同性同士であれこれやるのって、なんやろうね、排他的というか…。非生産的というか…。
きらいではない。
むしろ好き。私も女性同士で何くれとやるほうが、楽やし話が早いしええねんよ。
ええねんけど、……。
BLだって大好物やしね、ええねんけど、なんちゅうか排他的な感じがエロいんかなあ、と、思った…。
うまくいえへんけど…。
さて、そんなこんなで「薔薇色」を取り巻く相関図を思い出しつつ読みました。
面白かった。
クリスも一歩間違えたらアイリスと同じように闇へ行ってしまうタイプやんね。
「こちらがわ」にいるのは、今まではパメラがいるからやけど、シャーロックが現れたことによってバランスが崩れたことが、この先吉と出るか、凶と出るか…。
忘れないうちに続きをリクエストしまっす。
しかし著者は、「これは経費では落ちません」を、読んで出会ったのだけど(最近続編が出てるよね)、あの小説の文章と印象が全然違う…。
宮木あや子氏とか、宮部みゆき氏とか、こうやってガラリと作風をかえはる方って、すごいねー。
逆に何を書いても
「うん、高村薫氏」
ってなるような作家さんもすごいと思うけど。(;^ω^)
それにしてもヴィクトリア調ロマン。
世界観が、いいわあ…。すてきすぎるわ。憧れるよね。
一人でマーガレットの舞台を見に行ったクリスに、パメラが持たしてくれたもののひとつに
「水と気つけのブランデー」
やったのだけど、この「気つけのブランデー」って、この時代のヨーロッパの小説にはよく登場するけど(たぶん)、ようはアルコールを摂取してちょっと気を大きくしたり、ハイになったりしようっていう魂胆なのか、と、初めて思った(ええ?!)(今!?)。
なんちゅうか、ざっくりした対処方法やな。
(フォーティーズの現在、「それは一番やる気がでる方法やな」と、思うけど)
ほんで、「この時代」って、若い女性が脚本を書いたと知られると劇場に足を運ばなくなるかもしれないような時代。
日本は昔から男尊女卑が云々っていうけど、ヨーロッパのほうでも、わりとそういう風潮もあるような気がする…?
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■マチネ
昼の公演のこと。フランス語で「午前中」の意。
■クリノリン
スカートを丸く大きく膨らませるために考案された枠状の下着、または、スカートのこと。 1850年代のナポレオン時代に流行した。流行が進むにつれてその大きさは、どんどん膨らんでいったと言われている。
■タフタ
つやのある薄い絹織物。婦人服・リボンなどにする。
(2017.07.06)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ2作目。
再起をかける舞台女優の衣装を手がけることになったクリス。
闇のドレスも出てきて、一体どうなるのか?
といった感じでしょうか。
やっぱりドレスの描写が可憐で可愛いですね~ -
闇のドレスと、それぞれの心の問題が中途半端になってる感じがする…。複雑に絡み合ってると思えばいいのかな。
アイリスさんは見境がなくなっちゃってるのね。それも闇のドレスのせいなの? -
シリーズ2
舞台女優の衣装を頼まれたクリス -
思っていた話ではなかった、とマイが借りてきていて放置だったのを読み始めました。
人の心のいいところを引き出すことのできるドレスを作る内気な女の子と、反対に悪いところを増幅させるようなドレスを使って、貴族に復習しようとする女の子。
ドレスの細かい説明は分かりませんが、どのように続いていくのかは興味があります。 -
途中までのマーガレットの憑かれたような言動、キーラーの軽薄っぷりが華やかな世界って怖いというか人間って怖い。
闇のドレスはマーガレットが着ていると思い込んでいたのでカレンだと判明した際、「ああああんたかい!」とびっくりしましたが闇の心を脚本にぶつけるっていうのは発想がすごいわ。
最終的にハッピーエンドに修正して舞台は大成功しましたが、カレンよキーラーはやめとけ。
キーラーを捨てれば脚本家としても成功できるし、マーガレットが母親になって私生活も万々歳だと思うんですが。
浮気癖はそんなに簡単に治らないぜ。
アイリスはもう何でも屋になったほうがいいと思う。 -
BOOKLIVE版で。
女優の舞台でのドレスを作ることに。
2作目らしいお話でした。
いかにも闇のドレスっぽいのがそうでなくて……とか。
誰しも心に闇を抱えているもの。主人公のクリスも、女優のマーガレットも、俳優でちゃらんぽらん?なキースも、脚本家のカリナも、もちろん闇に心を落としたアイリスも。
スターウォーズのダークサイドのように。愛する人(異性だけでなく、親兄弟なども)を想って、闇に堕ちてしまう。そのへんを描くことで、キャラクターに深みが出、ドラマが始まる。
監督のピーターさんはいい人だったな。
シャーロックのいとこのフリルちゃんも。おかげで、緩急がついてるというか、微笑ましくて、場が明るくなってました。
いろんな人のいろんな思惑が描かれてて、多視点ならではの緊迫感もあって(クリスやマーガレットが気を失ってその間に……とか、幕間に楽屋前をウロウロするキースとか)よかったです。
自作の参考にとちょいと読み出したものだけど、書くまでや書いてる間に、読破しそうな勢い。まあコバルトの人気シリーズなので、読んで損はないどころか、勉強になるので、読んでみようかな。 -
お話の展開は悪くないのですが、お仕事系小説として読むには物足りない。
しかし2巻から読んでしまったので1巻は読むよ…この続きはそれ次第で決めよう。 -
ローズテーラー2作目。
シャーロックとクリスの想いの行方が気になるところ。
少しずつ近づいている様子が、もどかしくも嬉しい感じ。
恋を叶えるドレスと、闇のドレスの対比も面白い。
次へ次へとガンガン読み進みたいところだ。
人の心の光と闇。誰もが両方持っているが、それを選ぶのは自分自身だ。 -
とある舞台に再起をかける女優にドレスを作るお話。ここでも闇のドレスの存在がちらほら。
そしてクリスがドレス着てるー!