- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086014298
作品紹介・あらすじ
後宮に暮らす、ルウシェと蘭朱は親友同士。まだ一度も王から声がかかったことのないふたりは、ほかの妃妾たちから蔑まれていた。ある時、ふたりは不思議な鏡を拾う。美しい青年に姿を変えたその鏡は、「願いと同じ重さの命を対価に、どんな願いも叶える」と誘ってきた。そして、ある事件をきっかけに、ふたりは思いがけない運命に巻き込まれていく…!魔鏡をめぐる中華ファンタジー。
感想・レビュー・書評
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手堅く作られた女の子の友情物語。設定だけでご飯3杯行けそうな上手さなんですが、微妙に文章に勢いがないというか求心力がないというか?あとひと味何か加わってたら、傑作な気がするのになぁ。
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前回の説明文状態がややなくなった今回。
読みやすかったし、面白かったし、どろどろ女の戦い…w
ヒロイン友情もの、なので、色恋沙汰(?)なし。
相手を想い、相手を支え支えられ、よい友人関係です。
が、確かにこういう状態になった場合、命をささげられるかといえば
…どうなのでしょう?
その瞬間こと切れるかもしれませんし、そう思うと
色々準備をしてから…とか思わずにはいられません。
望むものがあったからこそ、権力にも何にも屈せず
そのままでいられた心。
望むものは一緒。
けれど道を別れた自分達。
自分で選んだ道と、放り込まれた道。
幸せは、探して掴まないと、当然どこにもありません。 -
7月の新刊、ゆ8-2、251P、520円。
デビュー作につづく、鏡シリーズの二冊目。
この成長、す、すばらしすぎる!!!
ノベル受賞作→文庫デビュー作→今作。
この間にどんどん進化し成長している作家さんは本当に素晴らしいです。
持ち味の切ない恋心、人と人の思いやり、自己犠牲、美しい世界観がとても生かされていました。
キャラクターの心のあやを描くのがとてもお上手ですね。萌えありきの二次元キャラじゃなくて、血の通った人の心です。
何より力のある物語は読み応えがあります。
気になる抽象的な文章はぐっと減って読みやすくなっています。
選評で書かれていた弱点の「人の醜さをしっかり描く」ことはばっちりできていて、それが物語に深みを与えています(!)。
だんだん完成されていくその過程を見られるのは嬉しい限り。
女の子二人のダブルヒロインというのは、ノーマルカプのラノベではかなり珍しいですが、友情をうまく描けているので、今作の大きなウリの一つですね。変わっているから、とても個性的。
SATCでもそうだけど、女の子は本来、女の子同士の友情をとても大切にするもの。今までこういった作品がなかったのが不思議なくらいです。そこに着目してるところもすごい。
白いお花と赤い千日紅、孤蝶の園と蝶の籠、二つの鏡、玉で飾られる妃などモチーフもとてもいいし。
ネタばれになりますが、蘭朱が牢獄に入れられたときにルウシェが助け出すところなんて、ほんと上手い。再びのモチーフだし、女の子二人の思いがよく出てる。
孤独な王を助けたいと思う蘭朱、傷ついたルウシェを助けたいと思う夫の魏江連という対比もいいし。
脇役の三玉妃もストーリーに深みを与えてます。セリフのない王太子も。
ほんと、この人上手いわー。ずっと追いかけていきたい作家さんです。 -
蘭朱が飛び降りる場面から物語の終焉までが特にすきでした。美しい空のグラデーションと儚く散っていく蘭朱、爽やかな夏風景の中に家族と共に生きていくルウシェの映像が思い浮かばれて印象的でした。