霧の都の恋人たち 〜貴婦人の恋は珈琲の香り〜 (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
3.20
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本棚登録 : 63
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086017008

作品紹介・あらすじ

裕福な地主の娘でありながら職業婦人に憧れ、看護婦になったアデライド。有能だが不器用な性格で友達がいないため、イギリス滞在中のエスニア公国の公子・クリスティアンが極秘入院する特別室の担当をまかされる。安静にしていなければいけないのに、夜会へ出席したがるクリスティアンにアデライドは反発を覚える。しかし、彼が夜会にこだわる本当の理由を知り…。

感想・レビュー・書評

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  • 最後がしっかりハッピーエンドなら☆4だったのですが、個人的には完全燃焼する前に終わった感じです。

  • 公子としての義務として、自国の国民のために夜会に出席しなければならない彼。
    そんな彼を次第に理解し、惹かれる彼女。
    病院を抜け出した彼をサポートする前半と、留学した彼との再会と恋と職業で揺れる物語。
    職業に対しての真摯に向き合う姿勢とは何か考える彼女。
    そんな彼女と、あまりにも身分の違うクリスティアンとの未来はあるのか‥?

    ラストは地味で、物足りないと感じつつ、地に足のついた雰囲気は嫌いではない。未来が見えてこない終わり方だったので、続刊欲しい。

    その当時の音楽家の話やら、コーヒーの話やら、看護の衛生問題やら細か過ぎで、レポートかよと突っ込みつつ、そんなうんちくが楽しい。
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-2804.html

  • 主人公が少女小説にしては地に足ついてて好印象。小田さんの硬めの文章も私好みでした。
    アデライトが階級社会への疑問と固定観念の間で悩むところとか、当時の医療事情なんかがしっかり書き込まれてておもしろかった。クリスティアンとの会話が知的なぶん、ときどき挟まる年相応のやりとりも可愛かったです。
    ここで終わらせないで、ぜひ続きを...!

  • 小田菜摘さんの新作。読み切りかと思ったらシリーズっぽいです。

    時代的には19世紀で、女性が働くことにまだまだ偏見のある時代に看護婦になったアデライトとイギリスに滞在中のエスニアの公子クリスティアンのお話。

    最初は反発していた二人がだんだん惹かれるようになり、そうなると身分の違いが壁になってくるんですけど、最後には別れがあると諦めていたアデライトも前向きに方法を探すクリスティアンの影響を受けて、前向きに考えるようになったみたいです。

    今後いろんな障害が出てくると思いますけど、最後はやっぱりハッピーエンドで終わって欲しいから、アデライトには看護婦を選ぶのではなく、エスニアに行って、クリスティアンの王妃として医療の発展に尽くすってのを期待してます。

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著者プロフィール

埼玉県出身、佐賀県在住。「平安あや解き草紙」「なりゆき斎王の入内」シリーズをはじめ、数々の人気シリーズを執筆。その他の作品に『西陣あんてぃく着物取引帖』『お師匠さまは、天神様』『後宮の薬師』『掌侍・大江コウ子の宮中事件簿』などがある。

「2023年 『華は天命を診る 莉国後宮女医伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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