英国マザーグース物語 花咲けるきみと永久の歌 (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086017381

作品紹介・あらすじ

クリストファーが「ロンドンで最後のゲームを始める」と宣言。止めなければ国は戦争に巻き込まれ、セシルの命も危ういことを知ったジュリアン。そんな中、再び顔をあわせたジュリアンとセシルは……。

感想・レビュー・書評

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  • 最終巻ということで、前巻が気持ちが盛り上がっていたので
    どうだろうと思ってましたが、今までの印象と同じに戻ってました。

    出てくる人たちは皆ハッピーエンドというわけではないのに、
    いい人のように最後が描かれているため、もやもやしてしまう。

    クリストファーもセシルを助けるのに、その後何も
    言及されず、話す事もなく終わってしまうし、
    リースはさらっと亡くなってしまうし・・・。

    何よりジェフリーが謎を解いてしまう、なんて
    今まで少しも頭がいいふりなしなのに。。。

    一番かわいそうなのは、ダニエル。
    なんもしてない。。っていう。

    総評として

    あれ?エリザベスさんあんまり活躍してないよね?
    キャラクター紹介にいるのエリザベスより、ジェフリー&サミー兄弟の
    方が良かったのでは?
    出来れば、そういう細かいところも楽しませて欲しかった。

    5巻くらい感情の起伏が見えるくりしないと
    盛り上がりにかけるように思う。
    事件と一緒に気持ちも上げ下げして頂きたかった。

  • 前巻がかなり気になるところで終わったので、すごく楽しみにしてました。(発売日の前日にうっかり本屋3軒ハシゴするくらい)(もちろん発売日前なので入手できず)
    シリアスな空気は、一転していつものミステリーに。まさか冒頭すぐにセシルの無事が描かれるとは。ほっとした反面、少し物足りない感が

    リーズとの謎かけ対決もいよいよクライマックス。謎かけは相変わらず面白いのですが、前巻からの期待が大きすぎました(苦笑)

    とにもかくにもハッピーエンドでなにより。セシルとジュリアンのその後の話も読んでみたいですね。

  • 最終巻だが書きたいこと詰め込みすぎでいまひとつな出来ばえ
    ここまで引っ張っただけの2人の関係を
    お互い咀嚼するには相当分量必要はもちろんだけれど
    それでも会話で饒舌に説明しすぎではなかろうか
    2人のキャタクタでもないと思うし
    だらだら引き延ばさなかったのは良いけれど
    もっと家族や友人の介在あって良いと思う
    加えて事件の幕引きをつける部分が
    その2人の関係とは分離してしまってちぐはぐな印象
    今巻だけなら残念な出来と思うが
    シリーズ全体を通しては
    いかにも少女小説らしい恋と謎と冒険と時代の雰囲気とが
    端整丁寧かつ現在的にまとまった良い作品だった

  • マザーグースを主題としたミステリラブコメシリーズ完結。最後の巻よりは、その前の巻のほうが盛り上がったけれど、二人の「うそつきたち」のシリーズとしてはとても一貫していてよかったです。
    兄弟ものとしてもラスト近くのヒーロー兄がいい味出していてよかった。脇キャラもいいよな……このシリーズ。ヒロインの「あなたと生きられないなら死ぬ」的発言はいただけないなーと思ったけれど(たぶん、彼女はそんなことなくてちゃんと生きていくと思います)、その他はとてもよい少女小説でした。少女小説(特にミステリ好き)ならおすすめです。

  • セシルが自らに向け銃を撃った、その時、救出に駆けつけたジュリアンの従者の機転によって彼女の身は守られ、女王暗殺も未遂に終わったー
    だが、クリストファーは「ロンドンで最後のゲームをする」そう宣言し去ってしまう。
    やがてロンドンの街で、マザーグースの歌になぞらえた、ある特徴が刻まれた遺体が次々と発見され――
    再びパートナーとなったセシルとジュリアンはクリストファーの犯行を止めることができるのか……シリーズ完結編!

    大事だった割にヒロインは軽傷(痛いけど!まったく命にはかかわらないし)だし、なんかあっさり仲直りしちゃった‐
    どこの従者も有能だね!

    パノラマ館、面白そう‐
    特にナイルの川下りのなんて、現代でもそれなりに人気でそうなんだけどな‐

    ほんわかエンディングで良かったけど。
    ジュリアンとセシルの結婚式に(たぶんちょっとフラグたってたと思う)長男と幼馴染・次男と社交界の華がくっついて大団円~みたいなのを予想してたから…なんか華やかさに欠ける気がして。

    このカップルにはお似合いな、あたたかな日常で締めなのかな‐

  • こむぎばたけをあるいていたら
    おいしそうなものを ひろった
    さかなでも とりでも にくでも ほねでもない
    それをわたしはとっておいた
    ひとりでにうごきだすまで
    As I was walking in a field of wheat,
    I picked up something good to eat;
    Neither fish, flesh, fowl, nor bone,
    I kept it till it ran alone.
    *
    だれがこまどりころしたの
    それはわたしとすずめがいった
    わたしのゆみやで わたしがころした
    Who killed Cock Robin?
    I, said the Sparrow,
    With my bow and arrow,
    I killed Cock Robin.
    だれがこまどりしぬのをみたの
    それはわたしとはえがいった
    わたしがこのめで しぬのをみた
    Who saw him die?
    I, said the Fly,
    With my little eye,
    I saw him die.
    だれがそのちをうけたの
    それはわたしとさかながいった
    ちいさなさらで わたしがうけた
    Who caught his blood?
    I, said the Fish,
    With my little dish,
    I caught his blood.
    だれがしにしょうぞくをつくるの
    それはわたしとかぶとむしがいった
    はりといとで わたしがつくろう
    Who'll make his shroud?
    I, said the Beetle,
    With my thread and needle,
    I'll make the shroud.
    だれがおはかをつくるの
    それはわたしとふくろうがいった
    すきとシャベルで わたしがほろう
    Who'll dig his grave?
    I, said the Owl,
    With my pick and shovel,
    I'll dig his grave.
    だれがぼくしになるの
    それはわたしとからすがいった
    わたしのせいしょで わたしがいのろう
    Who'll be the parson?
    I, said the Rook,
    With my little book,
    I'll be the parson.
    だれがおつきをしてくれるの
    それはわたしとひばりがいった
    もしくらくなかったら わたしがおつきになろう
    Who'll be the clerk?
    I, said the Lark,
    If it's not in the dark,
    I'll be the clerk.
    だれがたいまつをもつの
    それはわたしとべにすずめがいった
    すぐさまてにいれ わたしがもとう
    Who'll carry the link?
    I, said the Linnet,
    I'll fetch it in a minute,
    I'll carry the link.
    だれがおくやみをうけるの
    それはわたしとはとがいった
    あいゆえかなしみにしずむ わたしがおくやみうけよう
    Who'll be the chief mourner?
    I, said the Dove,
    I mourn for my love,
    I'll be chief mourner.
    だれがひつぎをはこぶの
    それはわたしととんびがいった
    もしもよみちでないのなら わたしがひつぎをはこぼう
    Who'll carry the coffin?
    I, said the Kite,
    If it's not though the night,
    I'll carry the coffin.
    だれがおおいをささげもつの
    それはわたしとみそさざいがいった
    わたしたちふうふが おおいをもとう
    Who'll bear the pall,
    We, said the Wren,
    Both the cock and the hen,
    We'll bear the pall.
    だれがさんびかをうたうの
    それはわたしとつぐみがいった
    わたしがうたうと こえだのうえからいった
    Who'll sing a psalm?
    I, said the Thrush,
    As she sat on a bush,
    I'll sing a psalm.
    だれがかねをつくの
    それはわたしとおうしがいった
    ちからもちのわたしが かねをつこう
    Who'll toll the bell?
    I, said the Bull,
    Because I can pull,
    I'll toll the bell.
    かわいそうなこまどりのため
    なりわたるかねをきいたとき
    そらのことりはいちわのこらず ためいきついてすすりないた
    All the birds of the air
    Fell a-sighing and a-sobbing,
    When they heard the bell toll
    For poor Cock Robin.
    *
    十にんのこくじんのこども ごはんをたべにいく
    ひとりがのどをつまらせて 九にんになった
    Ten little nigger boys went out to dim;
    One choked his little self, and then there were nine.
    九にんのこくじんのこども とてもよふかし
    ひとりがぐうぐうねすごして 八にんになった
    Nine little nigger boys sat up very late;
    One overslept himself, and then there were eight.
    八にんのこくじんのこども デヴォンへたびする
    ひとりがそこにのこるといって 七にんになった
    Eight little nigger boys traveling in Devon;
    One said he'd stay there, and then there were seven.
    七にんのこくじんのこども まきをわる
    ひとりがじぶんをまっぷたつ 六にんになった
    Seven little nigger boys chopping up sticks;
    One chopped himself in half, and then there were six.
    六にんのこくじんのこども はちのすであそぶ
    まるはなばちがひとりをさして 五にんになった
    Six little nigger boys playing with a hive;
    A humble-bee stung one, and then there were five.
    五にんのこくじんのこども ほうりつのべんきょう
    ひとりがどうにもならなくなって 四にんになった
    Five little nigger boys going in for law;
    One got in chancery, and then there were four.
    四にんのこくじんのこども うみへでる
    くんせいにしんがひとりをのみこみ 三にんになった
    Four little nigger boys going out to sea;
    A red herring swallowed one, and then there were three.
    三にんのこくじんのこども どうぶつえんへ
    おおきなくまがひとりをだきしめ ふたりになった
    Three little nigger boys walking in the zoo;
    A big bear hugged one, and then there were two.
    ふたりのこくじんのこども ひなたぼっこ
    ひとりがじりじりこげついて ひとりになった
    Two little nigger boys sitting in the sun;
    One got frizzled up, then there was one.
    ひとりのこくじんのこども ひとりぼっちでくらしていたが
    けっこんして だれもいなくなった
    One little nigger boy living all alone;
    He got married, and then there were none.
    *
    さんがつのかぜと しがつのにわかあめ
    ごがつのはなを さかせるちから
    March winds and April showers
    Bring forth May flowers.

  • 最後駆け足だったなぁー
    ジュリアンはもっと007的にセクシーさを出して欲しかったなw
    二人とも真面目すぎる!

  • まさかの5巻目からの最終巻です。
    いろいろはらはらしましたが。
    本編はもちろん電子ブック番についていた短編がすてきでした。
    また、その後やサイドストーリーに出会えたら嬉しいです。

  • 久しぶりに読んだコバルト作品でしたが、面白くて1巻から最終巻までいっきに読んでしまいました。二人のコンビとしての活躍はもちろん、マザーグースにまつわる数々の事件もよく考えられていてとても楽しめました。お話はこの巻で最後とのことでしたが、欲を言えばセシルとジュリアン、周りの人たちのその後を読んでみたいですね。

  • この話は、前の巻から一気読みすることをおすすめ

    事件の緻密さだけではなく、お互いお思い合う温かさなどの深みのある部分は、コバルト乙女の心にガッチリ食い込んだ作品だった。
    あ〜、終わってしまって惜しいきもするが、まとまりは良かったので嬉

    クリストファーとの対決だけに終止して終わり、二人のその後など、ハッピーエンド思考の読者としては、物足りなさもありで、
    そのあたりの欲求不満は、9月号に中編が連載され、
    おそらく、短編も出るだろうと予測。

    兄をヒイヒイ泣かせながらのウェディングが見たいのだォ
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-3111.html

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著者プロフィール

東京都出身。東京音楽大学器楽科ピアノ演奏家コース卒業。『始まりの日は空へ落ちる』で集英社ノベル大賞受賞。本書は大英帝国を舞台に若き日の小泉八雲の活躍を描いたホラーミステリー『奇譚蒐集家 小泉八雲 白衣の女』(講談社文庫)の続編にあたる。他の著作に、本シリーズの前日譚「ふりむけばそこにいる」シリーズ(講談社タイガ)、「王女の遺言」「倫敦千夜一夜物語」シリーズ(ともに集英社オレンジ文庫)、「英国マザーグース物語」シリーズ(集英社コバルト文庫)などがある。


「2022年 『奇譚蒐集家 小泉八雲 終わりなき夜に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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