さまよえる本に結末を ウィルブック・ハンターあるいは甘い憂鬱 (コバルト文庫 あ 25-1)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 75
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086018364

作品紹介・あらすじ

「これはね、ウィルブック。未完の本のなれの果てだよ──」狙われた村娘エステルと、彼女を救おうとする見目麗しきウィルブック・ハンター、ベルナールの恋。未完の本が導く、旅立ちの物語…!

感想・レビュー・書評

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  • 表紙にひかれて購入。
    少し御都合主義かなぁ(-_-;)結末を迎えなかった本が現実の人を本の世界に引きずりこもうとする。もう少し本の中の世界を描いてもいいのでは。あとシャルルが主人公にひかれる理由がそれだけ?と思ってしまいました。
    その物語の作者や背景が主人公にもう少し関わりがほしかった気がします。少し美形が多いのでジャックは美形じゃなくてもいいと思います。
    ガストンは美女と野獣の中でも出てくるキャラですがかぶりました(笑)

  • シュガーアップルと同じ絵師さんの絵に惹かれて

    まぁ悪くはないけど、いい!ってほどでもなかったかな?

    心の隙をウィルブックに狙われてしまうエステルをハンター二人が助けてくれる話で

    自分で自分と向き合うこと、自分の存在を認めてくれる存在
    、想いや考えをちゃんと相手に伝えることの大切さ
    自分の殻にこもってはいけないこと、小さな誤解やすれ違いで下手をすれば相手を傷つけてしまうこと
    大事だけ、忘れてしまいがちなことが書かれていたと思う

    エステルの村やガストンは美女と野獣を、シャルマンとリリアンの世界は不思議の国のアリスを、彷彿とさせる感じだった(両方ディズニーしか知らないけど、似てたと思う。特にガストン。名前から性格まで殆どまんまか)
    クロスオーバーをベースにオリジナルの物語にしたみたいな...どうせなら秋杜さんの全オリジナルで描いてほしかったかな 表現がおかしいけど、登場人物の違う二次創作読んでる気分にたまになった

    あとがきで秋杜さんが書かれてることに共感
    確かに、作者の思い、未完本のキャラの未来はどうなるのかって思うとこんな形もありかもなって
    ただ、書き手によって作り出され、動かされていたキャラが未完で終わると勝手に意思をもって動き出すってちょっと怖いよね笑 しかも持ち物を現実世界にちゃんと物として残せるんだよ...
    そして人を襲う(人からすれば)危ない存在の彼らを消滅ではなく、封印という形がとれるのはいいのかもしれないけど、それって書き手以外が物語を完結させることになるわけで、それこそ作者の意図は?って思ったりもした

    一つ疑問なんだけど、ウィルブックって未完の本でしょ?
    ベルナールのお兄さんが狙われるのはまだ分かる
    でも狙ってるのがウィルブックになってしまったお兄さんの母親ってどういうことなの!?
    人が壊れるとウィルブックになれるの? 空想世界に取り込まれちゃって...とか? でもそれだと完結も可能だよね...謎だしすごくもやもやする

    そのうち続き出たりするかな?
    謎もあるし読みたい気はするけど買うほどじゃないかなとも思ったり

  • 自分の居場所を見つけられずにいる村娘エステルは、ある日、さまよえる本となったウィルブックを探す二人の青年と出会う。
    ウィルブックに狙われたエステルを守るというけれど…

    2013年「幻領主の鳥籠」でコバルト大賞受賞した作家さんのデビュー作。
    魔性の本に狙われた少女が、心の弱い部分と向き合い、自分の殻に閉じこもることの危うさや、人の話に耳を傾ける大切さに気づくまでを描く。
    旅だちまでを描く物語なのでこの巻だけでは消化不良と感じるが、悪くない。
    イラストの雰囲気とよくあう、優しい物語だった。
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-4264.html

  • 未完の本が現実に影響をあたえてしまう。
    心の隙間が。
    面白かったです。
    まだ、なぞものこっているし、壮大なハピエンが見たいので、ぜひ、シリーズ化してほしいです。

  • 閉鎖的な村に住む少女は、たび重なる『攻撃』に
    心底つかれていた。

    結婚しろと迫る、村一番かっこいい男。
    どうしても彼が受け入れられない少女の前にやってきた
    2人組の男。
    進むにつれ、王道…w な背後になってまいりました。

    自分の内をさらけ出して拒絶されたら。
    それは誰しも不安になってしまう現実。
    けれど言葉にしなければ、分からないもの。
    どうしていいか分からずに、相手を傷つけて
    それが本当だと相手に刷り込んでしまう事。
    小さなすれ違いが、大きな間違いに。

    未完の世界へと誘われる。
    心のすきを狙って、ではありますが
    ある意味あちらに行けば幸せかもしれません。

    話の最後、なあなあで終わるわけでもなく
    きちんとまとまっていました。
    ものすごく、満足いく最後でした。

  • “「ベルナールさんは、優しい人です」
    自分が周りの人間と同じだと思っていることが哀しい。
    一緒に立ち止まったベルナールは、ぽかんとした顔でエステルを見ている。そんな表情をすると言うことは、エステルの言葉に驚いているということで。つまりは、自分は優しくなんてないと思っているということ。
    伝わってほしいのに、伝わらない。それが余計に哀しくて、エステルの視界がにじむ。
    「ベルナールさんはウィルブックから私を守るために側にいてくれて、私の言葉に耳を傾けてくれました」
    否定され続けていたエステルにとって、それがどれだけ救いになったか。
    「ベルナールさんは私を助けてくれました。だから、ベルナールさんは周りの大人と一緒なんかじゃない!とっても、とっても、温かい人です!」
    届け、届けと願いながら、エステルは言葉を紡いだ。唖然としたままのベルナールを見て、まだ伝わっていないと思うのに、声に詰まってそれ以上なにも出ない。それどころか、涙まで溢れてきて、情けなくなってきた。"[P.102]

    あらすじで首を傾げつつ、あきさんの素敵な表紙絵に惹かれて。
    主人公と舞台の村で、美女と野獣を思い出したり。
    シャルルとリリアンは不思議の国のアリスかな。
    諦めたシャルルが再びリリアンに会えるまでの流れが良かった。
    土台が整ってる分続編来そうなんだけどな。出て欲しいな。

    “「シャルルが、あなたを捜してる。必死にあなたを求めているの。お願い、彼の元へ行ってあげて」
    エステルの濃紺の瞳を見つめていたリリアンは、「無理よ……」と小さくつぶやき、顔をそらしてしゅんと肩を落とした。
    「私は不思議の世界からも落っこちて、元の世界へ戻ってしまったの。シャルルに会いたくて、一生懸命頑張ったのに、彼に私の声が届かないせいで不思議の世界へこられないの」
    「シャルルに、声が届かない?」
    リリアンは顔をそむけたまま視線だけでエステルを捉え、ゆっくりと頷く。その表情はとても心細そうだった。
    「シャルルは私にもう会えないと思ってる。私は、こんなにも会いたいのに」”[P.200]

  • 読み終わった瞬間、なんというかコバルトって感じの内容だなぁ…と勝手に思いました。

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