後宮刷華伝 ひもとく花嫁は依依恋恋たる謎を梓に鏤む (コバルト文庫)

著者 : はるおかりの

• 集英社 (2017年9月29日発売)

作品紹介・あらすじ

母が皇族殺しの大罪を犯し、自身も母に斬りつけられ、心身に深い傷を負った皇子・高秀麒。そんな彼に皇太子妃候補・念玉兎が花嫁に志願してきた。実は密かに携わっていた刊行の仕事を続けたいためで!?

感想・レビュー・書評

[goya626さんの感想 · 2021年10月24日]

「小説とは本来くだらないものです。正直に言って、小説がなくても生きていけます。でも、小説があったほうが楽しく豊かに暮らせますわ。胸がどきどきして、わくわくして、はらはらして、すっきりして、じーんとして、いろんな感動を味わえます。ものすごく落ち込んでいる人だって、ものすごく苛立っている人だって、面白い小説を読めば気分が晴れるのです」女主人公の姫の念玉兎がいう言葉には、大いに賛成するよ。私は、小説がないと生きていけないけどね。
皇帝の後宮に入るのを避けるために、第６皇子に嫁いだ玉兎は、小説大好きで、貧乏印刷所に出入りして、校正の仕事までしている。そのうち、ごくつぶしと揶揄されている第６皇子の高秀麒に文才があることが分かり。玉兎は秀麒の尻を叩いて原稿に手を入れさせ、出版にこぎつける。その後は、お決まりの筋書きで、いろいろな事件を乗り越えて結ばれ、めでたしめでたし。脇役の描き方も結構上手いんだよな。

[糸森さんの感想 · 2021年2月9日]

シリーズこれまで読んだ中でいちばん幼い感じのヒーローでした。
益雁がナイスキャラですね。奥手な秀麒とのやりとりが面白いです。

[海さんの感想 · 2018年11月26日]

常にラブラブになるがゆえにパターンが決まっていてちょっとマンネリ化してきてるなという感じ。最初の頃は玉兎が強引に過ぎると思いましたが、全体的に仄々可愛らしい恋愛物。前巻での事件の影響が各所に残っているのが切ない。

[はっさくさんの感想 · 2018年8月22日]

好きな事をして輝く人はとてもいい。

栄家のたぬきじじいが落ちて一族もみんな殺されて、将来の諍いの芽も摘み取ったしめでたしめでたし、ではなくて、その陰でただ被害だけ受けた人の話だったことがとてもよかった。