- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086112826
感想・レビュー・書評
-
アイドル・花森花見の付き人・ハルは放送作家・大屋影友と付き合ってはいるものの、仕事仲間以上恋人未満といった微妙な関係。“よくわかんないけど気になる女”と言う影友に複雑な想いを抱くハルだが、ふとしたことがきっかけでよりにもよって花見に影友をとられてしまう――「あたし、ノラ猫みたい。猫になりたい」 失恋から自暴自棄になったハルに、こんな一言が降ってきた。「かわってあげる」――それは野良猫・ココナの声。ハルの体に入り込んだ不思議な猫・ココナはやりたい放題好き放題! 猫になってしまったハルは影友とやり直せるの? 花見はどうなってしまうの? 猫の歌が多いことでも有名なシンガーソングライター・谷山浩子による初のコバルト文庫、初の少女小説。
積読してる浩子さん崩していこうそうしようキャンペーン。まずはいきなりですがラストw! これある意味浩子さん版「山猫おことわり」だったのかも知れない。とにかくすごく浩子さんだなあと思いました。なんか胡蝶の夢みたい。
で、内容はちょっと大人っぽいっていうか色っぽいっていうか、下ネタってわけじゃないけどほんのり性を感じさせる描写もあってなんかちょっとドキドキしました。浩子さんあんまりそっち系の話しないしご本人もメルヘンな人なので。89年だからか平成元年か。アルバムで言うと「お昼寝宮お散歩宮」の頃ですね。
あんまり浩子さんは(aikoと違って)恋愛とは結びつかない方なので、どんな恋愛小説を書くのかな? と思ってたんだけど、アイドルとその付き人と放送作家って言うあまりなさそうな組み合わせだからこそかえってリアリティのある三角関係で面白い。かなり暗い、重い展開もあるのに、浩子さんの文章がそこまで暗くなくわりとカラッとしていてスイスイ読めたし、何より川原由美子さんのイラストが90年代初頭の少女漫画な絵柄ですごく可愛くなおかつ美しいのでそれを楽しみに読んでました。あとがきで書いてたけど、浩子さんは恋愛が好き、それもわりと暗いのが好きってことを知ってああだから初期の恋愛の曲はあんな暗いのばっかだったんだなと…笑 とにかく、浩子さんが「私は恋というものが好きで」って書いてたのに嬉しくなりました。
私は外見だけ見るなら花見の方が好きかな。舞台がラジオだったり、ラジオのスタッフさんとか現場とかはオールナイトニッポン時代があったからこそ書けたのかな、と思う。構成というか前半各章の前書き部分でココナとメーが映画見てるように思わせてハルのそれまでを見ていて途中でハルの視点に合流するの、私の好きな並行視点ものに近くて嬉しい。あとそれとタイトルってある意味ラストでそれとなくほのめかされた人間はみんなネコなんだってことを表してるのかな…違うか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
永遠の(フシギ)少女・谷山浩子さんの小説。コバルトでも何冊か出ましたね。イラストはやはり川原さん。もう、ほんっとかわいいです!