- Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086172011
感想・レビュー・書評
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ものすごくヒリヒリしたし読み進めるのが怖かった。不良もののシリアスな作品を読むのはたぶんこれが初めてだけど、「危うい」って言葉の意味が初めて感覚でわかった気がする。
思春期の痛みと危うさ、一生のうち一瞬しかない瞬きの眩しさだけじゃなく、最後に愛を知る事で大人になっていくところが描かれていたのが良かった。
子どもに弱さ故の美しさ・愛しさのようなものを感じつつも、そこに溺れるのではなく、大人になることで強くなることの素晴らしさを感じることができた、気がする。
あと単純に作中に終始漂う空気感が最高。絶妙に切なかった。舞台が湘南で海沿いというのも好みだし、モノローグの描写もきれい。
宏子さんトオルさんハルヤマの三角関係に何があったのかのちのち詳しく描写がされるのかと思ったらそうでもなくて、読み終わってからあれっそういえば、と気になったけど、あえて明らかにしない方がリアルな気もする。
ハルヤマと和希幸せになってね。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文庫版、全二巻。
期間をおいて何度か読みたくなり、
そのたびに読み返しているけど
読んでも読んでも良いと思える数少ないマンガの1つです。
多感なころに読んだせいかもしれないが、
その後も何歳で読んでもすごく心を持っていかれる。
ただのヤンキーマンガでなく、恋愛マンガでもなく、
人間ドラマのようなマンガです。
いまや「ママ」の方の年齢に近いので
大人の「弱さ」にも涙してしまう。
2巻の後半は泣きっぱなし。
このさきどんどん涙腺が緩くなっていくのだとしたら
もうこれは読めないかもしれないなw
しっかし主人公が14歳てねw -
青春の一冊(当時は実写映画のみしか知らず)。
生きてきた世界とまるで違う恋の話だけど、かっこいいことはよく分かる。
正直この漫画の凄さには幼い頃に気づける自信はない。
描かない、背景、口語、モブ、ラブシーンの少なさ、場所・登場人物の説明の無さなど。
この年でもゆっくり読んでやっと分かる。 -
ハルヤマぐうかっこい✨✨
ヤンキー最高 -
★
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(01)
彼女ら彼らが出現する場所がまず注目される.ロードというテーマでもあるので,それは圧倒的に路上である.単車に乗っていてもいなくても路上である.もちろん学校内,住居内,店舗内,病院内という場面が混じりはするものの,路上に勝るものではない.路上であるからこその交通と友好(*02)が結ばれている.
路上であるが,昼間は言うまでもなく太陽にホットに照らされていることが多いが,夜間も照らされている.この夜間の光,テールランプ,ヘッドライトは作風を印象づけているが,そのほかの街の様々な光に照らされていて,主人公たちの眼(*03)はおそらく闇に安らぐことがない.余白の大きさや白さが,露出オーバーやフラッシュを思わせる,光の過剰を際立てている.
それら光たちの勝利は,そのまま,本書のテーマでもある戦後の日本人の家族と生活のパラドキシカルなありようを指示している.
(02)
路上にたむろしているその姿は,いわゆる集会に代表されるが,立位もあるがときに座位も見られる.いわゆるヤンキー座りも前面的ではないが描かれている.おそらく80年代の湘南あたりではまだ,路上が汚れていたせいか,それとも立位の労働等に慣らされていたせいか,10代の彼女ら彼らも路面レベルにそのまま腰を落として座るということはない.または,次の出走などの運動に備えているのかもしれない.座っても堤防の上であるとか,路面からのわずかな立ちあがりに腰を掛けている様が80年代の都市風俗として記録されている.
(03)
瞳の中の妙な光,それはモノローグによって「夜景」と解説されることもあるが,この瞳の描き込みも人物造形や風景描写を大きく担っているが,一方で,指の描き方も心に残る.注視していると,手や指のデッサン集のようにも見えてくる.この描き込みの意味は,本書のテーマでもある生活に関わるものだという予感がある. -
初めて読みました。この漫画が出た頃はこういう暴走族系が結構あった気がする。
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感想は2で。
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読んでいると胸が潰されるように痛くなる。それは彼らが迷いもがきながらも、必死に生きているからなのだと思う。その純粋さが胸を打つ。
ものすごい痛みを描いた今作だけれど、その痛みに向き合って、さらに未来へ希望を残す終わり方だったのは本当に良かった。
愛を知ったら、強く、優しくなれる。
彼らの日常は私のそれとはかけ離れているものだけれど、こんな世界もあるんだなあと、惹きこまれた。