戦う司書と絶望の魔王 (スーパーダッシュ文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086304948

作品紹介・あらすじ

ついに動き出した「天国」。それは『本食い』の能力の究極の進化形であり、もう一つの世界を体内に持つルルタの「仮想臓腑」のことだった。バントーラ図書館の武装司書たちは完全無力化し、世界の終焉に向かうカウントダウンがはじまった!そして、かつては世界の救世主だったルルタが果てしない絶望に至った過去と、その鍵を握るひとりの女性の存在が明らかになる!武装司書たちに、ルルタを止るめ術は残っているのか?希望も絶望もつないでいく、『本』をめぐるファンタジー、新人賞大賞受賞シリーズ第9作。

感想・レビュー・書評

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  • ついに天国が動き出した。バントーラ図書館の
    武装司書たちは完全無力化し世界は終焉に向かう。
    かつては世界の救世主だったルルタが
    果てしない絶望に至った過去と、
    その鍵を握るひとりの女性の存在が明らかに。

    物語は一転、絶望の魔王ルルタへ。
    彼に架せられた世界を救う救世主としての使命。
    最後の歌い人ニーニウとの出会い。
    その悲恋が生み出した悲劇。
    わずかな希望を胸に二千年のもの長い時を待つ。

    ずっと伏線で登場していた菫色の人チャコリーと
    ハミュッツの生み出された理由。
    ハミュッツがひたすら殺されたがっていた
    理由がようやくわかりましたね…
    あの時ルルタが清浄眼を持っていれば…と
    思いますがミンスの能力は珍しいんですかね…

    コリオの登場できっちり最初から
    物語の構成考えてあったんだな~と思うと
    次の最終巻が名残惜しくもあり
    とても楽しみです。

  • この話、恋愛ものだったのか…。びっくり。

  • 読了。

  • 過去話。

    いったい二人の出会いは、どれだけの救いと、どれだけの絶望をうんだんだろう。
    最終巻が待ちきれない…。

  •  視点が、随分変わって絶望の魔王へ。
    ルルタの行動は分からなくもない。けど、なんかなあって感じ。
    一人の幸福のために殺されて苦労して悲劇が生まれた数が多いなんて、どうなんだろう。
    そんな風に考えさせられた作品。

  • ルルタとニーニウの悲恋が産んだ悲劇。
    とにかく読んでて胸がいたかった。英雄として崇められてるルルタも所詮はやっぱり人間なんだよ。恋だってしたくなるし、怖くもなるし。
    ニーニウだってそう。
    皆を助けたい、その気持ちが大きかったけど、ルルタへの愛に目覚めたらやっぱりねぇ。
    でも時代がそうさせてくれなかたったんだよね。
    ニーニウがホンマに救いがない。辛い。
    その後ルルタを殺すための道具として作られたチャコリー。
    チャコリーも辛い。わかるけど、このような魂の作り替えにより、ルルタを愛して、殺すとか。
    でも、だんだんと色んな伏線を回収してきてる気がしてる。
    ハミュッツ=メセタ。
    この人の死んでからの活躍が楽しみ!!
    最後まで目が離せない&続きが気になる9巻でした。
    10巻は刮目するべし!これにつきる。

  • そして滅びゆく世界。
    そして思い出される過去。

    いや…うんすごいね、としか言いようがないです。
    もう誰一人、手段を選んでいないというか。
    そのせいか、普通の人が、すごくすごい人に思えます。
    清廉潔白??
    純粋さが、ものすごく際立ってるというか…。

    それしか考えられなくて、それしか考えてないというのは
    かなり幸せなのではないかと。
    そういう点では『幸福』に近かったのではないでしょうか?

    大切なもののためなら、弱くもなり強くもなる。
    それは、どこも一緒なのです。

  • 一人の少女を守るために世界を救うと決めた青年はしかし、その少女を守れなかった。絶望に打ちひしがれる彼は、わずかな希望を胸に二千年の永きに渡ってその時を待つ。しかしその忍耐も限度に達し、世界の人々にとって最悪の方向に解決策を見出さざるを得なくなる。…なんて悲しい話だ。

  • 今までに出てきたキャラをまた読むことができて楽しかった。ルルタの過去も明らかになり、一番長い伏線だったあのキャラも出てきてまさにクライマックス。

  • 「………ニーニウ。僕は君を守る。君を守るためだけに戦う。
    君のために、僕は本当の救世主に、ルルタ=クーザンクーナになってみせる!」

    『戦う司書』シリーズ第9弾。

    ついに次の巻で終わるらしい…。
    長かったぜ。途中なんつーか、「方向性間違ってない?」とかいろいろ思ったけど、ようやっと最終巻に漕ぎ着けられた(いや、作者私じゃないけど、結構大変だった。追っていくの)

    でも、ここまで読んでやっぱり思うのが、この人の世界って、善人や正直者は絶対に救われないってことだよね。
    最後にもし、救われるのだとしても、それがあまりに不合理だと思う。
    それに、ルルタ=クーザンクーナが「真の幸福」を願う理由がさ、なんてゆーか、予想の範囲内だったのがなんかちょっと悔しいんですが。
    もうちょっとその理由を捻ってほしかった…と思うのは私の我儘なんだろうか。

    それにしてもニーニウとノロティってなーんか似てると思う。
    なんだろう?この世界においての異質さ。
    山形世界でいうなれば、愚かさになるのかもしれないけれど。
    そういったものが酷似してると思う。
    ただ、その生の終わり方が極端だっただけでね。


    神って存在はどれだけ傲慢なんだろう?と思う。
    そう思えば、たぶんニーニウも傲慢なんだよね。
    自分がそんな世界を見たくないという理由で、世界を滅ぼすことを決めるんだから。
    そんな選択はその世界を生きる人間にやらせるべき。
    勝手に誰かが決めていいものではない。
    だって、実際に自分を犠牲にしてでも守ろうと思ってる人がいるんだから。
    ニーニウも最期まできちんと信じてればよかったのに。自分の愛した人を。
    そして自分を愛してくれた人を。


    これ読んでて有川浩の『塩の街』を思い出しました。
    結構設定は似てるんですけど、『塩の街』の方が大人である分、思い切りがよくて、んでもって自分勝手ですよね。
    私はそれでもいいと思うんですけど。



    とりあえず、最終巻が楽しみです。

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