時をかける眼鏡 眼鏡の帰還と姫王子の結婚 (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800792

作品紹介・あらすじ

元の世界に戻れるかわからないまま、過去の世界のマーキス島で生活する医学生の西條遊馬。そこへ姫王子ヴィクトリアに大国アングレの王から結婚話が。姫ではなく、男だと知っての上だというのだが…!?

感想・レビュー・書評

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  • 現在のところを回収しての一瞬戻る。まだ続くのかあ。

  • 1.2に引き続き、面白い!ライトノベルだけあって、とても読みやすいし、娯楽読書って感じ!

    p.117 ならば、花を飾る習慣をつけさせるのは、浄化を明るくする良い手立てしれませんな。食うや食わずの状態では、自らの住まいを飾る余裕など失せるもの。されど、多様な時こそ、気持ちを奮い立たせるものや行動が必要でありましょう?鉢ならば、石を削って、作れば良い。花は、山から株を抜いてきて、街で増やせば良い。金はかかりませんな。それに、美しい花を見て、気持ちが荒むのは、よほどのひねくれ者。そう多くはおりますないよ。

    p.133 良い悪いの問題じゃない。そうやって、本当のことだからって建前で、怒りのままに、投げつけた言葉で、君は相手を傷つけて、自分も同じだけ傷つけている。奥方様を罵って、少しでも気持ち良くなったかい?

    p.260 私を好きにならずとも良い。義理の母などとも思わずとも良い。ただ、私を父上をお助けする仲間と思ってくれるならば、私はそなたと共にあろう。そなたの父上をお助けすると言う事は、姿 そなたを助けると言う事でもある。

    p.294 とは言え、元の世のことも、決して忘れるな。思い出すことを、躊躇うな。勝手な言い分かも知れんが、たとえ思い出すことで寂しくなったとしても、それはおそらく、必要な寂しさなんだ。故郷を初めて長く離れ、ようやくお前の心持ちが少しわかるようになった…と思うのだ。ロデリック様の事、鷹たちの事、家族の事。思い出せば、里心がつくが、思い出さねば、己が根無し草になるような心持ちがする。お前もきっと同じだろ。元の夜は、いつかお前が帰る場所だ。折に触れて思い出し、しっかり心をつないでおけ。それで寂しくなったら、俺がいくらでも話を聞く。今夜のように、気晴らしの手立ても考えよう。それは、師匠の仕事だ。

  • 「思いがけない災難」
    縁談の話は有り難いこと。
    言い訳に理不尽な理由を付けて語る者など願い下げだろうが、そう簡単に断れたら楽だろうにな。
    何かしら案を考えるにしても、相手になる者の情報がなければ無理がないか。

    「運命の客人」
    助けを求めてやってきた。
    駆け引きをする余裕がないのだろうが、ここまで素直に全てを語ってくれる方が信用出来るだろ。
    皆を説得するには少し難ありだろうが、下手な案を考えるより良いだろうな。

    「故郷を遠く離れて」
    新たな土地に来たものは。
    今までは何一つ奪うもののない場所であったが、共に持ち込まれた存在を忘れてはいけないだろ。
    襲いずらい場所にらあるが、攻略法さえ見つけることが出来れば簡単かもな。

    「誰かのために」
    タイミングが悪く開いた。
    必死に抵抗した様子が分かるが、傷もなく無事であろう者は襲われて直ぐ気を失ったのだろうか。
    どちらが重要か決めきれないが、乗りかかった船を降りるには微妙だろうな。

    「父と娘と」
    甘い言葉に誘われた挙句。
    今まで悪意のある者と出会ったことすらないからこそ、相手の言葉を鵜呑みしてしまったのだろ。
    これを逃せば帰れないかもしれないが、現代に生きるよりも楽しいのかもな。

    「思えば遠くへ……。」
    一息つきながら語ること。
    戻ることが出来ても背を引かれる想いがある限り、元の世界へ帰るのは先送りにすべきだろうな。
    完全再現は難しいだろうが、似たような物を作ることは出来るかもしれない。

  • 王の弟にして姫である(姫王子という)ヴィクトリア
    大国のアングレの王から輿入れの申し出があったが
    その先には幸せがない・・・困っていた処に妙な王が
    飛び込んできた

    過去の異国にタイムリープしたアスマだったが戻れる
    道が開いた・・・なのにアスマの選択は!( `ー´)ノ

  • 最後の晩ごはん同様、人間関係が妙にベタ甘なのが少し気になるけど。一見頼りなさそうな主人公が意外と活躍しちゃうお話は好きなので、このシリーズも気に入ってます。アスマくんの医学部知識がもっといかされるといいなぁ

  • 安定の面白さ。軽快な文章なので、すぐに世界観に入れて、読み進める。

  • 姫王子ヴィクトリアに、隣国から23番目の妃にと申し出が持ち上がる。
    その王様が好色爺さんで、かといって無碍にもできず、どうしたものかというところに、貧乏な国の王様が単身乗り込んできて、そこからとんとん拍子に輿入れ。
    行った先では早速問題が発生。そんな中、遊馬はまさかの元の世界に戻れる状態となったりと盛りだくさんの話。
    戻るときに時間がなかったとはいえ、色々持ってこれたらよかったのになぁと。ちょっと残念ですね。まぁ向こうでは使えないものばかりですが。
    逆にみんながこっちにこれたらそれはそれで楽しそうだけど、ジャヴィードさんが死んじゃうかな。
    問題がなかなか重くて、キャスリーンはほんとこれから胸中複雑ですね。仕方ないとはいえ重い・・。
    しばらくはポートギース編が続くのでしょうか。次回も楽しみです。

  • 眼鏡の帰還とあったので、シリーズ終了?と思ったらマーキス島に戻ってきて、嬉しかった。フランシスの結婚も姫王子だし再婚だしドキドキだったけれど、国を守るための良き相棒というのが何とも素敵!

  • 姫王子の輿入れに随行し小国へと来た遊馬とクリストファーが遭遇した再婚に反発する姫の誘拐と唐突な帰還のチャンス。元の時間に戻れるとはいえ元の世界の人間を気に掛けない淡泊な遊馬や、相棒としてとはいえ姫王子の結婚が何だか不思議。遊馬の穏やかな気性がとても心地好い。殺人のある展開にもハラハラし引き込まれた。

  • ロデリックとヴィクトリアは相棒として良い感じにやってきけそうなのだけど、娘のキャスリーンは反発して…。
    何というかタイトルの「眼鏡の帰還と姫王子の結婚」が今回のあらすじ。

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著者プロフィール

作家。監察医。講談社ホワイトハート「人買奇談」にてデビュー。代表作は「鬼籍通覧」シリーズ、「奇談」シリーズ(講談社)、「最後の晩ごはん」(KADOKAWA)、「時をかける眼鏡」(集英社)など多数。

「2023年 『妖魔と下僕の契約条件 5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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