お坊さんとお茶を 3 孤月寺茶寮三人寄れば (集英社オレンジ文庫)

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  • 集英社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800877

作品紹介・あらすじ

空円の老師に振り回されつつ孤月寺での生活を楽しんでいた三久。だが、実家の和菓子店を継ぐよう言われてしまう。同じ頃、覚悟にも海外修行の話が。三人の寺での生活に終わりが近づいてきて……。

感想・レビュー・書評

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  • 良い終わり方でした。空円さん(本名も素敵)の過去は過去としてこれからも「いま」を大切にして各々頑張って欲しいです。猫饅頭食べてみたいしニルヴァーナは行ってみたいです。

  • まさかの空円さんの出自が明らかに(早い)。
    さらに、覚悟と空円さんが修行僧堂で出会ったエピソードも短編で収録されていて、孤月寺の世界がどんどん書き込まれていってるー!
    出し惜しみするシリーズは好きではないので(笑)、このスピード感はとてもいいです。
    おしなべてオレンジ文庫はこんな具合に展開が早いと思う。いいと思う。

    空円さんもかなり人間らしくなってきたもんなあ。
    空円さんといい、覚悟といい、充分人間としての器が大きいふたりやと思うので、三久が来るまでの間は「一人と一人」やったなんて信じられへん。
    空円さんと覚悟ほどの人を結びつけるだけの吸引力(とでもいうのか)が三久にどれほどあるのか、ちょっとわからん…(笑)。

    わからんけども、それは三久が一番そう感じてるよね。
    それだけに、
    「役に立つか立たないかは関係なく、ここにいてもいい」
    と、思わせてもらえる孤月寺が好きなんやろうね。

    ひつこいけど、すごい器や人間性のある人にこの年齢になって囲まれ続けている私は、
    「はあ…(尊敬)!」
    と、なることが多くて、それだけでうっかりへこみそうなんやけど(笑)、私から見たら濃い個性の人たちの中に混じっている理由が、私にもなんかあるんやろう(と、信じたい)。
    決して、ゴマメで混じってるのではなく、能力に関係なく私にも私だけの魅力があるのだと思いたい。

    穏やかな世界でじっと座ったまま波風も立てず涼しい顔ですごすのは、みためにはキレイなのかもしれへん。
    でも、それやと確かに中身はないかも。

    怒ったり、イライラしたり、喜んだり、泣いたり、自分ではコントロールできない気持ちとなんとか付き合っていく姿勢に、魅力ってあるのかもな。
    それはキレイだけじゃないかもしれへんけど、人間としての深みは増すかも。

    ちゅうか、そうでも思わん限り救われへんよね。
    煩悩だらけですから。笑

    隻手の声って、椹野道流氏の鬼籍通覧シリーズでも出たよね。
    教授がいうてはった。

    結局、そちらではどういうオチがついたんやっけ(忘れたのか!)。
    こちらでも、覚悟はどういう答えを出したのかはっきりは書かれていなかったけれど、公案って、自分に問い続けることやねんねえ。
    すべてのものに感謝をしながらあれこれあれこれ考え続けたら、自分の正当化や言い訳じゃなくて、物事の本質に辿り着けるんかな。

    そうなら、いいね。


    ■■■■


    ■ペデストリアンデッキ

    橋上駅舎に広場と横断歩道橋の両機能を併せ持ち、建物と接続して建設された、歩行者の通行専用の高架建築物。高架歩道。

    ■遷化(せんげ)

    高僧が死ぬこと。

  • 今回は、覚悟のお店の様子がわかって面白かった。
    空円の師匠も登場し、空円の感情が出てきた。

    禅の事も会話の中で少し出てくるので、たまにハッとさせられる。

  • 老師と助っ人真夜中作務は空円の参加が美味しく三久には再び胸焼けしそうに。三久の実家の危機と猫饅頭でコンテスト出品はスカッとする爽やかさ。無料配布用が始まりとはいえあっさり菓子作りを任せる事に違和感はあったけれどこれからか。修行一年目の覚悟と空円の話も昔を知る事が嬉しい。徐々に変化している空円が良い。

  • 三久の空円のアゲっぷりが、極端すぎて引く
    その大部分が見てくれって、JK主人公のラブコメか

  • 空円さん、高尚な方で清浄な空気感があって素敵!物語的にはあまり面白味はないのだけど、空円さんと覚悟の魅力で読んでしまう。シリーズは続くのかな?

  • 軽い感じで始まった物語でしたが、3巻目にきてやっと、先輩僧侶2人の過去が語られましたね。
    老師は空円とは違う雰囲気で、でも、流石に空円も覚悟も包み込む懐の深さのある人物らしく面白くなって来ました。

  • なんだかお饅頭とお茶を飲んだあとのほっこり感と似てる気がする。心が休まる本。

  • シリーズになっているという「お坊さんとお茶」。
    実は第3冊目から読んだのですが、
    今までの経緯とか、あまり知らなくてもスッ〜と世界に入り込めました。
    話は3話から成っていて、見習いの三久目線が最初の2つ。最後の話は先輩僧の覚悟さんの話。
    3話とも、不思議な魅力をもつ空円さんに心寄せられていく様を描いているのですが、
    読者の私も次第に、しだいに空円さんに惹かれていくのです。
    悩みを、執着を捨て、ひたすら無に生きようと、修行する、、、修行すればするほど、ムクムクと出てくる執着に如何に対するか、
    それは何も僧の世界だけのことでなく、私たちすべてに当てはまることです。
    だから、空円さんのストイックな生き方に惹かれながらもハラハラとして、覚悟さんの一つ抜け切ったあり方に全体を見て、見習い三久さんと一緒に成長できるような気がしました

  • 畏敬の念を抱いているのだと思っていた。誰かが空円に近づいて気を揉むのも、恐れ多い! という感情なのだと。
    だというのに突然弧月寺を尋ねた、空円と覚悟の和尚は「愛」と表現。え? これってブラフとして匂わせていたんじゃなくって本当にそっち方面なの? と疑問が噴き出す。
    あらすじの内容が内容なので完結も近いし、同性的なあれも本格的に!? なんて覚悟を決めたけど杞憂だったような、違うような……。3人は分かりやすく成長し、前に突き進んでいるけど一作品のファンとしてはモヤモヤしてしまった。
    匂わせるのはいいけど方向性は示して欲しいなー、なんて。レーベル的にないとは思うけどどうなんだろう。
    空円の壮絶な過去や、覚悟の修業時代をのぞき見れたのは満足なのだがそちらばかりに気を取られ、十分に読み込めなかった気がする。

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