時をかける眼鏡 華燭の典と妖精の涙 (集英社オレンジ文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086801270

作品紹介・あらすじ

ジョアンとヴィクトリアの結婚にアングレから横槍が入った。舞踏会の席上でアングレ特使に許可を取りつけようとするが、失敗し窮地に立つ一同。謝罪に伝説の宝物「妖精の涙」を差し出すように言われ…。

感想・レビュー・書評

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  • 「突然の横槍」
    異議を申し立てる者には。
    今まで放置されていたとはいえ書面で残っているとなると、無闇矢鱈に言動することは出来ないな。
    何故このような結果になったのか、自身の行いを思い返せば簡単ではないか。

    「値踏みされる姫君」
    茶番だと知って参加した。
    もしもの可能性を口にしていたが、予想通りだったからこそ途中で全てを辞め出ていったのだろう。
    自国が優位だと思っているからこそ、一国の主にすら強気に話せたのだろう。

    「宝は何処に」
    残された書物に書かれた。
    あまりにも自分勝手な言動は、自身が国を代表して来ていることを理解しているのか疑うものだな。
    明らかに悪いのは相手だというのに、自身のせいでと悔いる姿は気の毒だな。

    「女神の棲む島」
    荒らされた小屋に残った。
    最期の連絡から数ヶ月経ち、明らかに異常が起きていると考えられるはずなのに何故放置したのか。
    ただでさえ時間がないというのに、この様なことが起きるなんて厄介だよな。

    「命の重さ」
    生きてきた世界とは違う。
    探し始めれば終わりがないぐらい違いはあるだろうが、生きることに必死なのは変わりないのでは。
    特効薬なのだと聞かされると、実際の効果は分からずとも気分は変わるよな。

  • ヴィクトリアの嫁ぎ先は何もない貧しい国
    国を豊かにするために観光立国への道を進む
    この国の人にとって当たり前のものでも異国
    の者には珍しい価値観の違いを見せつける為
    結婚お披露目をするのだが王の娘がやらかす

    ご都合主義の小説なのでソコも逆転するのだ

  • 面白かった~!! 著者はいろいろなシリーズを書きわけはるなあ(当たり前?)。
    今、クトゥルフのTRPGにハマッてるせいか、この本はどストライクやった!
    ちゅうか、著者がクトゥルフのシナリオとか書いてくれはったらめっちゃ面白いかも。ちゅうか、KPとかやってくれはったらめっちゃ面白くなりそう…。

    このシリーズは、医者の卵である遊馬がどう事件を解決していくかっていうのだけがメインではないよね!
    そういうのは、鬼籍通覧シリーズやと思う。

    著者ならではのそういった医学ネタも織り込みながらのこのファンタジーな。
    それも、斬った張ったではなくて(?)わりと舌戦というか、メンタル方面の描写も濃くて、面白い。

    こういうのって読者の好みなのかもしれへんくても、私は著者の心理描写はすごい好きなんよね…。
    あ、そういう感情にうまく名前をつけはるな…、みたいな、どっかの三文歌詞みたいで申し訳ないけど(笑)、普段なら
    「こういうことは、みんな味わってることやし、流さんとあかんよね」
    って思いがちなこともちゃんとすくいあげて、珍しいことじゃないからってどうでもいいってことではないよ、ってちゃんと言うてくれるような感じ。

    きっと、いろんなことを器用にこなす方なんやろうと思う。
    器用にこなす方ほど、些細なこともさらりと流せる技術もたけてるやろうに、敢えて流さずにさらっと並べる、みたいな、そういうイメージ。

    (すごいわかりにくい…)

    それが、アスマとクリスの、
    「甘い世界に生きていて何が悪いのか」
    と、いう問答に繋がるのかも。

    他人より多く持っているなら、持っていることを引け目に感じるのではなく、かといってそれをみんなに分け与えよう、とまで聖人でもなく(笑)、持っているからこそできることをやろう、と、いうようなさっぱりした前向きさがいいな。

    事実は事実っていう、ときおり見せるこのロジカルさが、著者ってここまで空想の達人なのにちょいちょい理系畑に戻らはるよね…
    みたいな。(失礼)

    強度よりも柔軟性が大事というのも、肝に銘じておきたいです。(;^ω^)


    この本は購買リクエストをしたわけではなかったけど、4月初版なのですんごい新しい文庫本でした。
    嬉しいー。


    ■■■■

    ■帯剣(たいけん)

    腰に剣を吊(つ)ること。その、吊っている剣。


    ■蚕食(さんしょく)

    (蚕(かいこ)が桑の葉を食うように)片端から次第に他の領域を侵略すること。

  • 前にフラれたアングレ王が、昔の契約を引っ張り出してきて、ヴィクトリアとジョアンの結婚を認めないと言ってくる話。

    妖精の涙なんて詩的な表現をするからどんなものかと思いきや、ほぼブルーベリー(笑)プラシーボ効果大活躍ですね。これでアングレじーさんも納得したし次は結婚式でしょうか。
    また次はポートギースの話になりそうで、遊馬の活躍?が楽しみです。

  • あのとき侍女が死んでなければキャスリーンいい子だって思えるんだけどな。
    命の価値が違う世界らしいからもう忘れたほうがいいんだろうけど。

  • アングレ王の求婚を断った嫌がらせ。
    キャスリーンとヴィクトリアが着々と家族になっていっているのは微笑ましい。

  • 異世界に呼び寄せられて約一年、元の世界ではハーフとして浮いた存在だった等帰る事に執着がない事を今更納得する。異界での方が活き活きしているんだろうなあ。キャスリーンのお披露目舞踏会と、姫王子の結婚を認めないというかつての宗主国の為の小島での神官との伝説の宝物探し。顔が溶け四つん這いで生きる罪人が惨い。

  • ゲームみたいな設定で楽しく読めた。時代が時代ならど近視は目の見えない人なんだなあと思うと不思議な気がした。

  • 安定の面白さ。

  • 5巻。相変わらずの雰囲気。
    2018/1/18

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著者プロフィール

作家。監察医。講談社ホワイトハート「人買奇談」にてデビュー。代表作は「鬼籍通覧」シリーズ、「奇談」シリーズ(講談社)、「最後の晩ごはん」(KADOKAWA)、「時をかける眼鏡」(集英社)など多数。

「2023年 『妖魔と下僕の契約条件 5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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