宝石商リチャード氏の謎鑑定 祝福のペリドット (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086801430

作品紹介・あらすじ

トラブルが落着し、日本に戻った正義とリチャード。大学3年生となった正義だが、ある日常連の乙村が店を訪れ、片想いの女性からもらったという桜色のカメオを見せる。そのカメオには謎が……? 第5弾。

感想・レビュー・書評

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  • リチャードの過去がまた少しずつ、出会いから、幼少期の盗難など、重たいけど、前向きな形で解決していってるので、よかった。

  • 本作ではリチャードの過去があらわになる。
    師との出会い、母親や家庭教師など、実家の話など…優しさであったり、考えられないくらいの苦しみであったり、それらが今のリチャードを形作っていることがよくわかる。
    人は皆過去を元に作られていく。
    優しさも賢さもそしてそれを総括した「美しさ」も。

    「挑むシトルリン」は叶わない恋の物語だ。
    いうことは簡単だが言わないことはその何十倍も苦しく、自分を律しなければならない。
    そして、自分が思うほど相手は自分を思ってはくれないこともある。
    だが、相手が生きる世界を、相手が大切にしている世界を愛することはできる。
    愛とは、人間とは、なんと複雑なのだろう!

    「ジルコンの尊厳」では、「美とは『ある』ものではないのです。『見つける』ものなのですよ」(206頁)
    「祝福のペリドット」では、
    「自分が今まで何をしてきたのかと厳しく考える時には誰しも、己がうつろに思えるものだが、実際には自分で思っているよりもいろいろなものが入っているし、逆に考えれば、まだまだ詰め込む余地があるということでもあると。」(282~283頁)
    とこの本は伝えてくる。
    美の基準であったり、自分自身の評価であったり、そう言ったものはなかなか高くは評価できず、低い評価のままになりがちだ。
    そんな苦しみを少し和らげてくれる。
    少しずつ少しずつ、本は私を救ってくれる。
    薄皮一枚ずつが積もって、以前よりずっと苦しまなくなった。
    たくさんの言葉に触れること、それは必ず自分の救いになる。

  • スリランカの過去話がとても良かった。シリーズここまで読んできた中で1番好きかも。シャウルさんのことすごく好きになった。続いての智恵子さんの話もとても良かった。
    ところでシリーズ通してなのですが、本の右上にタイトルが載ってるけど、これ、それぞれの章タイトルにして貰えないかなぁ。ふと、今回の宝石なんだっけ?って思って、目次に戻るのが地味にストレス。

    • まめ太さん
      分かります。私もです。
      分かります。私もです。
      2020/07/15
  • シリーズ5


    リチャードとシャウルさんの出会いのお話


    こっちも4巻に負けず劣らずヘビーな内容


    子どもの時のキュートなリチャード坊ちゃん登場!

    とはいえ、智恵子さんに会えて良かった♪



    そしていつものお約束の、正義のボケもw


    人の強さとか、優しさとか
    たくさんの気持ちも受け取ったなぁ

    就活に悩む若者にも読ませたいw


  • リチャードと正義の掛け合いがこの巻も面白くてぐんぐん読める。リチャードがだんだん素直になっていってる。この巻のある場面で谷本さんが好きになった。ダンディなゴルゴ。

  • 今回はリチャードの過去の話がほとんど。完璧人間のような彼がまだ未熟だった頃を知れて良かった。

  • きゃー♡表紙から何コレ!今までの決め決めリチャードじゃなくて、寝起きのような無防備な姿は!ズキュンです。本編も相変わらずスイーツ顔負けの正義の天然甘々がましましです。特に披露宴後のww。でも、インドの女の子の話は辛かったな。ざまぁ展開はスッとしたけど。色々と皆が幸せオチは読んでいていいもんです。

  • リチャの年齢と大体の過去が出揃ったな

  • 「挑むシトリン」
    運んでもらいたい。
    知り合いであれば分かるが、赤の他人にあそこまで親切に出来る人は中々いないだろな。

    「サードニクスの横顔」
    隠していた想いは。
    全て憶測でしか話す事は出来ないが、答え探しよりも誰かに聞いて欲しかったのかもな。

    「ジルコンの尊厳」
    ダメ男の過去とは。
    偶然出会っていなければ、いつまでも詐欺まがいな事をして逃亡を続けていただろうな。

    「祝福のペリドット」
    会う事は出来ない。
    世間は狭いというが、こんな風に間接的に再会する事があるだなんて思わなかっただろ。

    「聖夜のアンダリュサイト」
    甘いものが次々と。
    いくら好きだと言っても限度があるだろうが、受け取ったからには処分できないもんな。

  • リチャードが師匠シャウルと出会い、宝石商を目指すことになったきっかけ。リチャードが甘味好きになったきっかけ。リチャードの昔話が盛りだくさんだった。

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著者プロフィール

9月24日生まれ。神奈川県出身。『時泥棒と椿姫の夢』で2014年度ロマン賞を受賞。受賞作を改題・加筆改稿した『螺旋時空のラビリンス』で文庫デビュー。

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