- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086802192
作品紹介・あらすじ
亡き母と同じ、教師の道に進むため、
教員採用試験に向けて入念な準備をしてきた碧。
だが、試験の直前に思わぬ体調不良に襲われ、緊急入院!
幸い、大事には至らなかったものの、試験を受けることはできなかった。
碧はなんとか前を向き、就職活動に励もうとするがーー。
一方、「ゆきうさぎ」は零一という新しい料理人を迎え、メニューにも変化が。
また、長い間胸に秘めてきた想いを伝え合い、
ついに碧と付き合うことになった店主の大樹は、
彼女を励ましてやりたいと考えていて……?
秋が深まる中、「ゆきうさぎ」の常連客たちにも転機が訪れる。
人生は悲喜こもごも。
だけどおいしいご飯はきっとあなたの支えになる。
小料理屋が舞台のハートウォーミングストーリー、第7巻!
感想・レビュー・書評
-
シリーズ第七弾。
小料理屋〈ゆきうさぎ〉を舞台に描かれるハートウォーミングストーリー、連作四話+序章&終章が収録されております。
※今回の巻末レシピは、第四話(表題作)「母と娘のちらし寿司」で、碧と大樹が仲良く一緒に作った“ちらし寿司ケーキ”が載っております♪
教師になる為に試験勉強を頑張ってきた、タマこと碧ですが、なんと思わぬ急病で教員採用試験を受けられなくなってしまいます。
気持ちを切り替えて私立校の教員に応募するも、狭き門ということもあり苦戦を強いられてしまいますが・・。
就活が上手くいかなくて、凹んでしまう気持ちはすごくわかるので、碧に共感&応援しながら読みました。
そんな碧を心配する大樹ですが、碧が就活の悩みを自分ではなく、“ミスター当て馬”・都築さんに相談したことにモヤってしまいます。(都築さんに相談したのも、偶々だったのですけど)
とはいえ、そのモヤった気持ちを後日ちゃんと碧に伝えるところが、大樹のソツのなさというか、出木杉ぶりが現れています。
とりま、このカップルは(そう、カップルなんですよねぇ・・うふふ)、へんにベタベタしていなくて、爽やかで微笑ましいですよね。
そんな訳で、今回は碧の就活の件を軸に〈ゆきうさぎ〉の常連さん達視点のショートストーリーがいくつか描かれております。
個人的には第三話「珊瑚の記念に栗ご飯」の商店会の会長さん夫婦の話がお気に入りでして、結婚記念日(35周年は“珊瑚婚式”というらしいです)に、奥さんを喜ばせる為に、ちゃんと手間暇かける会長さんが素敵ですね。
勿論奥さんの方も会長さんの為に“用意”をしていた訳で、このお互いを思いやる夫婦の姿に心が温まりました。
そして、大樹の叔父・零一さんが新たに〈ゆきうさぎ〉の料理人として働くことになったことで、〈ゆきうさぎ〉のメニューに洋食も増えることになり、洋食好きの私は嬉しく思っております。
中でも“牛肉のパイ包み焼き”は、手作りのパイ生地の中にとろけるように柔らかな牛肉の煮込みが入っているなんて、これは間違いないでしょ!と、思わず食べたくなりました。
ラストは、碧に光明がさした感じの終わり方だったので、希望が見えて良かったです。
あと、何気にミケさんと蓮くんが水面下で接近している模様なので、こちらも気になるところですね~。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
☆4
シリーズ第7弾
本作では碧の就職活動や、常連客の家族のお話、零一さんが加わっての「ゆきうさぎ」の営業が開始されたり…と色々な変化が感じられた1冊でした。
大樹はもちろん、零一さんのお料理もとっても美味しそうで、お腹がすいてきます…(特に「牛肉のパイ包み焼き」が!) -
読み出したら止まらない、本当に心温まる物語です。
数ある食をテーマにした作品のなかでこんなにハマるのは今まででこれだけです! -
[ゆきうさぎ]に新たな仲間が加わった第7弾。碧の就職活動や常連客の出来事など美味しいお料理とともに描かれている。とても読みやすくて悪い人が出てこないので安心して読める癒やしの物語。
-
教員採用試験の前日に盲腸になってしまった碧は、試験を受けられず、それでも教職への希望は捨てずに懸命な就職活動をする。
・彰三と義理の息子になる俊明との打ち解ける日
・碧と大樹の花火大会デート
・クリーニング店夫婦の結婚記念日
碧の就職がうまく行かないことで、全体的に少し沈んだ空気だ。
やはり碧が元気だと、この物語シリーズも活き活きしているように感じられる。
前作から登場した零一も、少しずつゆきうさぎに馴染み始め、大樹と二人でうまく回ってくれたらいいなと思うばかり。
就職関係の話は、どの作品でテーマとして組み込まれても少し憂鬱なもんだ…やれやれ。苦笑 -
あれ?お店との距離が近い人で、かつて棟梁で、お店を作るのに携わったっていう設定、どこかで目にしたような…
「弁当屋さんのおもてなし」だっけ?
確かこのお話でも、そんな人がいたような気がする。
このお話、視点が変わるのが自然。自然過ぎて気付かないくらい。あれ、いつこの人の話になった?って振り返ってみると、ちゃんと変わった瞬間は書かれているのに、それに気付かないくらい流れが滑らか。
美味しいほっこり系で困った人の問題を解決する、というお話は他にもあるのに、群を抜いて読みやすい。飽きない。
良いことだけじゃなくて都合の悪いこともしっかり起きて、でもそれが解決していく様があからさまじゃないし、登場している人たちみんな精神的に落ち着いているから読んでて不安になる場面が無い。
パターン化しているわけでもなく、この手のお話で、ここまで一度もうんざりすることも飽きることもなく読めるのは希少だ。 -
採用試験直前に碧に降りかかった不運。
就活に出遅れて悩みながらも、進みたい道は決してぶれない芯の強さ。
一日も早く良い知らせが届きますように。
ゆきうさぎ常連さん達の話が多くて少し中弛み感はあるけれど、碧の念願の花火大会、二人の仲睦まじい姿にほのぼのとしました。 -
毎回おいしそうなごはん