宝石商リチャード氏の謎鑑定 夏の庭と黄金の愛 (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086802260

作品紹介・あらすじ

夏の南仏プロヴァンスで、正義とリチャードの宝探しが始まる・・・・・・!

きっかけは、リチャードに母のカトリーヌからメールが届いたことだった。
カトリーヌが正義に会いたがっているという。
どこで正義のことを知ったのかなど、分からないこともあり不審がりつつ、
正義はカトリーヌが夏のヴァカンスで滞在しているという、南仏プロヴァンスの屋敷を訪ねることに。
到着したばかりのリチャードと正義を前に、カトリーヌはゲームをしろと言い出した。
敷地中のどこかある32個の石を探し出せというのだが、
そこには一族の過去にもかかわる秘密が隠されていて……?

シリーズ累計30万部突破!!
大人気ジュエル・ミステリー最新刊!

感想・レビュー・書評

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  • カトリーヌさんかわいかった
    思っていたのとイメージが180度違う

  • 話の上でしか出てこなかった、リチャードの母親カトリーヌが登場!今まであったカトリーヌの印象が変わった。リチャードと母親の確執が緩和されてほっこりして終わったと思ったら…

  • 「Le Premier jour ~ 1日目 ~」
    連れられた場所で。
    味方だと言われても相手に手を貸している時点で、本当なのか疑いたくなる言葉だよな。

    「Le Deuxie'me jour ~ 2日目 ~」
    飛び出した彼女を。
    全てを簡単に知ることは出来ずとも、関係性を勘違いされたのは悲しい現実だったろう。

    「Le Troisie'me jour ~ 3日目 ~」
    探しだした宝物は。
    あんな場所を散策するのであれば、時間はかかるが最低限の装備は必要だっただろうな。

  • シリーズ第八作目。
    2ndシーズン2作目は、南フランス、プロヴァンス!
    フランスは卒業旅行で行ったきり。
    しかも安いお上りさん観光客コース(それはそれでとても楽しかった)だったので、今度行ってみたい場所の一つ。

    さて、話を戻すと、リチャードのお母さん、マダムカトリーヌが登場する。
    どこに行っても美しくて目立つカトリーヌ。
    悩みなんてなさそう、きっと彼女はそう言われて来続けたのだろう。
    羨望と嫌味を、笑顔で「わからなーい」とかわす術を身につけながら。
    自由に生きている人は時に真面目に生きている人からは眉を顰められる。
    それでも、どこか惹かれてしまうのは、人はそんなに単純ではないからだろう。
    過去があって、今がある、そんな言葉通りに。
    また、容姿の美しさなんてそんなに大切なものでもない。
    それはミラボーの話が象徴的に示している。

    本作で胸に響くのは、190頁。
    「あっちこっちでつらいことばかり起こるもんだから、誰も彼もが『自分が世界で一番不幸だ』って思いこむ。
    それが心の貧しさだと俺は思う。そうすると他人を傷つけるのは簡単だ。」
    「自分で自分の心に栄養をやれる人間は強い。そういう人間は決して貧しくならない。」(191頁)
    思い出のヴィラでの宝探し。
    宝箱には、美しさとは、という難しい課題と、誰をかを思う気持ちの優しさと残酷さがはいっていた。

    そして物語はスリランカに戻り…突然の軍事衝突。正義、君はどこへ向かう?

  • 2023/05/21
    p164
    いや、ちょっと、急に写真が撮りたくなって。一枚だけ。
    めったに使わないパノラマ機能で、俺は周囲の景色を二百七十度くらいレンズにおさめた。リチャードと自転車が入らないぎりぎりのところだ。
    プロヴァンスの空よ、オリーブの畑よ、倒れて枯れている草よ、ポイ捨てされたペットボトルよ、白っぽい石の道よ、聞いてくれ。いや言葉にはできないので察してしてくれるだけでいい。
    俺の大事な上司が、俺のことを友達だと言ってくれた。
    友人関係を求めると言ってくれたのだ。つまり友達だということだ。
    嬉しい。
    嬉しい。嬉しすぎてどうにかなりそうだ。
    〜中略〜
    だから、距離が近づいたことはわかっても、思い上がるのはよそうと、そんなに簡単なものじゃないのだからと、言い訳するようにおもっていたのだが。
    そういうものを、何でもないタイミングでいきなり差し出されると、心の奥の柔らかいところにいきなりボディブローが入ったような衝撃に見舞われて、どうしようもなくなってしまう。
    とても嬉しいので歌って踊って叫びながら側転したいような気分なのだが、いきなりそんなことをしたらまず間違いなくが入ったようなを痛めるだろうし、不審者だし、怖がらせるだろうし、その結果やっぱり友達やめますとこの男に言われかねない。
    〜中略〜
    お互いさまということです、とリチャードは早口に呟き、その後ヴィラに到着するまで、六回か七回はペダルに足をぶつけていた。

    p171
    この風景をパノラマ写真に撮っておきたい

  • 背ラベル:913.6-ツ-8

  • リチャードの過去は複雑で、少しずつわかってきてるのか、謎が深まってるのか。
    少しずつ、家族との関係は改善?

    次作が気になるところで終わった。

  • リチャードの一族の過去に関わる宝探し。
    今回の舞台は南仏プロヴァンス。
    一気に読みました。

    物語の気になるラスト。
    スリランカに戻った正義。
    不穏な空気のスリランカ。
    ヴィンスさんからのメール。

    謎は深まるばかり。

  • 正義、いろんな国を飛び回ってるな(厄介事に巻き込まれながら…)
    ヴィンスさんはどこにでも現れるの目的が気になる
    息子としては大変だろうけれどカトリーヌさんも自由奔放で良いキャラ!
    人種問題について、正義と一緒に改めて考えさせられた感じ

  • 母親と息子って、父親と娘とはまた別の関係だなと感じる。最後に「ママン」の誤解がとけてよかった。「まだ結果が出ていないことで思い悩むのは労力の無駄」「反省は必要な時にだけするもので、他の時には楽観的に構えていること」

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著者プロフィール

9月24日生まれ。神奈川県出身。『時泥棒と椿姫の夢』で2014年度ロマン賞を受賞。受賞作を改題・加筆改稿した『螺旋時空のラビリンス』で文庫デビュー。

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