秘密のチョコレート チョコレート小説アンソロジー (集英社オレンジ文庫)
- 集英社 (2019年1月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086802352
作品紹介・あらすじ
人気作家の豪華饗宴!
言葉にできないこの想い、チョコレートと一緒に口のなかで溶かして・・・??
チョコレートにまつわる、愛と涙と笑顔の短編集!
大好きな彼の無理難題に応えようとした少女の一大決心(今野緒雪「かぐや姫のチョコレート」)。
雪の日助けられた少年が、心を込めて作る贈り物(岩本薫「2/14」)。
冬休みの宿題と大人の恋愛成就のため奔走!?とある姉弟のハイパー奮闘記(我鳥彩子「ちょこれいと六区〜うちの天使で悪魔な弟が〜」)。
新吉原の花魁・玉扇が見つけた、本当の愛の味(はるおかりの「花わずらい」)。
密かに片想いするショコラティエは姉の恋人・・・(櫻川さなぎ「プラリネ」)。
かけがえのない気持ちといつも一緒。甘くほろ苦い秘密の5粒、どうぞ召し上がれ。
感想・レビュー・書評
-
そうか、チョコレートだバレンタインだ、と、お話を恋愛に持っていかなくてもいいのか。という、「2/14」がとても好きでした。
「花わずらい」も良かったです。遊郭ものは好み。
存じ上げない作家さんばかりのアンソロジー、しかもいただきものでしたが、楽しみました。
上質でうっとりするチョコレートが食べたくなります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんとなく表紙のイラストとチョコレートにまつわる話ということで読んでみた。
美味しいチョコレートが出てくるものだと思ってたら、単に道具立てで美味しそうなチョコレートは出てこなかった…
チョコレートだからバレンタインデーに関する話が多いのは単純すぎる。
-
アンソロジーは苦手な時も多いのだが、これはすべて楽しく読めた。
いろんな話が読め、いいように思えたのは、チョコレートのせいかも(笑)。 -
再読です。
チョコレートにまつわるアンソロジー
いろいろなテイストがあって面白かった。 -
チョコレートに関する、アンソロジー。
2話目の、チョコレートは手作りで、に
本当にこの台詞言うのがいるのか! と。
現実でやっても、反感以上のものはないですが
本当に作りに行く女の子がすごい。
落ちには笑いましたが。
そいつにやるのは、確実にもったいない!
江戸時代にもチョコあったのか、の驚きもありますが
当時の人達が食べるには、ちょっと濃いような??
甘酸っぱい話ばかりかと思ったら
別方向のものもあって、面白かったです。 -
「チョコレートにまつわるお話が読みたい。できれば少女小説的なものがいい」って思って検索かけたらドンピシャなものがあって購入。チョコレートを題材にしたアンソロジー。恋に関するものだけでなく、家族愛やラブコメっぽいのもあっておもしろかった。「プラネリ」「花わずらい」「2/14」が特に好きです。
「プラネリ」
姉の恋人であるショコラティエに、消化しきれない感情を持つ主人公。主人公を思いやる同級生の男の子がよい。いちばん少女小説らしい話って感じました。
「花わずらい」
最初読んだとき「花魁もの!?」ってびっくりした。チョコレートと花魁がなかなかに結びつかなかったので…笑 大正、時代によるシビアさは少なからずあるものの、優しい話ですごく好き。
「2/14」
家出少年が主人公。この少年が老紳士的なギャルソンに拾われて成長する話。これも甘く優しい話でとてもよかった。
短編集だから仕方ないんだけれど、花わずらいと2/14はもうちょっと長く読みたかった。
知らない作者さんもいてこの方の他の著書も読んでみたくなりました。バレンタイン前に読めてよかったかも。 -
全部面白かった。特に花魁の話とプラリネが好きだった。櫻川さなぎさん、と、はるおかりのさん。今度読んでみよう。
表紙絵とタイトルに惹かれて読んだけれど特に秘密な感じもしなかったし表紙絵っぽい話もなかったのはちょっと残念。もっとチョコレートが主役の話が読みたかった感じもする、かな。その点、今野さんのかぐや姫のチョコレートは、チョコレートをカカオから作るというとんでも展開が面白かった。 -
全5作品の内「花わずらい」が抜きん出て面白い。チョコレート縛りの中で、維新後の新吉原という舞台が他の作品と比べると難易度が高いが、艶めかしく物悲しい雰囲気が上手く書けていて引き込まれた。この舞台を活かした連作短編など読んでみたい。