九天に鹿を殺す 煋王朝八皇子奇計 (集英社オレンジ文庫)

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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086803397

作品紹介・あらすじ

皇位を継承するために繰り広げられる、死の遊戯。圧倒的中華謀略譚!
中原の覇者・煋(セイ※)王朝では、皇帝の崩御とともに、次代の玉座を巡り八人の皇子が争う「九天逐鹿」が幕を開ける。
審判役である女帝の勅命のもと、宮中に現れる蠱鬼を狩り、代わりに得られる夭珠を増やしていく。さまざまな制約をかいくぐり、兄弟を陥れて、至尊の位にたどり着くのはただ一人。敗者には死あるのみ。
開始早々、気弱な第七皇子が脱落した。そこに、開始時に不在だった第四皇子が加入し、戦いは再び八人の対決となる。一方、かりそめの玉座を預かる女帝にも非情な未来が待ち受けていた。
新皇帝が誕生すれば、女帝は殺される運命にあるのだ。
卑劣な奸計が蠢き、情を断ち切れぬ者から滅びていく。凄惨な戦いを潜り抜け、最後に笑うのは果たして誰なのか――。

※「セイ」の漢字は「火へんに星」

感想・レビュー・書評

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  • 皇帝が崩御した時に、一年という歳月をかけて選ばれた八人の王子が争う。
    面白かったです(^^)
    知力、体力、陰謀。己の持つ全てを使い、皇位をかけて争う。
    本人たちも大変だけど、その一年の間に政を行い、皇帝が決まったら、禅譲させられる女帝も(^◇^;)

    血腥い物語ではありましたが、中華系だしありだなぁと。

    次の作品が楽しみかも(^.^)

  • 夢中で読んでしまった。

    20201115
    読了。
    一言一句読んでいると、一時間あたり20ページが限界。それくらい情報量が多くて、感じと読みの確認のために何度か戻ってしまったが、それくらい読み浸りたい作品。
    物語は人間版と言うか、皇族版蠱毒。
    王の死後、八人の王子が卜で選ばれ、一年の間に最後の一人になるまで殺し合わせて次代の王を決めると言うもの。
    趣味が悪いにもほどがある(褒めてる)。
    描写は色彩やきらびやかな光、ぬばたまの闇に満ちていながら、淡々としている。
    歴史書という側面を意識してのことか。
    後半登場する歴史家志望の男の娘が書いたのではないかと推測。父の方が書いているかもしれないが。
    心理描写が割と客観的な気がしたのかもしれない。それそれの生い立ちや背景があって、悲劇は引き起こされる。そこにもちろん悲しみや憤怒やらが描写されているのだが、推しを見つけるところまではいかない、といえばいいのだろうか。
    九人の皇子と女帝とその周りの者たちの状況がくるくると綴られ、伏線が張り巡らされ、回収され、それは直接的でなく酒宴の場での種明かしであったり、そこで得た情報を共有し、その後ポロリと落とし込んだり、と、パタパタと必要な情報が過不足なく綴られていく。
    どの皇子にも思うところがあり、それが弱点となるか、動機として強みになるか。
    趣味の悪い王選考方法ではあるが、書中の歴史家志望やあとがきで作者も語っていた通り、庶民に迷惑のかからない身内だけでことを済ますことができ、知略と機運と相応の動機を持つ者を選び出すことができる。
    彼らが見破りながら切り捨てていった妖魅たち以上に化物じみた官たちと対峙し、従えていかなければならない。
    助けになるものを見いだすのも、陥れられる前に陥れるのも、必要な資質。
    それをひしひしと感じさせられるラストだった。

    金翅鳥の話が出てきたり、諸国漫遊の度で早速問題点に気づいたり、と、次回作がありそうな終わり方ではあるが、これほど濃厚で悪趣味な方に振りきれていて唸らされる着地をしているのだから、これの先はむしろ読者に委ねられた方が幸せかもしれない。

  • 読了。購入時は30ページほどで入り込めず積読していたがタイミングなのかスルッと世界観に入り込めた。漢字の多さ、旧字、特殊な読みは苦笑したが、作者の好きを詰め込んだ様が好まれる。いくらでも冊数を重ねられる内容なだけに、上手く一冊に纏まっている。ただシリーズ化は読者が付いてこられれば有りかも…というくらいひたすら必死だった。笑

  • これはいったい誰得なのというサバイバルゲーム。
    王に相応しいかどうかはきちんと決めて欲しいと思いつつ、結果が気になって読みふけってしまう。

  • 面白かった。一気に読んだ。
    けど、用語が難しすぎて(笑)、もうちょっとフリガナ振ってくれてもいいのよ……と思ったなど。中華系のお話だと、普段縁のない漢字も多くて、別に読めてなくても話の意味は通るのだけど、頭の中でうまく変換できないから目での朗読が途切れる感じがあるんだけど……???(これは私だけの感覚なのかもしれない)
    漢字は読めないけど意味はわかる(これまでにも出てきているから)→でも、咄嗟になんて読むんだっけ? となる→集中力が途切れる
    という流れになるから、フリガナは大事。特にこのお話のように登場人物も多く、舞台設定となる国の成り立ちや、彼らが置かれる状況が特殊だと、集中力が途切れるだけで意味がわからなくなって放り投げる人も多そう。もう少しフリガナは多くてもよかったんじゃないかなー。要所で入れてくれているけども。

  • 先帝の崩御に伴い皇帝の座を巡り8人の皇子が蠱鬼を狩りその数を競う。
    最後のひとりになるまでだましだまされ命を懸けた戦いとなる。
    ラストシーンこそ爽やかに締めくくったが、内容的によくこのレーベルで出されたなと感心してしまった。
    凄惨な戦いの連続で甘さのかけらもないので、気分が荒ぶっている時に読むとより一層楽しめるだろう。

  • 異世界王宮が舞台のデスゲーム。

  • 8人の皇子が選ばれて、生き残った者が王になる蠱毒形式の陰謀話。不正はできないようシステムされていて、騙し合い殺し合いが面白かった。

    ただ、その選定システムが結構ルールが多くて「こういう陰謀だった」「こういう抜け道がある」という陰謀が陰謀ぽくなかった。私はルールを理解しきれていないから、あ、そうなのね。とまるきり受け止めるしかなかった。絶対こうだろ、という想像を裏切られるのが楽しいので、難しかったかな。。。

  • 皇帝の崩御とともに8人の皇子による次期皇帝を決める「九天逐鹿」という名の生き残りをかけたバトルが始まる。審判は期限付きで玉座の空白を埋める女帝。

    登場人物も多く、言葉もちょっと難しかったので、入り込むまでに少し時間がかかったけど、最後まで誰が残るか解らない騙し合いの展開は楽しかったです。
    決まってみると、結局は帝位に相応しい資質を持つ皇子だったのか…

    とても作者の熱量を感じました。

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