平安あや解き草紙 ~その姫、後宮にて宿敵を得る~ (集英社オレンジ文庫)
- 集英社 (2020年11月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086803496
作品紹介・あらすじ
いつの時代も、仕事も恋も悩ましい。
宮廷で働く女性の活躍を描いた平安お仕事絵巻、重大局面へ!
皇統の奪還をもくろむ嵩那の叔母・入道の女宮の策略で、伊子と嵩那の関係が父・顕充の知るところとなった。
顕充は十六歳年上の伊子を一途に想う帝と話すという。
だが伊子の懸念はそれだけはなく……。
時は師走。
大晦日から正月にかけて目白押しの儀式に誰もが忙殺されるなか、女宮が参内してくる。
どんなたくらみを秘めているのか警戒する伊子だったが、儀式の最中、帝の目の前で皇統の不当を糾弾する声が家臣から突然上がり、くすぶっていた先帝への不満が爆発した――。
【目次】
第一話 易きに流される相手と、侮られてはならぬ
第二話 人としての芯さえあれば
第三話 姥桜とて、そう容易く枯れはせぬ
感想・レビュー・書評
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今回は嵩那親王をめぐって起こる騒動に振り回され、心がいろいろ乱されながら、芯の強い所を見せる尚侍・伊子が見事と言えるかな。ただし、こう言っちゃうとなんなんだが、可愛げというか可憐さはないよね。第一話は、女宮の追儺での企み、第2話は七草粥での伊子の見事な推理、第3話は踏歌節会での嵩那親王の企みを描く。女宮は強烈な敵なのだが、今回、恋の競争者として27歳の弁の宮が現れたと思ったら、実は嵩那親王を狙っていたのは、なんと12歳の二の宮・玖珠子であったのだ。勿論、伊子は負けるもんかと力を入れるのでありました。
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面白かった。既刊は、敵役というか腹立つ奴やらライバルっぽい立ち位置の姫なんかもいたが、それなりにみんな良い人で、気分良くきたんだが、、。なんと、ほんまのヴィラン登場。伊子の恋人嵩那の叔母入道の女宮が登場。先帝の専横で分断された先々帝の皇統を奪還しようと目論む。で、入道女宮が伊子の父に嵩那の関係をリーク、それによって帝と宮と伊子の関係が形を整えていく。鬼やらいや七種粥など御所の行事を効果的に使っていて、面白い。人々のキャラやら心の持ちようを現代人うまく寄せていて、誰が読んでもとても読みやすいのではないかと思われる。小豆粥食べたい
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これはもう次を読まずにはいられない。
次までしか出てないようだが展開がまだあるようだと欲求不満に悶えることになりそうだ。たかがライトノベルされど…
読むなら揃えてから読むことを強くおすすめしたい。1巻読むごとに読み終わるスピードがあがってしまう。やがてくる空虚な終わりを恐れながらも。 -
最後の展開はちょっと、ないかなぁ、と思うけど、全体通して面白かったです。
体面と、冷静な判断と、自分の気持ちのバランスがいい
2021.7.17
88 -
嵩那の元カノ登場で伊子のライバル登場でした。非の打ち所がない元カノの存在がヒヤヒヤしましたが、収まる所に収まってホッとしました。
しかし、別の所にも又ライバル?が現れ、気の休まらない伊子がちょっと哀れでした。
結婚の意思を固めた二人の行先も、まだまだ前途多難ですね。 -
今回はつなぎ回か、余り進展なし。
美少女(現代なら小学生!)に持って行かれるのであれば哀しいですね…。 -
202011/シリーズ5作目。恋愛模様もありつつ、女宮の策略やらあちらこちらの陰謀、気の抜けないピリついた宮廷の様子も多め。各話のサブタイトルが今回も良い。
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シリーズ5巻目。いやあ、ますます面白くなってきた。
副題が「宿敵を得る」と言うことで、前巻からの流れで前半、女宮の陰謀話に翻弄されて、確かにこれは強敵だなあと思っていたのだけど、ラストまで読んで、そっちか! と思った。
いや、どっちもなのかもしれないけど。
しかしこれは、前門の虎後門の狼的な感じで伊子さん、大変だなあ。
でも、そういう時、最後には開き直れるのが彼女の強みだよね。
これは次巻以降がますます楽しみになってきたな。
それにしてもちょっと嫉妬が強過ぎませんかね。
それで判断を誤らなければいいのだけど。
そしていろいろな意味で主上が可哀想で不憫だ。 -
敵……だれかと思ったら、そうきたか。こわいなあ……。今回は、けっこうみんな戦闘モードでぴりぴりしてた。