君を忘れる朝がくる。 五人の宿泊客と無愛想な支配人 (集英社オレンジ文庫)
- 集英社 (2020年11月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086803526
作品紹介・あらすじ
忘れたい思い出、ありませんか?
それは半ば都市伝説のようなものだった。避暑地の林を抜けた先、花々が咲みだれる湖のほとりにひっそり佇む瀟洒なペンション「レテ」。
そこには不思議な部屋があり、一晩眠ると消し去りたいと願う記憶があとかたもなく消えるという。
その部屋の噂をどこかで聞いた人々が「レテ」を目指して集まって・・・。
料理上手だが寡黙なペンションオーナーの遠野愛文、彼をサポートするしっかり者の少女・多希、常連客で女流ミステリー作家の丸川千歳の前に、ワケあり顔の宿泊者が今日もひとり、現れる・・・・・・。
なくしたい思い出をかかえた人々に送る、切なく優しいメメント・イストワール。
感想・レビュー・書評
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記憶を失う構造が暴力的というか機械的で優しさを感じられない。機能としてそこにあるものを人間が上手く使いこなせてないからちょっと悲しい話も多いです。
それでもちゃんと立ち上がって進んでいくので最後は暖かく纏まってます。 -
月日を重ねた大切な人やペットとの大切な記憶。
そして、辛い記憶……。
どんなに辛い記憶でも私は消したくないなと思いました!
私もこの先心の底から愛する人ができた時に、辛い記憶も楽しい記憶も死ぬまで残したいなと思いました!
素敵な作品です! -
思ってた感じと違った。なんだか中途半端な気がする。本を読んで、で?と思ってしまった。
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一晩、そのペンションの特別な部屋で眠ると消したい記憶が消えるという。
私にも消したい記憶があって、こんな所があったら泊まりたいと思って、
手に取った本。
消したい記憶が全てをなかったことにはしないし、
自分の記憶が消えるだけで共有した経験を忘れられた相手もいる。
完全な魔法じゃない、優しい魔法のようなお話。