平安あや解き草紙 ~この惑い、散る桜花のごとく~ (集英社オレンジ文庫)

  • 集英社
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本棚登録 : 160
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086804042

作品紹介・あらすじ

恋に、政治に、仕事に揺れる平安お仕事絵巻、激動の急展開!!
「妻でなく母でなくとも甲斐のある女の人生を、私があなたに見せてあげるわ」

藤壺女御の男児出産をきっかけに、帝の寵愛を競う女たちの争いが激しくなった。
同時に本来の皇統である嵩那の東宮擁立を求める朝臣の声も高まり、伊子は頭を抱える日々が続く。
ところが渦中の嵩那は、誰にも告げないまま、あろうことか伊子の宿敵・入道女宮がいる吉野に出奔したことが発覚し、本人不在のまま東宮に内定してしまう。
これは、政治的判断により、伊子と嵩那の結婚を白紙に戻す決定でもあった…。

嵩那はいったいなぜ、何をしに入道女宮のいる吉野に行ったのか。
いつの時代も、働く女子は決断を迫られる。
伊子が選んだ道とは!?

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。なんと、とうとう殺人事件が起きる、が、この流れでは絶対ミスリードと思う。違和感ありすぎ、と思いながら読み進む。30代仕事できる美女年下にモテまくりという属性の伊子、なんか色々と平安の姫ではない性格の姫が多すぎるが、それがまた面白いというか、ほんまはこんな姫もおったんではなかろうかと思えてくるのが、より楽しい。
    してからに、帝に第一子無事に誕生、しかし東宮には嵩那が立つことになる。吉野でのシーンはなかなか絵になるが、ちょっとSF領域に踏み込んだ感あり。まあ、色々おもしろかった。

    なかなかキメセリフがアツい
    「妻でなく母でなくとも甲斐のある女の人生を、私があなたに見せてあげるわ」

  •  思いがけない展開になってきましたね。
     
     ですが、伊子の気持ちもよくわかる。女性は仕事か、結婚のどちらかしか選べないと誰が決めたんだろうか(-ω-;)ウーン

     その悪癖がいまだに多くの女性を苦しめているのですけどね。

     彼女が選んだ道は間違ってはいないと思うし、これからの展開がますます楽しみです。
     

  • もうちょっと嵩那に寄り添っても良かったんじゃない?というスタートから、2人の再会、から貝合せの件は結構心揺さぶられましたわ。

    父親になった帝もすこし藤壺に寄り添う感じがでたし、嵩那も帝も男っぷりをあげた感じがしました。
    2人の機微が後半にキュッと詰まっていて、作者やるな、と上から目線ながら思わされました

    2022.4.30
    65

  • 女の園の戦いがこえぇぇ。にこやかに艶やかに笑いながらステゴロ感満載の戦い方してるやんこわぁあ。

  • 今回も絵巻のような描写だった。装束の色合わせや庭の設えの様子など調べながら妄想した。楽しかった。物語の進展も気になるけど、こういった情景がとても良く描かれているのが巻を重ねるごとにわかる。貝覆いもとても興味深かったし。お話の方は進展したようなしないような…ふたりの絆は深まったようなので後はどんな結末にいくか次が楽しみです。まだまだ女宮の件が一波乱?ありそうだけど。

  • 202109/シリーズ7巻目。今回は謎解きというより、女宮の策略・争いネタメイン。展開にもどかしさを感じつつ、今回も伊子の仕事のスタンスやセリフに頷くこと多く楽しめた。

  • 今回はいつもの謎解き話ではなく女宮絡みの政争がメインだった。
    それだけに重要な出来事が多くて本編が一気に進んだ気がする。

    前巻ではっきりとした恋と仕事どちらも手放したくない伊子の決意は今巻でも健在。
    主上にも嵩那にもその決意をキッパリと告げた彼女はなかなかカッコいいし、ますます強く行動的になったと思う。

    女宮との対立も決定的になって、今後、二人の対決と言うか攻防が非常に楽しみではある。
    それとは別に、宮中における女達の争いも激しくなってきて、彼女がそれをどう捌くのかも気になる。

    個人的には彼女の宿敵は女宮というよりも玖珠子だと思っているので、ラストの展開にはきた!と思った。

    それにしても主上や嵩那側からするとなんとももどかしいだろうなあ。

  •  嵩那の不在の中、東宮に内定した。それは伊子との結婚を白紙に戻す事で…

     色々な思惑が交差する中、伊子と嵩那の想いは変わらなくてホッとしましたが、入道の女宮にはそれが理解できず、伊子とは別な人を送ろうとしている不穏なラスト。

     帝もまだ伊子を諦めてないし、まだまだ平穏な日々とは縁遠そうですね。

     そろそろ、伊子と嵩那の平和な結婚生活を送らせてあげたい気がします。

  • ミカドにしゃっきりして欲しい…。

  • 最初の頃は読了感があったけれど、この巻はもうさきをよまずにはいられない終わり方で、最新刊なのに次を待つのがもどかしいというもの。
    なかなか大団円を迎えられない、大河ドラマ化しつつあります。実際のテレビでドラマや映画にでもしてほしい。アニメじゃなくてね。
    平安朝の、麗しーいものになること間違いなし。
    折々に挟まれる装束を理解するためアンチョコをいくつか購入しました。たかがライトノベルでも、世界観に浸れる、道具立てに惚れてます。
    でもあまりにもどかしいので星1つ減らしました。

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著者プロフィール

埼玉県出身、佐賀県在住。「平安あや解き草紙」「なりゆき斎王の入内」シリーズをはじめ、数々の人気シリーズを執筆。その他の作品に『西陣あんてぃく着物取引帖』『お師匠さまは、天神様』『後宮の薬師』『掌侍・大江コウ子の宮中事件簿』などがある。

「2023年 『華は天命を診る 莉国後宮女医伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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