京都伏見は水神さまのいたはるところ 藤咲く京に緋色のたそかれ (集英社オレンジ文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086804462

作品紹介・あらすじ

祖母の神社に寄せられる、水にまつわる相談事の解決を手伝いをしながら、大学院生として民俗学の研究をしているひろ。
ある日、ひろが偶然持ち帰った一幅の掛け軸を広げると、そこには美しい藤の花と、燃えるような赤い毛並みを持つ山犬の絵が描かれていた。
掛け軸を目にした白蛇の化身シロは、遠い昔の記憶を思い出し、ひろに語り始める。
それは、シロがかつて京都南にあった「巨椋池」の龍神で「指月」と呼ばれ、畏れられていたころのこと。
東山に棲み、炎を喰らったという山犬「夕暮丸」と、美しい藤の化身「雨藤」との交流の物語・・・・・・。
平安時代、江戸時代中期、幕末、現代と時をこえて、水神シロがどのように生き、どのように彼らの「心」を愛していたか。
美しくも切ないシロの記憶が明かされる、人気シリーズ番外編。

感想・レビュー・書評

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  • ある日偶然にひろが持ち帰った掛軸。それを目にしたシロが、昔を思い出してひろに語りかけます。

    シロがかつて京都南にあった「巨椋池」の龍神で「指月」と呼ばれていた事、東山に棲み、炎を喰らったという山犬「夕暮丸」がいた事。そして美しい藤の化身「雨藤」。
    それぞれの交流の物語。
    平安時代、江戸時代中期、幕末、現代とシロがどの様に生きて来たのか、美しいけれども切ないシロの記憶が語られます。

    シロ目線で語られる番外編です。

  • 続けての8作目はシロが過去を振り返るスピンアウト。平安時代、江戸時代、そして幕末。東山の山犬、なかなかいいじゃない

  • 番外編。シロの過去が語られる。まだ心が良く分かってないシロが、それでもちゃんと今のシロと同じように優しくてほっこりする。夕暮丸との長い友情も素敵。

  • 長い時間を過ごしてるシロには、そりゃ悲喜こもごもの出来事もあるよね。
    ひろはともかく、拓己もえらいシャイやねぇ。

  • こんかいはシロの昔のはなしです。
    こころがどういうものかとか気づいていく感じがよかった。
    優しさとは?戻れない道に入った時
    背中をおしてあげるのか、そっと戻るお手伝いをしてあげるのか?みたいな文章が印象的でした。

  • まさか続きが出るとは思いもせず…
    主人公は指月。指月の友の夕暮丸の哀しい恋のお話。
    指月が人の心の一端を知り、シロとして心に気づくまでの間の話。
    ひろと拓己は脇役程度。

  • 今回はシロの話し
    何時ものちょこっとしか話さなかったシロの昔の友の話しでちょっと切ない大事な話し

  •  ある日、ひろが偶然持ち帰った掛軸に描かれた藤の花と赤毛の山犬を見たシロは遠い昔の記憶を語り始める。それは、かつてシロが「指月」と呼ばれていた頃の物語で…

     長い年月を生きたシロが、ひろと出会って人間との関わりを考えるキッカケとなった物語で、とても感慨深い物でした。
     かつて夕暮丸と名乗っていた山犬が一途に愛した雨藤と言う女性を亡くし、夕暮丸も長い年月をずっと一人で過ごしていた。人間の心が解らなかったシロがようやくそれを理解した様に思います。

     そして、ひろと拓己の関係が中学生レベルで…ひろらしいんですが、もう少しステップアップして欲しいです。

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