これは経費で落ちません! 11 ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)
- 集英社 (2023年11月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086805261
作品紹介・あらすじ
結婚に向けて、本格的に動き始めた沙名子と太陽。いまは東京と大阪で別々に暮らしているが、太陽の転勤任期は期限付きで二年か三年。結婚したら一緒に暮らすことになる。しかし一緒に生活をするとなると、決めなければならないことがあまりに多い。交際は順調な沙名子と太陽だったが、食い違うことも多く沙名子の不安は積み重なっていく。年始の休みを利用して、お互いの実家へと両親に挨拶に行くことになったのだが……? 仕事は続けるのか、家事はどう分担するか、婚約指輪や結婚指輪買うのか、結婚式は挙げるのか、どちらが名字を変えるのか、などなど。沙名子は結婚へと向けてタスク表をつくってひとつずつ処理していこうとするのだが……結婚準備は大変すぎる⁉
感想・レビュー・書評
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結婚することが決まった沙名子と太陽。
このままラブラブで進むのかと思ったら、さすがに沙名子、そうは簡単に進まない。
結婚準備全編の巻でした。
真夕の反応が面白くて、沙名子が太陽と電話をしてるのを聞いてしまった時の衝撃には笑ってしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ11作目。
今回はお仕事の話はなし、残念。
森若と太陽との結婚が決まり、森若のいうところの『結婚に向けてのタスク表』に沿って結婚準備を進めていく。
第一話「指輪を買う」
第二話「実家を訪問する」
第三話「友人と会う」
第四話「会社に報告する」
これらの各章のタイトルを読んだだけでも、森若にとっては高いハードルなのだろうというのが想像出来る。
私もどちらかと言えば森若に似たようなところがあるので気が重い気持ちも理解できる。
特に太陽の友人たちが企画したサプライズへの拒否反応は共感。太陽の元彼女や女性友達が森若の気持ちに寄り添ってくれて良かった。
一方でさすが営業マンの太陽、両家への挨拶や会社への報告など頼りになるところを見せる。森若のタスク表にもドン引きしない。いい加減なようできちんと考えているところもあるし、勢いで行くところもあれば一緒に考えるところもある。
森若も自分がポンコツではないかと落ち込むこともあれば自分を取り戻すこともある。
結婚を控えた方には思うところがあるかも知れないし、かつての結婚を思い出しながら読むとそれもまた色々面白いかも知れない。
一つだけ、田倉が税理士資格を取ったというのは意外というかさすがというか。田倉が太陽に何を言おうとしたのか、ちょっと気になる。
最後の真夕の動揺が面白かった。由香利の妊娠も目出度いし、希梨香は相変わらずだけど、美華さんのビジネスライクさは好きだ。
てっきり森若と太陽が結婚することで終るのかと思ったが、まだ続きそうだ。 -
今回は、太陽くんと森若さんの結婚までの話がメイン。
森若さんの、いつもどんな時も「イーブン」の考えや態度が、ふと崩れる瞬間がかわいいんだよねえ。 -
ついに結婚準備まで進んだぞ!
結婚についてもタスクリストを作成し、ひとつずつクリアしていく沙名子と、
優秀な営業部員であることがよーく分かる太陽にニヤニヤしっぱなし。
ちょうど私の会社の後輩(女性)が婚約し、名字をどうするかで大揉めした話を聞いたばかりなので沙名子たちの名字問題では妙に力を入れて読んでしまった。
後輩のところは夫が妻の姓にすることで話が進んでいたが、夫の母が泣いて抵抗したので婚約破棄寸前までいってしまった。
結局妻が夫の姓を名乗る、妻の各種変更手続きは委任状を持った夫が全て行うことで決着したそうな。
こんなことで結婚を断念したり、両家の関係が不穏になるなんて、もったいない。
選択的夫婦別姓制度が早くできればいいのに。 -
前作で結婚の意思を固めた沙名子と太陽が、結婚までにこなさなければならないタスクに臨むシリーズ11作目。
正直、本来の目的である経理の話は全く出て来ない。
でも、結婚に関する沙名子と太陽の考えのズレがそれぞれの視点で描かれていて、ちょっと面白いと思った。
タスクを作って、着々と準備を進めたい沙名子だが、現実はそんなに上手くいかない。
結婚って、男性優位だと思っていたが、沙名子の意見を聞いていると、もう少し女性優位の結婚があってもいいのだと考えさせられる内容だった。
経理の仕事みたいに結婚はタスク通りにいかないことが、沙名子にも少しは理解出来ただろうか?
次作で遠距離の結婚生活を二人がどのようにしていくのが、興味深々。 -
前作で、結婚することが決まり、
今作は、結婚準備回
これだけで一冊になるのも、
これまでのシリーズの積み重ねで
それぞれの登場人物に
思い入れができてるからかな。
今作に関しては、
これまでのシリーズを読んでいないと
絶対に楽しめないかなと思っていたけど、
結婚を控えている人とかには共感呼ぶかも。 -
森若さんは本当に太陽と結婚するのかなぁ。
上手くいきそうな、いかなそうな…
もっといい人がいそうな…いやいや、太陽もいい人だし…とずっとモヤモヤしながら読んでいました。
この気持ちはなんだろう?と思っていましたが、エピローグの『怒る真夕ちゃん』で、私と全く同じ思いが真夕ちゃんの思いとなって言語化されていてすごくすっきりしました。そして涙ぐむ真夕ちゃんの姿に私も涙…
森若さんには幸せになってほしいな。そして仕事は続けてほしい! -
シリーズ11作目。
伝票からその裏にある人や会社の動きを解き明かすいつもの流れと異なり、婚約から結婚に向けてのステップが描かれていて、番外編的な感じ。
両家への挨拶、会社への報告、指輪・新婚旅行・結婚後の姓の選択を、理の森若さんと情の太陽くん、それぞれに折り合いをつけながら、立ちむかっていく姿が、時にユーモラスでところどころ笑っちゃいました。
TVから小説に入ったので、読みながら多部ちゃんの像が浮かんできますが、主人公の真面目なキャラが立つ回でした。
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今回は結婚に向けた話が沙名子と太陽の視点から展開される。二人とも譲れないところはありつつも歩み寄るところは持っており、良い関係を築いていけるのだろうと思う。話はもう少し続くのかな、終わりが近づきつつある予感。