- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087201048
感想・レビュー・書評
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今でも謎の多い京都「龍安寺の石庭」について触れた本。
石の配置の意味から、作庭時期、作庭者は誰か、の謎に迫り一つの結論を導いています。
芸術については詳しくないので、分からない部分も多くありましたが楽しく読めました。
龍安寺の石庭はずいぶん前に一度見たきりですが、シンプルな中に無限の奥深さが感じられて深く印象に残っています。この本から得た知識を元に再度読み解いてみたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
意外にも、龍安寺の石庭が有名になったのは、つい最近で、しかも本当に美しいのかどうかという審美的な評価も定まっていないという。ただの枯山水とも違うユニークなこの石庭の所以は、専門家を悩ませているようで、造園に係る When Who How の謎に挑戦するのが本書の主旨だ。ネタばれさせると、著者は、江戸時代初期に、西洋文化の影響を受けて、小堀遠州が造ったと結論している。遠近法・黄金比・ヴィスタといった西欧技法の取り込みは、実物にて証明されるので、How の違和感はない。When の解明もそれなりの説得力ある史料をひいている。しかし、最も困難な Who の解明は、いささか強引なシナリオで、遠州に辿り着いている。遠州ほどの有名人物ならば、然るべき史料があっても良いだろうに、それが見つからないという論拠の弱さは著者も認める次第だ。石庭自体の意匠や審美的な評価は軽く流しており、一種の謎解きゲームとして愉しむ一冊だ。
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2002年5月19日購入。
2011年7月10日読了。 -
[ 内容 ]
日本を代表する庭園として海外にも名を馳せている、龍安寺石庭。
だが、庭石と白砂のみで構成されたこのユニークな庭を、いつ、誰が、どういう意図で造ったのか、実はそれすら定かではなかった―。
石庭の造られた年代については、従来も、一五世紀説~一七世紀説まで様々なものがあり、造った人物の候補もまた幾人も挙げられてきた。
ここで著者は、それら先行説を仔細に整理・検討しながら、石庭を巡る三つの大きな謎を推理していく。
そして、庭のそこここに込められた技術のルーツへの視点を導入することによって、作庭者の像を大胆に絞りこんでゆく。
果たしてその「謎の作庭者」とは。
[ 目次 ]
序章 謎の石庭
第1章 造営年代の解明―江戸作庭説(枯山水とは何か 一四五〇年作庭説への疑問 ほか)
第2章 造形意図の解明―西欧文化影響説(諸説への疑問 借景の庭 ほか)
第3章 作者の解明―遠州作庭説(諸説への疑問 茶人・金森宗和説 ほか)
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