寿司、プリーズ! ―アメリカ人寿司を喰う (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087201376

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/201721

  • もはや寿司ではなく、「SUSHI」とされるのが相応しいまでに変容した米国流の寿司。その「SUSHI」をとりまく職人の実相を活写。日米の文化的差異、食生活の差異、外食に求める要素の違いなどを踏まえつつも、それを乗り越え、さらには独自の方法論を編み出していく職人の努力は格好良いだけでなく、感動的すらある。日本流に変容した中華、洋食があることを考えれば、寿司と言えども、それが食される場所で変容していくのは当然だが、このことがよく伝わる構成になっている。

  • アメリカの寿司事情、決して否定的と言う訳ではない。
    少し古い本なので今どうなのかは判らないけども、充分面白かった。

    それにしても、寿司も和食も世界に広まるのは嬉しいよな、哀しいよな。
    どんどん魚が手に入らなくなる。

  • アメリカ「で」寿司は食べたことないけど、日本でもアメリカ「の」、アメリカナイズされた寿司は登場している。
    しかしアメリカの寿司と日本の寿司の違いはどこにあるのだろうか。また、なぜ違いが生じたのか。筆者のフィールドワークとインタビューによって明らかにされる寿司の実態はとても興味深いものだった。

    「日本流の押しつけ」と「クリエーションと称して何でもする」ことの葛藤のある現地日本人オーナーや外国人シェフの様子にきっと正解はないだろう。

    現在進行形で変化しつつある食文化の一端を寿司から垣間見れた。

  • 目次
    第1章 楽しくなければSUSHIじゃない!
    第2章 寿司がSUSHIになった理由
    第3章 たとえ「邪道」といわれても
    第4章 アメリカ版「すし通」への道
    第5章 ガイジン寿司シェフ大奮闘
    第6章 寿司の「黒船」を目指して
    第7章 回転寿司、ネバー・ギブアップ
    第8章 ニッポンの寿司はどこへ行く?

    アメリカに行ったときに日本人以外が経営、運営している日本食レストランに行ったときに感じていた違和感があった。で、アメリカ人って日本食のことどう思っているんだろうと思って読んだのがこの本。本当に分かりやすいですね。伝統、しきたりの日本と合理主義のアメリカ。アメリカでの日本の職人さんの葛藤が伺えて面白かったです。
    今や食だけではなく、いろいろなものがグローバルという名のもとに入り交じっていっていますんで、残っていくものをどう育てていくか、どう作っていくかのヒントにしたい一冊です。

  • [ 内容 ]
    「日本では週に何回ぐらい寿司を食べるの?」
    「お気に入りの寿司シェフは誰?」
    アメリカ滞在中、何度も質問攻めにあった著者は、ふと気づく。
    スーパーの惣菜コーナーにはごく普通にパック寿司がおかれ、おしゃれな寿司バーは街のあちこちで大繁盛。
    SUSHIは日本以上にアメリカで愛され、日常生活に溶け込んでいる!全米各地の寿司ビジネスの現場を訪ね、食べ歩く日々が始まった。
    客と職人が一緒になって踊りだすディスコ寿司屋、続々と誕生する青い目の寿司シェフたち、そして今や日本に逆輸入されるアメリカン寿司ロール…ダイナミックに変容するSUSHIが教える日米の「食」の明日。

    [ 目次 ]
    第1章 楽しくなければSUSHIじゃない!
    第2章 寿司がSUSHIになった理由
    第3章 たとえ「邪道」といわれても
    第4章 アメリカ版「すし通」への道
    第5章 ガイジン寿司シェフ大奮闘
    第6章 寿司の「黒船」を目指して
    第7章 回転寿司、ネバー・ギブアップ
    第8章 ニッポンの寿司はどこへ行く?

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 全米を渡り歩いて、寿司でも鮨でもない、SUSHI の魅力に迫った一冊。

    本書が出版された2002年以降もアメリカ人の SUSHI に対する熱狂は冷めることなく、僕も、米国に滞在した 2007年に、パック SUSHI を置いていないデリを探すほうが難しいくらいのSUSHI の普及に圧倒された記憶がある。

    もちろん、それは日本の寿司とは似ても似つかない "SUSHI" であり、そのことに抵抗を覚える日本人が多いのも納得できる。しかしこの本では、著者が米国で多くの店を食べ歩くうちに、SUSHI の魅力に取りつかれ、かつて感じた違和感が徐々に失なわれていく様子を克明に描写している。アメリカ人の口に合わせるための絶え間ない努力と、文化の違いを乗り越えるための工夫、寿司の発展史に位置付けた場合のとらえ方、アメリカ風ロールの日本への逆輸入、そして自分が(あるいは他の日本人が)言うほど寿司に詳しいわけではないことなど、どれも刮目すべきことばかり。

    長年、西海岸で包丁をふるってきた SUSHI 職人、杉浦マサは言う。「俺たちの寿司は、カリフォルニア前だよ」

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