「頭がよい」って何だろう ―ひらめき問題から探る (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087202076

感想・レビュー・書評

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  •  随筆。テーマは、知能、知能検査、「天才論議」など。著者の知名度だよりの粗製乱造品としか言いようがない。
     パズルについて。これだけ有名なパズルを引用しまくっているのに、題材の良さを殺している本は珍しい。ついでに言うと、パズルそれ自体は著者の書きたい話とあまり関連していない。本文を無視してパズルだけ読む読者が一番賢いのかもしれない。
     つぎに文章。著者が手を抜いてるのか、展開が雑すぎる。たとえば、ベイトソンをひいて「図形を言葉で描写させると人それぞれ異なるから、科学の基礎は実はおろそかだ」(大意)とか平気で書いてある。ベイトソンと科学者と読者に失礼だろう。
     最後に編集レベルでは、図と問題文(※ほぼ本文に埋め込まれている)とのバランスに、改善の余地が大いにある。また、問題と解答で頁対応を示すべき。なによりタイトルが内容を表していないのは不適切だ。

  • 難問奇問パズルゲームが好きなら、楽しめる1冊です。

  • 新書の類は、あまり手を伸ばしたことがなかったのだけど、パズルだのクイズだのが気になったので、読み始めました。
    軽い気持ちで読み始めたのだけど、これがなかなかに濃厚な本でした。
    メモを取りながら読めば良かったと後悔。

    「アジャストメント」を読んで、「SF小説だけど、結構、哲学的要素も入ってるんだな」と漠然とした感想を抱いたのですが、ここでもちょっと(というかかなり)哲学的だなという印象。科学と哲学は切り離せないものなのでしょう。初版を見ると、2003年。そこから15年経っているけれど、現代人の目にもっと触れてほしい一冊。

    最初の方の、マリリンの言葉と米原万里の対談での話しは、個人的にすごく印象に残りました。
    多角的に、柔軟に思考する。難しいけれど、常に心掛けようと思いました。

  • 「MENSA」の会員だったケヴィン・ラングドンの作成したパズルなどを紹介しながら、知性と「ひらめき」について著者自身の考えをつづったエッセイというべき本です。

    論理パズルのような内容を期待した読者は、おそらく不満を感じるのではないかという気がしますが、著者の考えをあえて好意的に解釈するならば、人間的な地平における知性とそれを超えるものとの接点として「ひらめき」をとらえてみたい、ということであるように思います。ただそうした主題をあつかうのであれば、パズルやクイズの本のような体裁で提出すのではなく、著者の本領である宗教学プロパーのテーマとして論じたほうがよかったのではないか、と思えてなりません。

  •  IQが高いのが頭がよいというわけではない。
     パズル、クイズがすぐ解けるのが頭がよい訳ではない。
     それでは、頭がよいとは何だろう。
     結論、頭の良い人はどんな事にも知恵を使う考えて考えて考え抜いた先にその答えのヒントが落ちている。

  • 参考程度に読むもの。

  • 頭が良いとは何かを問う本。
    「天才」とは、だれも思いつかないひらめきを持てる人のことを言うのかもしれない。

  • 頭の良さを測るのにIQが用いられるが、それも頼りになるが、発想やひらめきでもあると述べられている。普通ではない逆の発想ができるかということを難問パズルを提示しながら説明されている。

  • [ 内容 ]
    「頭がよい」という言葉は、日常的によく使われる。
    しかし、実際にその基準はどこにあるのだろうか。
    偏差値が高い、学校の勉強ができる…それが頭がよいということと、必ずしも同一でないのは、もはや自明になっている。
    では本当の意味で、頭がよいとは何だろうか?
    本書は、柔軟な発想やひらめきを必要とする名作パズル、難問・奇問を紹介しつつ、「天才」たちのエピソード、知能(IQ)をめぐるさまざまな事象などに触れ、「頭がよい」とは何か、どうすれば頭がよくなるのかを探っていく。

    [ 目次 ]
    あなたは次の問題が解けますか?
    世界一知能の高い女性
    モントリオール会議
    何が測られるべきか、何が不必要か?
    知能指数(IQ)
    問題点
    デボノの水平思考
    なぞなぞ
    トリックかいかさまか
    考えられないことを考える〔ほか〕

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 本書を読むと、IQや偏差値では測れない本当の「やわらかい脳みそ」というのは、こういう所にあるんだろうと感じます。

    実際のパズルを用いて読者の裏をかき続ける展開は非常に憎いですが、それがまた楽しい。
    パズルの回答のみで、解説を載せていない所が多々あるというのは、それもやわらかい脳みそを作るための著者からの投げかけなのでしょう。

    クイズ問題やパズルが苦手な人でも、きっと楽しく読めるはず。ぜひ一読を。

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著者プロフィール

1947年東京都生まれ。宗教人類学者。京都造形芸術大学教授。東京大学卒業。東京大学大学院人文科学研究科(宗教学)博士課程修了後、シカゴ大学大学院に留学、M・エリアーデらのもとで研究を続ける。NYのニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ(人類学)客員教授、関西大学教授、人間総合科学大学教授などを歴任。四十年以上、世界各地で宗教人類学調査を続けている。主な著書に『生きるチカラ』『偶然のチカラ』(共に集英社新書)、『官能教育』 (幻冬舎新書)、『賭ける魂』(講談社現代新書)ほか。

「2017年 『運は実力を超える 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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